sangaの国の知財リーマン

理系東大院卒社会人(26)、田舎メーカー勤務。 仕事ではメーカーで知財業務に携わってい…

sangaの国の知財リーマン

理系東大院卒社会人(26)、田舎メーカー勤務。 仕事ではメーカーで知財業務に携わっています。 先の見えない研究生活をなんとか乗り越え、ここまでこれました。 大学院試験・大学院での研究、就活・キャリア選択、知財の仕事内容、田舎勤務と暮らしなど気の向くままに記事にしていきます

最近の記事

東大の学費値上げ、しかたないのは理解できるが、、

東京大学の学費(授業料)の値上げが検討されています。 大学進学、院転を含む大学院進学を考える人にとっては学費の増額は大きな問題です。 増額の検討というが、増額とは? 授業料の増額が検討されているようですが、具体的には以下の改定が検討されているようです。 学部・修士課程の53万5800円→64万2960円 博士課程の52万800円→64万2960円への改定 年額にしておよそ10万円の値上げになります。 これは文科省の省令で定められている、各大学が引き上げられる学費の上

    • 他大への大学院試験(院転)の合格で重要なことをまとめてみた

      大学院試験って何をすればいいのか? 疑問に思う人は多いと思います。 大学入試みたいに、決まった参考書を解けばOK的なセオリーがないため、 なにをすべきかよくわからない人が多いのでは?と思うのです。 私は大学院で大学と異なる大学の大学院(東大大学院工学系)に進学しました。 いわゆる「院転」です。 他大学の院に進学する場合、より院試の難易度は上がります。 院転は難しい? 大学と同じ大学院に進学する場合、たいていは授業で使用した過去のレジュメや教材のみで対策は可能です。 また

      • 弁理士試験の過去問の勉強方法について(短答に限る)

        突然ですが、弁理士試験の勉強を続けています。 続けているとはいえ、昨年夏から年明け前までは勉強を休止していましたが。。 何事においても続かないため(通っていたジムも3か月で休止するなど、私は続かないことが多い。。)、試験勉強を怠っていましたが、 年明けからそろそろ試験が始まってしまうという焦りを感じ、勉強を再開しました。 現在は一通り四法についての内容を学習した後、過去問を解くフェーズに入っております ここでは過去問(短答)の解き方&学習の進め方のポイントなど、少しまとめ

        • 吉備羊羹と商標法47条

          この三連休で養老に旅行で遊びに行った。 JR大垣駅から養老鉄道に乗り、養老駅まで乗車して現地に赴いた。 養老駅は、大正時代から続く由緒ある駅舎で、 駅名の「養老駅」を名産のひょうたんで表現した、 ひょうたん文字で駅名を記載しているのがとても特徴的だった。 その養老駅の駅前の商店で「吉備羊羹」というようかんが売っていて 店主に勧められて購入した。 吉備というので、岡山と関係あるの(きびだんご的な?)かと 思ったが、そうではなく、単純に植物のきびからできているので 吉備羊羹ら

        東大の学費値上げ、しかたないのは理解できるが、、

          特許侵害の均等論において。意識的に除外されたか否かとは?数値クレームに関して考える

          ①均等論とは 特許侵害の直接侵害については、特許請求の範囲に記載の発明を文言通り侵害する文言侵害と、文言上は侵害には該当しないが、実質的に侵害行為に相当する均等侵害というものがある。 また、直接侵害でない間接侵害という類型もあるが、今回は触れない(101条) 被疑侵害品(イ号製品)が、特許請求の範囲の記載と完全に一致するわけではないが、実質的に一致する場合、均等論が当てはまる。 ②均等論の5要件 イ号製品が特許請求の範囲に記載の発明と異なる部分があっても、以下の5

          特許侵害の均等論において。意識的に除外されたか否かとは?数値クレームに関して考える

          コロナに罹った話。つらい症状について

          主題の通りで、コロナに罹ってしまった。 まとまりはないが、感じたことをまとめておこうと思う。 今回はつらかった症状について、書き出してみる。 一度病で元気をなくすと、記事を書く気力もなくなってしまうためつらい。 もう二度と罹りたくないと思ったところ ①のどが痛い。水1滴すら飲み込むのがつらい コロナは風邪、なんていう暴論を聴いたことがあるが、とんでもなかった。 少なくとも私が罹ったコロナは、風邪よりもつらかったし、 並みのインフルエンザよりつらかった。 現在、発症から

          コロナに罹った話。つらい症状について

          外国語書面出願(36条の2)と先願参照出願(38条の3)

          弁理士試験ではどちらも特殊な出願として出題されがちな①外国語書面出願と、②先願参照出願がある。 どちらも国際法に合わせた制度のになっているが、 片や①はパリ条約、②はPLTと違う条約が根拠になっていたりする。 外国語書面出願(36条の2)は以下である ここでいう経済産業省令で定める外国語は英語となっている。中国からの出願の増える今、中国語などに対応してもよいんじゃないかとも思ったりはする この条文の意義は、パリ条約が関係している。 パリ条約の優先権は最先の出願日から1

          外国語書面出願(36条の2)と先願参照出願(38条の3)

          復帰

          社会人になり暇になったので復帰します。

          『どんまい』

           重松清著。いままでお堅い評論や新書ばかり読んでいたため、小説も読みたくなり、自分の少ない知識のなかでも、ギリギリ知っていた重松清の著書を選んだ。  重松の小説はどこか救いがあるーそんなネットの評価を頼みに、物語を読み進めた。大まかには、人生において様々な"つまづき"を経験した人たちが草野球を通じて交流していくことで、前向きに今後の人生を歩んでいこうと思えるようになっていく話であった。  離婚、介護、いじめ、妬みややっかみ、挫折、会社でのしがらみなど、悩みの種は人それぞれ

          怒らない叱り『人生で一番役に立つ「言い方」』

          「なんでそんなこともできないんだ!!」このようなことを大声で叱咤されたことはないだろうか。私は自動車学校で路上教習をしていた時、物覚えが悪くこのように怒られることがあった。 これも教育の一種だ、叱ることも必要なんだ。そういう理論も通用はするだろう。だが、おびえながら作業をしなければならないという負の効果があまりにも大きすぎる。実際、叱責するタイプの教官よりも優しく諭してくれたり失敗しても勇気づけてくれる教官の時の方が失敗が少なかった。 これは私の一実体験に過ぎないが、著書

          怒らない叱り『人生で一番役に立つ「言い方」』

          みえないプロパガンダ 『たのしいプロパガンダ』

          1.紹介、あらすじ 近現代史学者、辻田真佐憲著。今昔の世界各国で行われた娯楽を通じて普及された"楽しい"プロパガンダの紹介をはじめにしている。続いて、現代日本における楽しいプロパガンダの例を紹介。現代日本にもその楽しいプロパガンダの片りんが見えるとし、読者に政府が芸術・文化・娯楽を政治利用する危険性に注意を促している。 2.感想 ”変なタイトルだなあ”これが最初の率直な感想だった。 こういう系のテーマの本は内容が偏ってたりするのではないか、と勝手な偏見があったため抵抗感がや

          みえないプロパガンダ 『たのしいプロパガンダ』

          声高な正論と生きづらさ『道徳教育は本当に道徳的か』

          1.紹介・あらすじ 教育学者、松下良平著。現在の道徳教育に疑問を投げかける内容。道徳の教科化やテスト化が進むなか、道徳教育のあるべき姿を、過去の例などを参照しながら述べている。特に重要な点をまとめたい。  筆者は、道徳が「市場の競争」から身を守るために生じるものと、呼びかけー応じる関係(親しい)に関係にある人間と価値を共有することで生まれるものがあると考えている。前者は主に、他人の利益を尊重し、自己犠牲によって利他主義的な意味を持つ。後者は、自分の利益の追求を他者にまで広げ

          声高な正論と生きづらさ『道徳教育は本当に道徳的か』

          『コンビニ人間』 あらすじ、感想

          1.紹介『コンビニ人間』 村田紗耶香著。1979年千葉生まれ。玉川大学文学部卒業。2003年『授乳』が第46回群像新人文学賞優秀作となりデビュー。09年『キンイロノウタ』で第31回野間文芸新人賞受賞。他には『タダイマトビラ』『殺人出産』など。 2.あらすじ主人公の古倉は大学一年生のころからずっと18年間コンビニでバイトを続けている36才、女。物語はコンビニで働く彼女が目にしている状況を淡々と述べスタートする。 彼女は小学生のころから"普通"が理解できなかった。男子生徒が揉

          『コンビニ人間』 あらすじ、感想

          意味付けと勉強法

          「勉強法の科学」 市川伸一著。東京大学大学院博士課程中退。埼玉大学助教授、東京工業大学助教授を経て、現在、東京大学大学院教育科学研究科教育心理学コース教授。本書の他に『勉強法が変わる本』『考えることの科学』『学ぶ意欲とスキルを育てる』などの著書があります。 著書では認知心理学の研究をおこなう著者が、主に高校生向けに学習法について、問題の解決につて、勉強に対するモチベーションの出し方についてを人間の認知能力の点から考察したものです。ここでは、学習法のところで触れられていた記憶

          文系力

          『「文系力」こそ武器である』 斎藤孝著。東京大学法学部卒業。同学大学院教員学研究科博士課程修了。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論。 この本では、理系重視ともいえる科学技術の時代において、「文系」の人びとがどのような強みを持っていて、活躍できるのかについて論じられている。 著者のいう「文系」は単に理系になれなかった人を指さない。2つを分けるもの、すなわち「理系」と「文系」の違いは厳格さと曖昧さにあるとする。 「理系」の世界は厳格な知の世界だ。科学の研究では、決め

          おもしろい地下鉄技術

          『図解・地下鉄の科学』 川辺謙一著。ライター・イラストレーター。東北大学工学部卒、同学大学院修士修了。化学メーカーに入社、半導体素材の開発に従事。2004年独立し、雑誌・書籍におおく寄稿。高度化した技術を一般向けに翻訳、紹介している。 著書では、地下鉄の歴史にはじまり、ネットワーク、建設方法、立体構造、運行システム、車両技術など幅広い地下鉄知識を紹介している。 日本の高度に発展した都市で暮らす人々にとって日常的なものである地下鉄を陰で支える技術を知ることができるだろう。ま

          おもしろい地下鉄技術