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クリスマスだからといって誰とも約束のないいつもどおりの一日になると分かっていた。12月は伸ばした手が求めるまま中村文則の「何もかも憂鬱な夜に」、ジョージ・オーウェル「1984」、村上春樹「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」の3つを続けて読んでいた。別々の作家で別々の小説なのだけど、不思議なことに一つ読み終えると次に読む作品が「次はこれ」と用意されているように頭に浮かび、なぜだろうと思いながらも深く考えずにそのまま導かれるように読んでいった。ジョージ・オーウェルの「1