なぜ人は“今あるもの”を数えるのか
私の読書記録によると、「自己啓発本にはおおよそ同じ内容ばかり書かれている」と気づいたのは、社会人4年目になった26歳の頃だった。
20代を通して、私は自己啓発本にハマっていた。きっかけは、大学3、4年生のときの就職活動だ。私は、「就活が不得意」な学生であった。曲がりなりにも文学部で、文芸創作ゼミに所属していたため、文章はまあまあ書けるほうだったのだと思う。エントリーシートなどの書類選考で落とされることは少なかった。
致命的にアウトだったのが面接だ。今でこそ、「面接は相手の