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【詞】湾曲

深々とお辞儀する樹々の何もかも
深々と回り出す夜も何もかも
細々と枝みたいに別れた人のむれと
湾曲する窓の光にからすが吠える。


凪いで揺れる 凪いで揺れる 
この夜を上手く扱えず かと言って 
下手に眠れぬ侭で 繰り返し 
水を飲み 日向に辿り着こうとする。


想像が翼を持ちすぎている 
この夜を上手く扱えず かと言って 
夢のなか思う様に 旅に出れぬので
眩しい日に いっそ辿り着こうとする。


深々と礼をして どこを目指すの
蔓を手繰っても 答えは分からない様な
夜よ何もかも 飲み込まないで
寂しい街よ 湾曲しないで、


詩集"まなつび" から

夜は独特の楽しさもあれば
寂しさも併せ持っていると思います。

そんな寂しさの加速で
夜が湾曲して見える といったテーマです。



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