人生ゲーム

2年前の12月、
会社を辞めようと退職願を出した。

辞めて起業しようとした。

と言えばかっこいいが、
自分の思うほど、
会社は認めてくれなかったから、すねたのであった。

固い決意だったにもかかわらず、
ある事情で残ることになった。
優柔不断。
後に、｢辞める辞める詐欺｣と言われる。

その春に、本社に転勤し、
30年もやってきた営業ではなく、
スタッフ部門の担当となった。

そこにコロナ禍がやってくる。

辞めなくてよかったのか、
どうだったのか、
今でもわからない。

なんとなく、
なにかに守られている気がしないでもない。
ご先祖さまか、
はたまた、
あの世の親父のおかげなのか。

そして、またこの4月の辞令がでた。
さらに全く未経験の総務担当に。
ありがたい(必ずしもそうではないが)ことに、
ついでに執行役員にして頂いた。

辞めようとした人間に優しい会社だ。

思い起こせば、
学生時代からずっと自分なりに
一生懸命考えて、
将来を、
身の振り方を、
ああしよう、こうしようと、
もがきながら、
人生のサイコロを振ってきた。

だが、いつも
自分の思いとは別に、
サイコロで出た目のすごろくの指示がある。

自分の人生なのに、
必ずしも思いどおりにはいかない。

ずっと、
人生ゲームのルーレットを回し続けている。