たまには執筆プロセスを見直そう〜アイデアに注力するタイミング
執筆プロセスを見直すシリーズの2回目。
前回はこちらです。
執筆プロセスを確認
最初に、執筆プロセスをもう一度確認しておきましょう。
こんな感じでしたね。
準備
アイデア出し
あらすじにする
プロット、キャラ、設定など
作業
執筆
推敲、改稿
前回、「準備」と「作業」では、準備が重要だという話をしました。
今回は、準備工程でもっとも重要な「アイデア出し」について見ていきます。
アイデアですべてが決まるが…
このnoteでは何度も書いていることですが、読まれるか読まれないかは、最初のアイデアで決まります。
極端に言えば、読まれるかどうかは書く前に決まっているということです。
これは、市場やネット小説サイトなどに出して、痛い目を見ない限り、実感できないことかもしれません。
ネット小説サイトに出している方はわかると思いますが、どう見ても、自分より下手(だと思われる)な作品がランキングに載っていて、愕然とすることがあると思います。
なぜ、あなたの作品は圏外なのに、(失礼ながら)ド下手な作品が上位にあるのでしょうか?
答えは簡単です。
あなたの作品にはアイデアがなく、それらの作品にはアイデアがあるからです。
アイデアこそが価値です。
……ですが、そう言われてもピンとこない人も多いと思います。
「アイデアが大事なのはわかるけど、なんだか曖昧でよくわからない……」
こんな印象を持つ人もいるでしょう。
アイデアもそうですが、アイデア出しというプロセスも、漠然としていてちょっと掴みにくいのですね。
以下くらいのポイントで考えると、見通しが良くなると思います。
when:アイデアに注力するタイミング
what:そもそもアイデアとは何か
how:どうやって出すか
ちょっとゆっくりめに進めることにして、今回は1を見ていきましょう。
when:アイデアに注力するタイミング
アイデアは常に重要なのですが、注力するタイミングがありそうだというのが私の考えです。
最初に、小説への習熟度を以下のように設定しておきましょう。
超初心者:書き始めたばかりで長編を書いたことがない
初心者:長編を1作書き終えた
新人賞なら一次落選中級者:長編を3〜5作書いた
一次選考を越えられる上級者:長編を5作以上書いている
二次落ちか、ごくまれに二次選考を越えられる超上級者:長編を10作近く書いている
二次はほぼ越えるが、三次選考を越えられない
習熟度ごとに、アイデアに力を入れる必要があるかどうか見ていきます。
1.超初心者〜初心者
初心者までは、アイデア出しのプロセスに注力しなくていいと思います。
というより、そこまで気が回らないでしょう。
もちろん、アイデアを出してから書いているでしょうし、素晴らしいアイデアを出している人もいると思います。
ですが、ほとんどの場合、
出しているアイデアに価値がない or
素晴らしいアイデアがあっても表現できない
という状態になっていると思います。
この習熟度の方は、とにかく作品を完成させることを最優先にして、アイデアは二の次でいいでしょう。
執筆に慣れることだけを考えればいいです。
2.中級者〜上級者
この辺りからが、アイデアを意識し始める頃合いです。
「そこそこ書けるようになったのに、今ひとつ結果が出ない」
その理由は、おそらく、
アイデアが悪い
アイデアをプロットに反映できない
といった辺りだと思います。
簡単に言うとアイデアとは新規性のことですが、まったく新規性のない作品(つまりアイデアのない作品)を書いている場合もありますね。
また、アイデアはそこそこあるのに、そのアイデアをプロットに反映できないという設計上の問題のこともあるでしょう。
すでにほどほどの文章は書けるので、あとはアイデアとプロットが上手くかみ合えば、一足飛びに受賞することも可能です。
この辺りの方で結果が芳しくない人は、執筆プロセスを見直し、アイデア出しやプロット作成といった準備工程に力を注ぐといいでしょう。
やり方については次回以降、説明していく予定です。
3.超上級者
10作近く書いているのに結果が出ないなら、おそらく、ひどいアイデアで作品を書いています。
誰も望んでいないアイデアや、独りよがりのアイデアで書いていることが多いでしょう。
長編を10作も書けば、新人賞で充分戦えるレベルになっています。
盛り上がりのあるプロットを設計でき、そこそこ魅力的なキャラクターも作れ、こなれた文章を書くこともできるはずです。
実力的には、新人作家の下の方と同じか、そのちょっと下くらいに位置すると思います。
その実力で受賞できないなら、ほぼアイデアの問題です。
自分がひどいアイデアで書いていることを自覚しましょう。
あるいは何らかの思い込みのせいで、おかしな話を書いている場合もあります。
(私はそうでした)
そういう人は、だいたいにおいて、読者のためではなく、自分のために作品を書いているものです。
それは決して悪いことではないのですが、ほんの少しでも読者のことを考えると、意識が変わってきます。
それが突破口です。
この辺りのことも、次回以降、説明できればと思います。
今回のまとめ
「執筆プロセスを見直すシリーズ」2回目「アイデアに注力するタイミング」でした。
読まれるかどうかは最初のアイデアで決まる
アイデア出しに注力するタイミングがありそう
超初心者〜初心者:執筆に慣れることだけ考える
中級者〜上級者:アイデア出し、プロット設計に意識を向ける
超上級者:アイデア出しに注力しなければ受賞できない
最初から良いアイデアを出せる人もいます。
そういう人はネット小説サイトなどに出して反応を見るのがいいかもしれません。
アイデアさえ良ければ読んでもらえるのが、ネット小説の良いところでしょうね。
次回は「そもそもアイデアとは何か」の予定です。
それではまたべあー。
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