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モーリス・ラヴェル博物館へ行った
去年の冬、ラヴェルの家に行ってきました。
フランスの作曲家モーリス・ラヴェルの晩年の家、通称「ヴェルヴェデール」は、パリ郊外のモンフォール・ラムリという町にあります。
この家はラヴェルが住んでいた当時のままの姿で、「モーリス・ラヴェル博物館」として残されています。
初めてのフランス旅行。ラヴェル博物館に行くことは、中学生の頃からラヴェルの作品が大好きだった私の長年の夢でした。
しかしこのラ
2024.2.29「再会」
うるうアドベントカレンダー29日目。
今日は2024年2月29日。
4年前の今日は、小林賢太郎演劇作品『うるう』大千穐楽です。
消えた「0→1」
一番最後の場面には、初演から再々演にかけて大きな変化がありました。
ヨイチとマジルが再び出会う瞬間、初演ではマジルの後ろにタビュレーティングマシンの「0」が浮かび上がりました。
タビュレーティングマシンが動いて、「0」が「1」に変わった瞬間、舞台は
2024.2.28「カノン」
うるうアドベントカレンダー28日目。
今日は2024年2月28日。
4年前の今日は、うるう大阪公演3日目です。
森のどこかから聴こえるチェロの調弦の音。
マジルがその曲を奏で始めます。
パッヘルベルのカノン
「パッヘルベルのカノン」と呼ばれる曲の正式な名称は、『3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノンとジーグ ニ長調』(Canon a 3 Violinis con Basso/ Gigue
2024.2.27「アルブースト」
うるうアドベントカレンダー27日目。
今日は2024年2月27日。
4年前の今日は、うるう大阪公演2日目です。
40年後も、ヨイチは変わらず森に暮らしていました。
新しい父親
ヨイチは新しい父親として、「アルブースト」と名付けた苗木に話しかけます。
アルブースト(arbusto)は小灌木、低灌木という意味のエスペラント語です。これもやはりヨイチが名付けたものでしょう。
アルブーストはまだ
2024.2.26「ひとりになりたがるくせに」
うるうアドベントカレンダー26日目。
今日は2024年2月26日。
4年前の今日は、うるう大阪公演1日目です。
マジルが伝えたその言葉を、ヨイチは繰り返します。
ひとりになりたがるくせに、寂しがるんだね
ヨイチは自分の半生の独白を終え、「だから私は、人を好きにはならない」と結びます。
その瞬間、それまで切り株を照らしていた照明が消え、マジルのいる場所にピンスポットがつきます。切り株に座ってい
2024.2.24「森で出会った少年」
うるうアドベントカレンダー25日目。
今日は2024年2月24日。
4年前の今日は、うるう横浜公演6日目です。
ヨイチはマジルに語ります。
152年
ヨイチは152年を生き続けました。
『うるう』の物語が生み出される時、小林さんはヨイチの年表を作ったと初演時のインタビューで語っています。
これは個人的に作ったものですが、ヨイチの年表を作ると、その人生がいったいどれほどの長さであるかを実感し
2024.2.23「ヨイチの旅」
うるうアドベントカレンダー24日目。
今日は2024年2月23日。
4年前の今日は、うるう横浜公演5日目です。
この世に彼の秘密を知る者が誰もいなくなったヨイチは、旅に出ます。
伊能忠敬の測量
ヨイチは旅を続ける中で、歩いた距離を歩数で数え続けました。
「数える」ことと共に日本中を旅するヨイチからは、江戸時代の測量のために行われた旅を想起させられます。
はじめて実測による日本地図を完成させ
2024.2.22「第一回国勢調査」
うるうアドベントカレンダー23日目。
今日は2024年2月22日。
4年前の今日は、うるう横浜公演4日目です。
15歳のヨイチの手に降ってきたビラに書かれたその言葉が、その後の彼の日々を変えてしまうことになります。
第一回国勢調査の宣伝活動
日本においてはじめて国勢調査が行われたのは1920年10月1日。作中で言及されているように、ヨイチがちょうど15歳のうるう年でした。
アメリカで179
2024.2.21「不老不死」
うるうアドベントカレンダー22日目。
今日は2024年2月21日。
4年前の今日は、うるう横浜公演3日目です。
ヨイチはマジルに自分の秘密を告白します。
彼は152年にわたる自分の人生について、語り始めます。
不老不死への憧れ
彼が自分の特異な体質について告白した時、背景にはこのような説明が映し出されます。
ヨイチの父親が研究していた不老不死とは、いったいどういうものなのでしょうか。
不老
2024.2.20「フクロウおばけ」
うるうアドベントカレンダー21日目。
今日は2024年2月20日。
4年前の今日は、うるう横浜公演2日目です。
ヨイチは「フクロウおばけ」に扮して、マジルの同級生たちを追い払います。
「フクロウおばけ」
フクロウが世界中で古来より不吉なイメージを抱かれていた、という話を上の記事で取り上げました。
「フクロウおばけ」のようなフクロウをモチーフとした妖怪も、世界には実際に存在しています。
東北
2024.2.19「グランダールボ」
うるうアドベントカレンダー20日目。
今日は2024年2月19日。
4年前の今日は、うるう横浜公演1日目です。
影絵遊びをしていたヨイチに、グランダールボが低い声で話しかけます。
父親の木
ヨイチはこう言ってグランダールボをマジルに紹介します。
グランダールボのような巨樹・老樹は日本に数多く存在し、その実態については環境省によって調査が行われています。
日本で最も樹齢が長いと言われる屋久島
2024.2.14「マカ」
うるうアドベントカレンダー19日目。
今日は2024年2月14日。
4年前の今日は、うるう静岡公演2日目です。
月夜の森の中で、ヨイチは不思議な動物の影絵を作って遊んでいます。
影絵
手影絵は江戸時代の文献にも見られる、古くから日本にある遊びです。
1810年に刊行された十返舎一九の『於都里伎(おつりき)』という冗談本には、現実的には作ることのできない影絵が描かれます。その前段として、序章
2024.2.13「まちぼうけ」
うるうアドベントカレンダー18日目。
今日は2024年2月13日。
4年前の今日は、うるう静岡公演1日目です。
ヨイチに怒られた次の日、マジルはある楽譜を彼に手渡します。
満州唱歌としての「まちぼうけ」
マジルが音楽室で楽譜を写してきたのは、童謡『まちぼうけ』でした。
『まちぼうけ』は1924(大正13)年(ちなみにうるう年)に発表された北原白秋作詞・山田耕筰作曲の唱歌です。
『まちぼうけ
2024.2.5「コヨミさん」
うるうアドベントカレンダー17日目。
今日は2024年2月5日。
4年前の今日は、うるう新潟公演2日目です。
ヨイチは、コヨミさんという女性との思い出を語り始めます。
甘食
「よろず屋」は大正期から見られた日用雑貨を売る店の呼称です。雑貨はもちろん、食料品から駄菓子まで扱っている、今でいうコンビニエンスストアのような店であったと想像されます。
町にひとつは必ずあるような身近なよろず屋で働い
2024.2.4「友達にはならない」
うるうアドベントカレンダー16日目。
今日は2024年2月4日。
4年前の今日は、うるう新潟公演1日目です。
マジルに友達になろうと言われ、ヨイチはタビュレーティングマシンを動かしながらこう言います。
ヨイチが森にやってきたマジルに対して、なんども「友達にはならない」と突き返す場面。
チェロのピチカートのリズムに乗せて、それは何日にもわたって続いているようです。
この場面ではヨイチがマジルの
2024.2.2「呉村先生」
うるうアドベントカレンダー15日目。
今日は2024年2月2日。
4年前の今日は、うるう仙台公演2日目です。
楽しい山野草
呉村先生がヨイチと共に山歩きをする場面。
背景にはたくさんの植物画が映し出され、数々の植物とその効能が紹介されます。
登場する植物のなかでも、やはり最も印象的なのはドクダミでしょう。
ドクダミは日本全国のいたるところに見られる多年草で、非常に生命力が強い植物として有名