「英語至上主義」に抗う音楽シーンの革命児たち 【BLACKPINK / BABYMETAL / MÅNESKIN / KVELERTAK】
あのー、あれは一体いつ頃から言われるようになったんですかね?
世界に打って出るには「英語」が必須だっていう話ですよ。
半ば呪いのように、長く音楽シーンの常識とされてきた「英語至上主義」。
私がかつて音楽業界で働いていた時も、そんな風潮が色濃く感じられたもので、憶測の域は出ないものの、恐らく商業的な観点から「英語で歌っていない」ことを理由に日本リリースが見送られたのでは?というケースもありました。
グローバル化が進んだ現代においてなんとも時代錯誤な状況ではありますが、近年そんな意識も徐々に変わりつつあるようです。
母国語で歌いながらも、世界で高い評価を勝ち取ったアーティスト達の出現で。
最新作『BORN PINK』がBillboard 200で首位を獲得し、世界最大級の音楽フェス「コーチェラ」でK-POP初のヘッドライナーを務めたBLACKPINK。
「グラストンベリー」や「ダウンロード」など、名だたるロックフェスを連戦し、海外に新たな日本文化の誕生を印象付けたBABYMETAL。
ABBAを排出したユーロビジョンコンテストで優勝し鮮烈なるデビューを果たし、最新アルバムが世界12か国でNo.1を獲得。英語でなくともロックを発信できることを世界に知らしめたイタリアの4人組MÅNESKIN。
そして、このバンド。
ちょっと意味わからんくらいかっこよくないですか!!!!!??????
というか、もうね、サムネイルの時点で優勝だよ。
情熱的でありながらもどこか憂いを含んだボーカル、爽快感と哀愁をまとった多彩なトリプルギター、まるで生き物のように縦横無尽に駆け回るベース、指揮者のような自在なタクト捌きでバンドをまとめ上げるドラム。
あらゆるファクターが有機結合して独自のケミストリーを生み出している。
FOO FIGHTERSのデイヴ・グロールやMETALLICAのジェイムズ・ヘットフィールドらが賛辞を贈る彼らの名は、KVELERTAK(クヴァラータク)。
なんとも聞き馴染みのないバンド名と曲名の響きは、ノルウェー語だから。
そう、彼らはノルウェーから世界に照準を合わせるロックバンドです。
「英語至上主義」が特に根深いメタルやオルタナティブロックなどのジャンルで世界を目指すには、KVELERTAKのように母国語で歌う非英語圏のアーティストにとってはかなりアゲインストな状況ですが、彼らはどこ吹く風。
実際に聴いてみてどうです?
ノルウェー語、意外とハマってるでしょう?
彼らの音は、ロックの本流から1ミリのズレもない正直なもので、王道を温める一方、現代的に再解釈して再構築しているので新しいタッチもある。
これぞ温故知新。気持ち良すぎて、これはもうライブ観るっきゃないね。
大手ワーナーからアルバムを出したこともあるとは言え、前述3組に比べればお世辞にも世界成功を収めているとは言い難いけれど、それにしたって、これだけかっこいいバンドが、今や日本でのアルバムリリースもなく10年もの間来日してないってのは、ちょっと嘘だよね。
メディア以外で、個人ブログなんかで彼らに言及したネット記事がほとんど見られないので、応援の意味を込めて、今回noteで取り上げてみました。
というか、書かずにはいられん。かっこ良すぎて。
ちなみに、ノルウェー語で「KVELERTAK(クヴァラータク)」は、「束縛」とか「抑圧」を意味する言葉だそう。由来は不明だけど、いずれにせよ言葉の抑圧から解き放たれた彼らには、まさにうってつけの名前と言えますね。
最後に、超最高にロックンロールな水浴びを貼っておきます。
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