自分への思いやりがすべてを変える ~どんな自分も愛していい~
自分を好きになりなさい。自分を愛すること。それが一番大切。
でも、できないんです。気持ち悪いんです。
私の中の何かが邪魔をする。その「何か」とは、何なのだろう。
どうすれば、私を愛することができるのだろう。
はじめに
どうも、幸せ追求教師、ニキチャコです!
最近、自己肯定感に特化して研究をしていて、超重要ファクター「自分への思いやり」を発見しました。
ニキチャコの幸せ追求教育に欠かせないピースとなったので、今回は「自分への思いやり」について、書いていきたいと思います。
とてもとても重要なことなので、皆さんにはぜひ最後まで読んでいただきたいです。
それでは早速いきましょう!
1、「自分が好き」を邪魔をする「何か」
「占いに行ったらさぁ、占い師に『自分を愛しなさい。』って言われたんだけど、正直それで何が起こるの?って思うんだよねぇ」
「よくインスタとかででてくる名言とかに、『まず自分を好きでいることです。』とかって書いてるけど、それができないから困ってんじゃん。こんな自分好きになれる?」
そんな声を聴いたことがあります。
あなたは自分のことが好きですか?
今の自分に満足していますか?
即答で「はい!大好きです!」「大満足です!」って答えられる人は、かなり少ないと思います。
◎調査結果
実際、最新の調査(※1)では、日本の若者に対する「今の自分が好きだ」っていう質問に対して、肯定的な回答(あてはまる、どちらかといえばあてはまる)をしたのは約60%でした。その中でも自信をもって「あてはまる」と回答したのは約17%でした。
前回の調査(※2)では、肯定的な回答が約46%で、自信をもって「あてはまる」と答えたのは12.4%だったので、かなり伸びてはいますね。
「今の自分に満足している」という質問では、肯定的な回答が約49%で、自信をもって「満足!」と答えているのは約13%でした。
前回の調査では、肯定的な回答が約41%で、自信をもって「満足!」と答えているのは約10%だったので、こちらも伸びてはいます。
(調査対象の年齢の区分が変更されたり、比較人数なども変化があるため、割合が大きくなったと一概には言えないので注意してください!)
しかし、自信をもって、「自分が好き」「満足している」と答えられるのは約10人に一人です。
大雑把に見れば、若者の二人に一人は、自分を好きではないし、満足をしていないという結果です。
なんでこんなにも、自分に満足したり、好きでいたりできないのでしょうか。
現状に満足してはいけない症候群
私達って、「満足しちゃいけない」って、教えられているんです。
何かできるようになっても、「じゃあ次はこれに挑戦!」とか、「そんなのまだまだ!」とか、どんどん目標を更新されてしまい、前へ進むことが全てであるように価値づけられています。
この考え方は、主に保護者、家族、教師、友達など、身の回りから教えられるものです。(教師という点で耳が痛い。笑)
それが、当たり前になっています。
常に前に進んでいなければならないという流れに乗せられているんです。
これには長所短所がありますよね。
長所は文字通り、常に進化できること。他にもあると思います。
短所は、進んでいない自分を認められなくなること。
失敗する自分、立ち止まる自分、頑張れない自分、うまく成果が出ない自分などが、「良くない自分」というレッテルを貼り評価するようになります。
良くない自分にならないように、常に頑張らなくてはならないわけです。
ただしその弊害として、ありのままの自分を認めることができなくなります。
この「現状に満足してはいけない症候群」によって、ダメな自分が増えていき、頑張れない自分を責め、失敗する自分を責め、自己否定ネガティブループに入ります。
今までの記事で何度も説明している通り、ネガティブループに良いことはあまりないです。
そりゃあ自分に満足できません。好きになるなんてもってのほかです。
ダメな時だってありますよ。
失敗する時だってありますよ。
頑張れない時だってありますよ。
成果が出ない時だってありますよ。
そんな自分を認めなければ、自己否定ループは止まりません。
脳はもともとネガティブ
脳の癖の話を少ししましょう。
人間の脳は、一日に5万~6万回くらい思考していると言われています。
そのうちの80%くらいが否定的な思考だそうです。
つまり、脳は基本的にネガティブなことを見つけるように進化してきたということです。
ネガティブなことがなぜ脳にとって重要なのかというと、それはシンプルに生きるために必要だからです。
ネガティブな情報は死に直結する重要な情報だからです。
私たちの無意識は、生を維持するために一生懸命働いています。
「川の水がきれいで飲めそうだなあ」というポジティブなことよりも、「ワニがいるじゃん!!」というネガティブなことの方が生きるために重要だということは、なんとなくわかりますよね。
のほほんと「ワニがいるけど気にせず水飲も~」とはならないでしょう。
「ワニがいるのに水を飲みたい!」と思っているとしたら、「もう3日も水を飲んでない・・・飲まなきゃ死んでしまう!!!」とワニ以上に、脱水症状に死を感じている時です。
ネガティブなことを必死に集めているのが脳だということは知っておいた方がいいですね。
だからこそ、自分の中のネガティブな要素も脳は見つけるのがうまいです。
私たちは最初から、自己否定がうまいってことになりますね。
「私には~がない」という不足ばかりが見えてしまい、満足することができないんです。
結果・才能重視のほめ方の弊害
「すごい!」「できたね~!」「〇〇くんは足が速いねぇ~」
「頭がいいねぇ~」「すぐできたねぇ~すごいねぇ~」
「あなたには絵の才能がある。ピカソみたいになれるよ!」
普通に使っているそのほめ言葉が、実は自己否定のもとを作っているかもしれない。
そう気づかされた時、私は絶句しました。
教師として、ほめることが最重要だと思い、それを繰り返してきたからです。
そういった褒め方を「条件付き肯定」といいます。
例えば、ミニチャコちゃんが私に「ミニチャコは足が速いねぇ~^^」とほめられたとしましょう。
「速く走れる私はすごい」=「速く走れない私はすごくない」
⇒「速く走れない私は喜んでもらえない」
⇒「お父さんお母さんの機嫌をよくできない」⇒・・・
と、このように最終的には、親から見放される=死の恐怖にまで向かってしまいます。
もし、誰かに負けてしまい、「自分は走るのが遅い…」となった瞬間、自己否定に入ったり、そんな自分を認められなくて、癇癪を起こしたりするようになることもあります。
またその後、走ること自体を放棄したり、本気で走るのを避けたりします。生きるために評価されるのを避けなければならないからです。
私たちが「良い」と評価するような結果をたくさん出してきた子たちは、その「したこと(結果)」をほめられることで、良いと思うような結果が出せなかったときに、そのときの自分を認められなくなる傾向があります。
失敗が怖くて挑戦できなくなったり、結果を認められずに、人のせいで、環境のせいで、と自分以外に原因を追及するようになったりもします。
また私たちが思う才能あふれる子たちも、その「才能(持っているもの)」をほめられ続け、その才能が通用しなくなってしまったとき、才能がない自分を根本的に認められなくなります。最初は好きでやっていたことが、一気に苦痛になってしまうのです。
この「持っているもの」は、才能の他にも、富、名声、所有物、地位、など、たくさんあります。先ほどの「速く走れる」も才能や能力ですよね。
レアカードを持っている少年が、それらをほめられ、もっと認められたいからレアカードコレクターになっていく様が目に浮かびますね。
お金持ちがお金が無くなったときに、全てが終わってしまうと勘違いしてしまうのも、お金を持っていない自分を認められなくなるからです。
本当はそんなことないんですけどね。
ここで大切なことは、「したこと」でも「持っているもの」でもなく、「存在そのもの」をほめられることが自分を認められるかにかかっているということです。
どんな自分も認められるか。これが一番重要な要素です。
「あなたは存在しているだけで素晴らしいよ。」
「どんなときのあなたも愛している。」
「泣いたっていい。怒ったっていい。そんなあなたも大切なあなただ。」
「あなたがいてくれるだけで、私は嬉しいの。」
こんな言葉を小さい頃からかけてもらえていたら、自分のありのままの存在を受け入れられるようになります。
自尊感情が高まるのです。
安心してください。子どものころにそんな経験がなかった・・・っていう人も、今からでも自分で自分自身に声掛けしていけば、自分で自分を育てていくことができます。
自分よりも他人を優先する日本の社会通念
そんな言葉をかけてもらえなかった自分。
なんて悲しいんだ。
私は、親の機嫌ばかりうかがって生きてきた。
結果を求められ、常に評価されてきた。
そのように考えて、親を、家族を恨むかもしれません。
しかし、その親も、同じように、評価されながら生きてきたのです。
しんどい思いをしながら、誰しも自己否定をしながら、生きてきたのです。
苦痛は世代をこえて受け継がれてきたのです。
その根源にあるのは、なんでしょうか。
私は社会通念にあると思っています。
日本は世界からも認められる素晴らしい文化をもっています。
和の心は、とても美しい誇るべき文化です。
他人のために。人に尽くす。そう言った姿が美しいとされています。
だから、助け合いの精神が日本人には受け継がれていますよ。
私自身も、そんな姿をかっこいいと思います。
自分の身を削り、心を削りながらも他に尽くすヒーローなどを見ると、憧れます。
しかし、長所の裏には短所がある。これは何事にも、必ずです。
学校では教育目標を掲げます。子ども達に分かりやすいように簡単な言葉で掲示することもあります。
私はいままでに、「自分を愛する」とか「自分を大切にする」という言葉が一番最初にくる目標を見たことがありません。
(無知なだけかもしれません!笑 知っていたら教えて!)
見たことがあるのは、「1、他人を大切にする。2、自分を大切にする。3、学校を大切にする。4、地域を大切にする。」のような感じです。
こういったことにも、日本社会に隠れた、自分より他人を重視する社会通念が隠れていると感じました。
「迷惑をかけないように」「空気を読んで」なんて、まさにそう。
そこに本人の感情は入ってない。
抑圧して、押し殺して、他人に合わせる。
そりゃ鬱になる人も多いですよ。当たり前じゃないですか。
もちろん、長所もありますよね。
礼儀は私も好きな素晴らしい文化です。
相手への思いやりにあふれています。
また団体で動くとき強いです。
また、みんなが気持ちの良い社会を形成するのに役立っています。
犯罪が少ないのも素晴らしい。
良いこともたくさんあります。
しかし、抑圧されて感情が爆発してしまい「なぜあの人が…」と言われるような人が犯罪を犯すケースも多々あります。
他人を思いやることに長けている日本人が、皮肉にも一番大切な自分を思いやれない。そのようなことが起こっているのではないでしょうか。
でも大丈夫です。
他人を思いやることのできる私たちは、それをそのまま自分に当てはめればいいだけです。
ここでも壁になるのは、自分自身。
大切なのは、自分自身を思いやることを、許可することです。
どんな自分も受け入れていい。
どんな姿も素晴らしい。
完璧じゃなくていい。
こんな私も愛していい。
ここで日本の文化を否定されたように感じる方もいるかもしれません。
しかし、そうではありません。
日本という国自体も、私たちと同じように、そうならざるを得ない状況を経て、今の現状が作られているのです。
苦しみながら、もがきながらいつだって最善を考えながら、進んできた結果なのです。
誰が否定できましょうか。この国自体にも、思いやりが必要なのかもしれません。
2、自分を愛することの大切さ
自分を思いやることがなぜ大切なのか。
自分を思いやることで、すべて変わるというのは、なぜなのか。
その点について解説していきます。
いつでも一緒にいる「自分」
自分の中にはたくさんの自分がいます。
まるで天使と悪魔のように。
「え?それ買っていいの?」
「いいじゃんいいじゃん買っちゃえ!」
「ちょっと派手すぎない?」
「お母さんは赤は似合わないって言ってたよ?」
「私にだって赤を着る権利あるよ!?」
そして、生まれてから死ぬまで、常に一緒にいるのが「自分」です。
想像してみてください。
約100年のなが~~~い二人旅。
助手席に乗ってる相棒と、めちゃくちゃ仲が悪かったら・・・
最悪じゃないですか?
何にも楽しくないですよね。
しかも、常にやることなすこと否定してくる、嫌な奴です。
うんざりですよね。
自分を認めない、自己否定をするというのは、これと同じことがあなたの中で起こるということになります。
あなたが一番に思いやるべき人は、人生の相棒、「自分自身」です。
自分への思いやりが相手への思いやりに直結する
自分に思いやりを向けるということは、自分の在り方を認めるということです。
休んでいいよ。大丈夫だよ。
そりゃ怒るよね。よく頑張ったね。えらいね。
あなたはよくやってるよ。
たまには、休んでもいいんじゃない?
そしてそれがそっくりそのまま、相手に向かいます。
相手の在り方を認められるようになります。
辛いことがあって、限界な友達へ、
大変だよね。
わかるわかる。つらいよね。
そういときはさ、休んでいいんじゃない?
あなたは本当によくやってると思う。私尊敬してるもん。
このような声掛けができるようになります。
もし、あなたが自分を思いやっていないのに、他人を思いやろうとしたら何が起こるでしょう。
大変だよね。(いや大したことないと思うけど!?)
わかるわかる。つらいよね。(早く立ち直ってくれない?)
休んでいいんじゃない?
(あぁ仕事増える。めんど。弱いなぁ。私も休みたいわ!)
本当によくやってる。(私はこんなに頑張ってるけど認めてもらえないわ。あ~ぁ…人生って不条理。ちやほやされていいね。)
常に、自分と比べて、満たされない感情や、損をしたような気持ちを持つかもしれません。
残念ながら、思考は言葉に現れます。態度に現れます。
言葉は良いこと言っていても、残念ながら、心の底の感情は伝わってしまいます。
自分への思いやり有り、無し、どちらが良好な関係を築けるでしょうか。
無論、前者ですよね。
思いやりとは、相手に向けて思いをやる。相手を理解する行為だと思います。
相手の辛い経験を理解するためには、自分自身の辛い経験を大切にしなければいけないのです。無視して心の奥底にしまってはいけないのです。
自分の辛い経験を、つらかったね、しんどかったねと思いやるからこそ、相手の感じている辛さに対する理解が変わってくるのです。
思考が変われば言葉が変わり、言葉が変われば行動が変わる。
行動が変われば習慣が変わり、習慣が変われば性格が変わる。
性格が変わることで、運命(未来の現実)が変わる。
と、マザーテレサは言いました。(言葉を少しいじっています)
あなたが自分を思いやる思考を実践し始めると、すべてが変わっていきます。
人間関係はよりよくなるでしょう。
また、苦難に対する反応も変わってきます。
心が折れかけても、また1からスタートするしなやかさを手に入れることができます。自分自身が味方になるのですから。一番心強い相棒です。
長い二人旅が、幸せな旅路になるでしょう。
自他の境界線を引ける
そして、自他の境界線を引けるようになることも大きなメリットです。
先ほどの自分を思いやっていない例を用いると、分かりやすいと思います。
見ての通り、「いや、このくらい大したことなくね?」と自分だったらの価値基準を押し付けていることに気付きませんか?
自分を他人の境界があいまいになると、相手も同じ世界を観ていると勘違いするようになります。
自分の価値観が、相手にも通用すると錯覚してしまいます。
正しさの押し付けが始まるのです。
思いやりはお金に似ています。
財布(自分)の中身(思いやり)が少ないのに、いろいろお金払おうとすれば、お財布を気にしなければなりません。
自分への思いやりが少なければ、お金がないのと同じです。
お金がたくさんあれば、自分の価値のあるものへ、お財布を気にせず使えます。
自分への思いやりにあふれていれば、それがそのまま相手へ使える思いやりになるのです。
そしてお財布の中身はいつだって、自分で補充できます。
いつだって自分への思いやりで満たすことができます。
私たちは一人一人が全く違う世界を生きています。
そのことを理解したとき、
私は私、あなたはあなた。
私たちそれぞれが、それぞれにしか分からない地獄を生きているんだよね。
100%は理解できないけど、しんどさは分かるよ。
自分を大切にしてあげて。と、思いやることができるようになります。
それは、自分の世界を大切にしているからこそ、相手の世界を大切にできるということです。
このように、自分への思いやりが、相手への思いやりに直結していくわけです。
3、自分の愛し方・認め方
どんな自分も愛するということは、どんな自分も認めるということから始まります。
そこで大切になるのが、自分への思いやりです。
でも具体的にどうすればいいの?
自分への思いやりを海外では「セルフ・コンパッション」と言います。
今回はそのセルフコンパッションのやり方を簡単に紹介します。
セルフ・コンパッション
セルフコンパッションで大切になってくるのは、以下の3つです。
マインドフルネス
自分に優しくする
「みんな苦しんでいる」と理解する
一つずつ説明していきますね。
❶マインドフルネス
マインドフルネスは、現実に真正面から向き合う方法です。
生まれた感情を自分自身から切り離して、冷静に眺めるようなイメージです。
そして、今、苦しんでいる自分を認めます。
なぜそうするか。
それは、感じられないものを癒すことはできないからです。
例えば、彼氏が自分の誕生日を忘れていたことに怒っている場面を想像してみましょう。怒りの感情を丁寧に見てみます。
いつもなら怒りがわいたときに、その怒りのままに言葉を発したり、行動したり、もしくは「これではだめだ」と抑え込んだりするかもしれません。
これは怒りという感情から逃げていることになります。
逃げもせず、良い悪いの評価もせず、ただありのままを丁寧に受け止める。これがマインドフルネスです。「今、この瞬間」に集中することを言います。
感情をぽんっと掌の上に出すイメージで、自分と切り離して見ることができれば、その感情に瞬間的に反応するのではなく、一呼吸おいて、対応することができるようになります。
丁寧に、その感情を眺め、なぐさめ、いたわることができます。
感情に抵抗するのではなく、そのままを受け入れましょう。
つらいのは、嫌がるからです。抵抗するからです。
逃げずに、その苦悩を愛してあげましょう。
そして何を期待していたのか、何を信じていたのかを探ってみましょう。
自分自身の思考を感情を通して見てみます。
(もっと詳しく知りたい方は、以下の記事をお読みください。)
❷自分に優しくする
皆さんは、親しい友人が辛く悲しい時には、優しく声をかけたり、態度で表したりすると思います。
そのように、親しい友人に対するように自分に対応するということです。
しかもそれを積極的に行います。
自分自身の不安をなだめ、静めていきます。
先ほどの例の続きを見てみましょう。
抑圧してきた感情に対し、思いやりの言葉をかけます。
自分自身に対して共感し、本当に必要としていることを無視せず、これは正当なことだと認めます。
自分自身を24時間ケアできるのは、あなたしかいません。
あなたの心を守れるのは、あなた以外にいません。
❸「みんな苦しんでいる」と理解する
マインドフルネスを行い、自分に優しくすることをしてくると、人類みんなが同じ苦しみを背負っている仲間だと理解することができるようになってきます。
拒絶や孤立を恐れる気持ちを持っているということ。
みんな似たような辛い苦しい経験を必ずしているということ。
完璧などとは程遠い、不完全な生き物であるということ。
他者との相対的な比較で自分を貶めてしまっているということ。
そのようなことに思いをはせ、「相手も、その人自身にしか分からない地獄を生きている。いったいどんな人生を送って来たのか。」と考えることができるようになります。
私たちはみんな不完全です。
敵か味方かというと、みんな完璧ではないという点で、味方です。
人類全員が、チーム不完全という仲間なのです。
◎具体的な方法
3つのポイントをまとめると、
❶マインドフルに思考と感情を捉えること。
❷自分に優しくし、自分を大切に思うこと。
❸苦痛に直面するのは人間ならだれしも体験することだと思い出すこと。
となります。
わかったところで、具体的な方法を考えていきましょう。
自分に優しくするには、批判的な独り言をやめること、つまり自己否定をやめ、共感的な言葉を使うことが大切です。
いつも一緒にいる相棒(自分)と会話しましょう。
例えば、いくら言ってもお風呂に入らない子ども達にうんざりしているお母さんの例です。(太字が心の声)
このような対話を相棒としてみるのです。
また、セルフコンパッションの言葉をパッケージ化して習慣化することもとても有効です。
当てはめてみましょう。
今、イライラしているのはとてもつらいよね。
誰でもイライラすることはある。
今この瞬間に、最も幸せになるには何ができる?
「う~ん、ほっとく。そして私が風呂入る。長風呂する。」
じゃあほっとこう。長風呂しよう(^^)
「でもさ、本当にそれでいいのかな?」
いいのいいの。だって風呂入らなくても死なないじゃん?
「そっかぁ。確かにそうだね♪」
こんな感じです。笑
そしてここから、自分自身を大切にし、自分を満たしてあげることで幸福感につながります。自分の心に余裕が生まれ、「お風呂気持ちよかった~♪明日は一緒に入ろうね~」と言葉や行動自体に相手を思いやることもできるようになるのです。
もうお気づきかもしれませんが、セルフ・コンパッションがその真価を発揮するのは、自分自身が困難な状況に陥り、最悪な状況になっているその時です。
自分自身の感情をありのまま受け入れ、思いやりをもって丁寧に共感してあげましょう。そして、今何が必要としているのかを一緒に考えて、行動してあげましょう。
また、また自分自身への思いやりをいつでも発揮するために、セルフコンパッションの言葉をセットで覚えておくということもできます。
何か自分自身に対して、満足いかないときや、毎朝起きてすぐなど、真言(マントラ)のように唱えるとみると良いです。
例えばこのような感じ。
この言葉をセットで繰り返すことで、いつでもセルフコンパッションの視点を忘れないでいられます。
このようなことを繰り返していくことで、自分への思いやりゲージがたまり、自分の中に使える思いやりの余裕ができて、他者への思いやりを存分に発揮できるようになります。
何か辛いことがあっても、その都度冷静さを失わず、逃げ出すこともなく、自分を慰められたら、自分のことを信頼できるようになります。
なぜなら、倒れてもまた起き上がれば、たいていのことは乗り越えられると知っているからです。
そのような経験を積んで、それが当たり前になるからです。
あなたはきっと、道で明らかに困っているご老人がいたら、手を差し伸べると思います。そんな優しさをもっているのです。
あなたはきっと、手を差し伸べられる人です。
その優しさを自分に向ければいいのです。
そしてそのご老人も、あなたと同じように、その人にしか分からない苦しみを味わいながら生きています。きっと困っているんだろうなぁ、苦しんでいるんだよな、と思いやりをすべての人に向けることができたら、もっと優しい世界になると思いませんか?
これまで紹介してきた方法を試し、❶マインドフルネス❷自分へ優しくするができたら、ぜひ❸「みんな苦しんでいる」と理解するまで、挑戦してみてください。
待ちゆく人たちを見て、嫌いな人を見て、「この人たちもみんな、自分の世界で苦しんでいる」と思い出せるようになれば、ものすごいスピードで自分への思いやりが進んでいることになります。
それはとっても素晴らしい変化です。
そんな自分を心から「よくやったね~!!愛してるよ~!!」と抱きしめてあげて下さいね(^^)
4、教育にどう生かすか
私は幸せ追求教師ですので、子ども達にもぜひ、自分への思いやりを向けられるようになってほしいと心から願っています。
じゃあ教育現場で何をするか。
それはやはり、トラブルが起きたとき、感情が爆発しそうなとき、抑圧して我慢しようとしているとき、そんなときがチャンスです。
教師(親・大人)が、一緒にセルフコンパッションの手本を見せるのです。
(太字:教師)
感情を感じる。そんな感情を感じている自分を思いやる。自分が必要としていることは何か考え、それは正当だと言ってあげる。
そんなサポートをしてあげることはできると思います。
ただし、❸「みんな苦しんでいる」と理解するについては、その場で話すか、全体に向けて話すかは、その時の状態によると思いますし、他のタイミングで面白可笑しく話してあげてもいいでしょう。
※みんな分かり合えることを前提にして組まれている教育内容については、教えることによって流れが変わったり、子ども達の反応が百八十度変わる可能性はもちろんあります。しかし、私はそれでいいと思っています。100%分かり合えないのは事実ですから。だからどうするのか、を考えることが大事ですよね?
このように、自分の思いを大切にするという経験を積むことは、教育相談や生徒指導において、とても役に立ちますし、そういった場面でセルフコンパッションは実践していくことができると考えています。
浮かんだ感情を良いも悪いも評価せずに手に取り、眺め、自分を思いやる。そして自分が今何を望んでいるのかを考え、正当な権利だと考えて実行する。これができるようになれば、教師のサポートなんか必要ない、自分で自分をケアできる一生使えるスキルを身につけることができます。
もしここで教師(親)が「ちっ、そんなことで・・・」とか「はいはい早く立ち直って~」とか思ってしまっていたら・・・思考は言葉と行動になります。子ども達が、こんな行動はだめなんだ。こんな私は受け入れてもらえない。となるのは目に見えています。
教師(親)自身が「人はそれぞれ、それぞれにしか分からない地獄を生きている」ということをしっかりと理解しておいた方がいいですよね。
だから私たち自身が、セルフコンパッションを使って、自分への思いやりを高めておいた方がいいのです。
この記事を読んだ教師(親・大人)の皆さんは、ぜひ、自分自身に思いやりを向けながら、そんな子ども達を育てていってくれたら嬉しいなとニキチャコは思っています。
そして「そんな方法があるんだよ」っていろんな人に伝えていっていただければもっと嬉しいです。(^^)
終わりに
自分を愛することとは、「自分大好きぃ~~~」って愛することだけではなく、自分への思いやり、共感の気持ちを向けることも含まれます。
常に完璧で100点満点の人生は、単調で全くつまらないものです。
心から楽しい人生は、変化に富んでいて多様、実に複雑で単調ではありまでん。私たちの人生は、不完全だからこそ変化に富んで面白い。
足りない部分も愛してこそ、この人生を楽しめるのです。
自分への思いやりを意識することで、どんな不完全な自分も受け入れ、その不完全さがあるから、人生面白いんだと実感してほしいのです。
この記事を読んで、自分を愛することを邪魔をする「何か」に気づくことができたら、自分自身をまず見つめてみてください。
そして、思考と感情を観察し、自分へ思いやりを向けましょう。
あなたは、心が折れそうになっても、しなってもどり、さらに伸びる竹のように、ぐんぐんと成長できます。
折れそうになることも怖くなくなります。
そうやって、どんな体験も自分の力にできるようになります。
それを家族や友人、子ども達や、自分の部下などいろいろな人に伝えていってもらえば、さらに自他を思いやることのできるすばらしい社会が出来上がります。
そうやって不完全な人生を、心から楽しんでください!!
大丈夫です。あなたにはできます。
心から応援しています!
こんなに長いのに、読んでくださり大感謝ーーー!!!(^^;)
ニキチャコの幸せ追求教育のマスターピースをまとめることができて、とても嬉しいです。
皆さんが、自分自身を愛し、他人を愛し、温かい日々を過ごすことができますように。
心の底から願っています!
幸せ追求教師、ニキチャコでした!
それではまたね~♪(^o^)/
参考文献
※1 子供・若者の意識に関する調査 (令和元年度)令和2年7月、内閣府https://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/ishiki/r01/pdf/s2-1.pdf
※2 こども・若者の意識と生活に関する調査(令和4年度)令和5年3月、内閣府https://www8.cao.go.jp/youth/kenkyu/ishiki/r04/pdf/s2-2.pdf
キャロル・S・ドゥエック.『MINDSET The New Phychology of Success ~邦題:マインドセット やればできるの「研究」~』. 30版,草思社,2023年,351p ※やばいからぜひ読んで!
クリスティン・ネフ.『セルフ・コンパッション ~有効性が実証された自分に優しくする力~[新訳版]』.3版,金剛出版,2022年,313p
※こちらも素晴らしい!大感謝!
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