目標を立てるということ ~企業体としての自給自足~ 西山哲弘
目標を立てるということ
目標がないと同じ毎日を繰り返すことになる。
目標がないと前に進まない。
逆に言えば目標をしっかり立てることで、無意識に人生は前に進む。
大谷翔平選手は高校生のころのインタビューで、なるべく難しい事、叶いそうにないような目標を立てていると言っていた。恐らくそのスタンスは変わっていないのだろうかと思う。
目標とは何だろうか。
それは旅で言えば目的地のようなものだ。どこに向かうかも決めずにただブラブラとする旅も悪くはないが、しっかりと目的地を決め、自分がどこに行って何をするのか、目的を明確にしたほうが旅はスムーズに、時に予想外の人の助けなどで、しっかりとその場所までたどり着ける。
人生も同じように目標をしっかりと定めることで、自分だけでなく周りの人々や環境までもが目標に向かって動き出す。世界は宇宙を通して繋がっているし、他人もどこかで見えない糸のようなもので繋がっていると思う。
運命の赤い糸では、それを生涯の伴侶として出会う人を対象として語っているが、私は運命の糸というのは、関わってきた全ての人の中にあると思っている。
関わってきた人々は、人生の目標に向かう中で、良くも悪くも、私にとって必要な人たちだった。私は目標に向かってしっかりと歩き、行動し、そして多くの人と出会い、助けられる。直観を大事にしている部分が多くあり、時に騙されることもあった。ただそれも目標に向かうために必要なことであったと、後々になって気づく。
私は目標に向かっている。私の目標は少し変わっているのかもしれない。
私の目標は自給自足を個人や家族単位で行うのではなく、企業や個人で事業をしている人たちと一緒に行うことだ。
多くの人はそんなことは難しい、無理だという。しかし、私は無理という言葉は使わない。否定的な言葉を言ってしまった時点で、それは確定してしまう。
そして目標を立ててから数年でそれは確実に、ある時から急速に実現してきている。
私が会長を務めているCODE株式会社のHPを見てみてほしい。http://code1999.com/
そこには一見関係のない多くの業種の事業が紹介されている。
これを見た人は「ずいぶん色々な事業を幅広く行っていますねぇ」と大抵の場合にそう言う。
現在はTOPページに私の考える目標や理念などを紹介しているが、最初はそのようなことは書いておらず、何をやろうとしているのかが理解されなかった。
ただ沢山の経営者や成功者と会う機会が多く、その人たちに自分が何をしようとしているのかを説明すると、ほとんどの人が目を輝かせて「凄いですね。考えたことはありますが、実行しようとは中々思えないですよ」と賛同してくれる。
そして目標を明確にし、進んでいくと、その賛同してくれる人たちが協力し、一緒にやりたいと言ってくれる。私を中心に出会った人たちが繋がって、さらに新しいアイデアや商品が生まれる。
困っていることがあったら、誰かの知り合いが、そういうのは得意なので是非やらせてほしいと言ってくる。
やることが明確になれば、必要なことが明確になって、次々にコミュニティの内外で化学反応が起き、とてつもないスピードでそれが広がっていく。
目的地の決まった列車に次々と人が乗ってくるようなイメージだ。私は運転席にいるが、困ったことがあったら乗客が助けてくれる。
それは乗客というよりは仲間だ。
海賊船ではないがワンピースの海賊団のようなものかもしれない。船が壊れれば修理してくれる人がいるし、射撃が得意な人もいれば料理がうまい人もいる。絵がうまい人もいれば文章がうまい人もいる。
それぞれの人が私の目標を知っているし、自分から船に乗っている。
自給自足というのは、自分たちだけで生活が完結しているということだ。まず思い浮かぶのは食べ物だと思う。
CODEでは農業や漁業を行っている。あとで詳しく紹介するが、北海道や沖縄をはじめ全国各地で事業を行っている。
北海道では畜産から農業まで幅広く事業を行っているし、沖縄では奇跡の木と呼ばれるモリンガを使った商品を展開している。
漁業では、新潟県の佐渡島と縁が深く、CODE社には佐渡支店がある。
佐渡島では佐渡シーファームという養殖場を運営しており、北海道利尻産のエゾバフンウニの養殖を行っている。
エゾバフンウニの養殖は道外では我々の運営する佐渡シーファームだけが成功している。
海水温の上昇によって天然のエゾバフンウニは壊滅的な打撃を受けているが、佐渡シーファームのエゾバフンウニは海洋深層水を使って水温を年中一定に保つことに成功しており、海水温の影響を全く受けない養殖が可能になっている。
他にも各地の名産品を海外に輸出する事業を展開していく。日本には海外に知られていない美味しいものが沢山ある。
輸出というのはかなり経験と知識が必要で、輸出先の法律までもしっかりと把握していないとできない。それ故にいい商品を持っているのに輸出されていない日本の商品が沢山ある。実際に輸出されているのは大手企業のものばかりだ。
私は海外での生活が長く、アジアからヨーロッパまで各地で会社を起業し経営してきた。その経験と出会った人々の協力によって貿易の経験とスキルを持っている。
日本の名産品を欲しいという海外の人は沢山いるが、彼らからしてみればどこにも売っていないという状況だ。インターネットショップでも海外の発送に対応していないのがほとんどだし、発送できたとしても送料が高く商売にならない。
そういった問題を解決し、両者を結びつけるのが私たちの役目だ。
話が少し反れてしまったが、こういった各地の生産者や企業の経営者もまた、私の目標を聞いて賛同してくれている人たちだ。
私たちが欲しいもの、使いたいもの、あったらいいなと思うもの。それをすでに製品として持っていたり、一緒に開発してくれたりする仲間と出会い、その製品を自分たちで使い、コミュニティ内で紹介しさらに輸出も行う。
私たちは欲しいものが手に入り使うことができるし、コミュニティ内でも使われ、それぞれの人が買ったり、さらに販路を広げて売ってくれたりする。
さらに我々が海外に進出させ、生産者や企業が潤う。無名だった商品が全国から、海外まで認知されるようになる。
自給自足というと、お金を使わずに自分の畑で農業をして、電気のない家で薪の風呂に入り、井戸の水で体を洗う。そういったイメージだと思う。
そういった生活を否定しているわけではない。むしろそう言ったアウトドアな感じは非常に好きなのだが、私が目標にしているコミュニティとしての自給自足のイメージは全くと言っていいほど違う。
自分たちが欲しいもの好きなものを作って、使って、さらに売っていく。環境や場所、例えば温泉や娯楽施設、エステや美容などの施設なども、自分たちで作って、それを使う、そしてコミュニティでも使い、そこに集まる。もちろん一般の人にも開放されて運営していく。
こんなサウナがあったらいいなと思ったら探すのではなく、みんなで作って使って運営する。そこにはお金があるし、お金がちゃんと流れている。
お金に対してネガティブなイメージや悪い、汚いといったイメージを持つ人が多いが、お金は決して悪いものでもないし汚くもない。それは使う側の問題であり、稼ぐ側の問題だ。詐欺などで大儲けしている人が悪いのであってお金は悪くない。
私たちのコミュニティで流れているお金は、欲しい人が欲しいからお金を払って、そのお金でまた商品を作るといった、当たり前の循環だ。お金なくしてコミュニティとしての自給自足はない。お金がそこでしっかりと回っているからこそ、コミュニティとして力があり、豊かさがある。
これを言うと「信じられない」とよく言われるが、私たちは生活に必須ともいえる、水源の確保や発電などのエネルギー事業も行っている。
まだ準備段階であるが、それは確実に実行されている。企業体としての自給自足、頂点立地、自主独立。掲げた目標は高いほうがいい。Mr.childrenも終わりなき旅で唄っていた。
まだまだ登頂までの道のりは長そうだが、頂上が見えていないかと言えば、そうでもない。沢山の仲間が私を一気に押し上げてくれる。そのおかげで頂上は随分と近づいたように思う。
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