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2023年5月の記事一覧

【詞】嵐の夜

【詞】嵐の夜

暗いです。

雷のふる夜は花も家の屋根も
魂が抜けたみたいにそこに佇んでいます

細々とした夢の奥へ向かう船は
とっくに行ってしまった

狂った嵐は続く ここで何が出来るだろう

嵐に吸い込まれそうな文脈に
透明な凧糸を張っては眠れもしない夜

漠然とした頭に光が流れ込んで
やがて朝になると知っても眠れもしない夜

人に、街の会話に、揺れる日々がいっそ愛おしい

夜と嵐を組み合わせた詞になっていま

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【詞】ワンシーン

【詞】ワンシーン

風の代わりに溜め息が雲を撫でて
夕暮れへと急かします

スマホのアルバムの青さも薄れていく
そんな日は天井のシミを見つめていた

過去には壁が立つもので
戻れないと思ってしまうほど

そばから壁が立つもので
何も出てこなくなるのです

今回も短めの文です。
個人的に『季節』をイメージして作りました。

春や夏といった季節の指定はないため
書いていて、どの季節にも当てはまることができるな と思いまし

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【詞】青と川縁

【詞】青と川縁

杞憂の輪郭を麓から浮かべる
川はいつもそこで優しくあってほしい

僕にとって心の原風景には
山並みと青い鳥の鳴く川縁が映るのです

その輪郭と川を下っていけば
夕日が山の頂にちらつき消えました

時間は本当に一瞬だと感じながら
ささやかな青さを掬って、夜をなぞって帰ります

今回は短いです。
個人的に『川』をテーマに作りました。

最近の自分の文章に"青"といった言葉も
多いなと思いました。

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【詞】"五月"などがテーマ

「全て嘘ではない程度の嘘を付こうかな」

外の人々と自分のなかで、
ちょうどいい塩梅を見出して、
素潜りした夜のことです。

「全て嘘ではない程度の嘘を付こうかな」

外の雨一粒ごとに、
瞼の裏から 化 け 物 が
狂 っ た 様 
         に



 散
     ら

 し

         た

夜のことです。

ひらめきばっかり積ってしまって、
また   どうしようもない、

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【詞】View

【詞】View

すこし暗いです。

夜の仄かな優しさは、
暮らしに伸びる影と紙一重だと
思ってしまったよ。

足りないものが多くて
空いた心の隙間を
何かで賄うこと飽きてしまったよ。

狸寝入りで寝返りを打って
星と月をずっと見ていたら
今すぐにでも
明日になったりしないかな。

目も頭も冴えてしまって
ぐるぐる回る、休みたいのに
そうなったら仕方ないよ、
2時間くらいは眠りたいけど

朝が一滴でも瞼に触れたら

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【詞】寝ぐせ

【詞】寝ぐせ

疲れていると思うから疲れてしまうのかな
なんてつぎつぎ思ったら
さらに疲れてしまったの

息をする度、
もどかしさは延々に浮き上がっては、

道を下る度、
それを掻き消す颯爽感に身を預けて、

僕は今日も鳥の巣みたいな寝ぐせをして、
あちこちに酔って、

寝ぐせが解けた頃に、
周りのすべてを振り返りたくなって、

ぐるぐると渦と言わんばかりに
こんがらがったら、

それが今度は、心の寝ぐせになりそ

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【詞】線香花火

【詞】線香花火

線香花火は、気まぐれな月の横顔みたいです
決して目を合わせることはなく
鰭みたいな火花、泳いで消えて

遠吠えする夜は僕らの
陸地を求めて彷徨う想像を
こねくり回すだけ回して
よく分からない笑みを浮かべている

人生は夜に雲が暮れ
そうすれば雲の向う側
真夏日の微熱、何か期待してしまう

右往左往に見える景色に
皮肉が生い茂る前にどうにか
夏の揺らめく川で
君に会って話すのさ 会って話すのさ

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【詞】湾曲

【詞】湾曲

深々とお辞儀する樹々の何もかも
深々と回り出す夜も何もかも
細々と枝みたいに別れた人のむれと
湾曲する窓の光に鴉が吠える。

凪いで揺れる 凪いで揺れる 
この夜を上手く扱えず かと言って 
下手に眠れぬ侭で 繰り返し 
水を飲み 日向に辿り着こうとする。

想像が翼を持ちすぎている 
この夜を上手く扱えず かと言って 
夢のなか思う様に 旅に出れぬので
眩しい日に いっそ辿り着こうとする。

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【詞】Town

【詞】Town

雲一つない空に鯨が泳いでいるとは思わず、
意味もなく大きな街へ来たもので、
瞼が夜の底へと下るまでの余暇をここで
過ごすことにします。

この街には、季節の影みたいな言葉と映像が
散らばっているみたいで、
まるですべてがそれで出来ているみたいです。

雨も芯が通っている様に、
心の奥 ノックする様に、
深く深くやってくるのです。

観点が混ざりに混ざって入り組んでいる
幾何学的な

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【詞】塔と夢散

【詞】塔と夢散

真珠色の砂漠、一つだけの寂れた塔
微粒と化した夢が右往左往、散らばっていく日

揺れる丸い水槽から微かに見えるキャラバン
浪漫の溢れた夢も右往左往、散らばっていく日

浅い眠りもいつの日か、
なつかしく思える時が来るのだろう。
二進法のオーロラの明るい方へ

朝の方角に向かう夜
春雷の河を下る
星に手を振って、雲が照らし出す方へ、

詩集"まなつび" から

今週は
以前 詩集

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【詞】隣

【詞】隣

山並みが欠伸した猫の背みたいにうねるから
この際、何でもないこと 諦めてしまおうか

人波にとけこむ 肯定的な
そういう気楽が 膨らんでいけば

なんて思ったのです 後を濁さぬ鳥みたいな
その誠実さを 見習いたくては

ガラ空きになった その隣に
代わるものは よく分からなくて

戻ってくる 返ってくる 
その距離感から外れてしまえば

季節だって、風景だって、
造花みたいだって

戻ってくる 返

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【詞】アネモネ

【詞】アネモネ

砂場は極端に細かったり、
太かったりする線で表して、

昨日ほどに遠かったり、
近かったりするみたいです。

海辺は極端に鮮やかだったり、
色褪せていたり、

今日がまるで長かったのに、
明日ほど一瞬だったり、

紅色の春がすぐそこまで
来ているらしい来ているらしい

実のところ心の内
青くありたい青くありたい

二進法のなかをさまよう言葉たち
鉛筆で紙に起こしてみたいよ

外にはアネモネの蕾があ

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【詞】"優しさ"をテーマ

翳り行く土地の
それぞれの優しさと時は過ぎていく
そしてあどけない空の青さを知る。

翳り行く土地の
それぞれの優しさが溢れだしていく
そして睦まじい夜の深さをまた知る。

すきな物、ただただ抱えて、
鼻歌から歌を作りだす。

自分なりの言葉の芯が
そこにあるから、

すきな物、ただただ抱えて、
鼻歌から優しい音色を

紡ぎ合わせる様に、
優しい歌をそこに込められたら、

夜更かししている自分は、

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