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【詞】隣

山並みが欠伸した猫の背みたいにうねるから
この際、何でもないこと 諦めてしまおうか

人波にとけこむ 肯定的な
そういう気楽が 膨らんでいけば

なんて思ったのです 後を濁さぬ鳥みたいな
その誠実さを 見習いたくては

ガラ空きになった その隣に
代わるものは よく分からなくて


戻ってくる 返ってくる 
その距離感から外れてしまえば

季節だって、風景だって、
造花みたいだって

戻ってくる 返ってくる
その距離感から外れてしまえば

自分だって、他人だって、
あの頃の画質の侭


主観のない波際を漂ってしまうだけだって
意味もなく春の花をふと買ったの

右往左往に酔いそうな街で
花弁揺らして 眠ってしまうの



詩集"まなつび" から

自分の文にはよく"波際"ってワードが出てくるな と最近思いました。

波際という言葉を使う度、
さざ波みたいなものを思い浮かべます。
もうすぐ夏ですね〜。


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