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消去法と積極法 科目を超えて


本記事について

消去法と積極法について巷で解釈が微妙に分かれてしまっているので、一度ここでしっかり説明をして、できるだけ多くの方と認識を共有しておきたいと思います。

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積極法と消去法について

どっちがいい悪いという議論が巷には蔓延っていますが、これらは二者択一のものではなく基本的に併用するものです。 問題を解いていく時は積極法→消去法の順番で考えていきます。積極法とは正解のポイントをあるもの探しで見つけにいくことです。そもそもマルを選べという問題でバツを選びにいくのはかなりおかしな話です。マルを選べと言われているのですからまずは積極法で考えていきます。積極法で考えて行き詰まったり、積極法ではどうしても考えにくい時にはじめて消去法に切り替えます。この順番を守っていただくだけでもかなり正答率をあげることができるので可能であれば守ってほしいです。消去法だけでは答えが選べなかったり、逆に積極法だけではかなり遠回りをしてしまったりするので両方併用していく姿勢が大切です。解くのが遅い、または、正答率が低い方はどちらかの方法に固執していることが殆どです。問題によっては、積極法がしやすいもの、消去法がしやすいものがあるので、どちらか一方だけでは不利な問題に出会った時に無駄な時間をくってしまいます。両方併用していく姿勢が大切です。
※一本釣りのことを積極法という方もいらっしゃいますが、それだと消去法との対応関係がおかしくなってしまいます。一本釣りは積極法の特殊な場合と考えてください。そもそも一本釣りはかなり危険な解き方です。多くの設問は最も適切な物を選べと書かれてあるので、あくまで相対的なものです。他により良い選択肢があれば、ズレがなくても(ズレはないが説明不足というのが代表例です)不正解になってしまいます。一本釣りはこのような例にとても弱いです。全ての選択肢には必ず一度目を通す必要があります。
※同じ理屈で不適切なものを選べと言われたらバツを探しにいきます。

積極法→消去法への切り替え

積極法→消去法の順番は変わらないのですが、科目によって移るタイミングが異なります。 例えば、言い換えがきつい英語では、積極法で厳しそうならすぐに消去法に切り替えて、関係や意味が強い所を目安にキズを探しに行くのですが、それに対して、現代文では積極法で厳しかったとしてもすぐに消去法には切り替えず、2個目のポイントはないか、ポイントはズレていないかを考えます。それでもダメな時にはじめて消去法に移ります。 このように、積極法→消去法と順番は同じでも科目によって移るタイミングが異なるので注意が必要です。
※選択肢に共通の構造があれば積極法の時も消去法の時も大きなヒントになります。積極法であれば探す内容(共通点)、消去法の時はキズを打つべき所(相違点)を見定めることができます。

積極法→消去法の補足

バツをうちに行くというと何でもかんでも打ちにいくイメージがあるかもしれませんが、実際は、消去法の段階で全ての選択肢にバツをうちに言っているわけではありません。積極法の段階で絞り込んだ正解になる可能性がある選択肢だけを集中してうちにいっています。他の選択肢はそもそも正解になりようがないので、バツをわざわざうつ必要がありません。 絞ったものだけにバツをうちにいかないと無駄に時間をとられてしまいますし、問題によってはそもそもバツが打てないものもあるので解答不能になってしまいます。 この順番と消去法の仕方について注意してください。
※消去法の時はキズをつけやすいもの、たとえば他の語との対応関係があるもの、意味が強いものらに注目していただくといいです。他の語との対応関係があるものは、それ単独の正しさだけではなく、他の語との関係も正しくないといけないので、キズが打ちやすいですし、強い意味のものは他の語よりもカバー範囲がひろいので反例を挙げやすくキズが打ちやすいです。
※現代文であれば文末付近に目を向けてキズを探すのも有効です。なぜなら日本語は文末に強く意味がでる言語だからです。特に長い選択肢であればあるほど有効です。

消去法には2種類ある

巷の積極法の話を聞いて、それ消去法じゃないの?と思われた方もいるのではないでしょうか。これはとても自然なことで、消去法には一見同じ操作をしているようで種類によって、実はしていることが違うという厄介な点があるのです。これが原因でこの疑問が湧いているのではないかと思います。 消去法には、明確に照らし合わせる相手がいてそれと違うからバツを打つ(解答根拠とずれているからバツ)方法と、何も照らし合わせるものがい無い状態でバツを打つ(本文とずれているからバツ)方法(俗に言う純粋消去法)の二種類が存在します。前者は丸を選ぶのと同時にできることなので、大抵の場合ポイントが入っているものを選ぶ操作とバツを打つ操作が同時並行ですすみます。その結果、見た目だけだと口ではマルを選ぶといいながら、手ではバツ印をつけることになりズレが発生しているように見えてしまい疑問が湧いているのだと思います。 解説を誤解しないためにもこの点には注意しておいて欲しいです。

消去法についての補足

いきなり消去法をしてしまうと、照らし合わせないといけない部分が多すぎてかなり時間を食ってしまいます。特に長い選択肢だと探索範囲が広く消去法がしくにいです。消去法をするのは積極法の後、積極法が通じない時だけです。加えて、消去法では消せない選択肢が結構ありますので、積極法で考えないとスピードが遅くなる以前にそもそも解けないです。よくある問題集や過去問は消せないものまで無理矢理消そうとするので、解説がそんなの人によるやん!というものや、勝手に自己解釈しすぎなものが散見されます。そういった解き方をしていてはいつまでたっても解けるようにはなりません。問題を解く時は積極法→消去法の順番を守ってください。
※設問から解答を作れないもの、小説や表現効果の問題では消去法が威力を発揮することが多いです。

積極法の訓練

積極法が必要と言われても、できないから消去法をしているんだという方もいらっしゃると思います。
そういう方2点をしていただきたいです。
一つは、記述問題に取り組んだり、選択肢を見る前に自分で解答を考える練習をすることです。そうすれば、解答のポイントを意識した上で選択肢が見れるようになるので、積極法ができるようになります。積極法が上手くできない方は、記述の時に書けているつもりなのに、点数に反映されていない方が殆どだと思います。この状況を脱するためにも、素早く確実に解けるようになるためにもこの記述的な態度の練習が有効です。記述をしている人は自然と積極法になるので正答率、スピードともに優れたものになっています。問題集で出てきた時に自分の志望校では記述が出ないからと勝手に飛ばさないでください。
二つ目は、解答根拠に辿り着く前に設問や傍線を分析ひ、選択肢を見る前にも解答根拠を分析し探す物を明確にすることです。積極法が上手くできない方はそもそも探す物が明確になっていないことがかなり多いです。探し物をする時に探す物が明確になっていなければ見つかるものも見つかりません。何かを探す時は探す物を明確にするようにしてください。
※解答根拠に関してはSVOCに注目しながら噛み砕き要するにこういうことと言えるようにしておくとより積極法がしやすくなります。

受験生の参考になれば幸いです。









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