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【エッセイ】相模①─東京のお隣やその周辺の街について思うことと大都会藤沢─(『佐竹健のYouTube奮闘記(26)』)

 高崎へ行った数日後。私は新宿駅を経由して神奈川の藤沢へと向かった。

 電車は新宿の街から発車し、清濁併せのんだにぎやかな街の中を出る。そして、渋谷のはずれ、世田谷の高級住宅街、町田や大和のような東京の延長線にある住宅街の中を駆けていく。

 武蔵国は当初、埼玉県の鉢形城へと向かう予定だった。高崎城へ行ったついでに武蔵の城を制覇して、相模へと入ろうと考えていた。だが、高崎までの行き帰りに時間がかかったことから、予定を変更し、武蔵国を飛ばして相模国の城を巡ることにしたのだ。

 武蔵国の城については、東京の皇居と埼玉県の蕨城を巡ることにした。寄り道先は、上野公園とどこか適当な場所にしようと思う。

(やっぱり東京の隣やその向こう側にある市って、田舎感あまり無いな)

 東京23区を出てどこかへ行くときに、私はいつもこんなことを感じている。

 駅から離れたらどうかはわからないけど、一部例外を除けば、大体そんな認識で合っている。

 涼しい時期に私は、よく自転車に乗って埼玉や多摩の方まで行くことがある。戸田市、和光市、川口市、蕨市、さいたま市などを通っていても、普通にコンビニは歩いて行ける範囲にあるし、JRだけでなく私鉄も通っているので、交通の便もいい。問題があるとすれば、埼玉には地下鉄が通っていないので、駅から遠い場所へ行くときは、自転車かバス、徒歩で向かわないといけないのが難点だ。

「なら、お隣神奈川県や千葉県はどうなのか?」

 この二つにある東京周縁の街についても、ほぼ同様の認識でいい。千葉市や横浜市に関しては、市営の交通機関がある。また、なぜか市川市には都営新宿線の、浦安市には東京メトロ東西線の終点がある。そのため、埼玉よりは移動に苦労しない。ただ、千葉県の松戸にはネギ畑がある部分もあるため、必ずしも「東京の隣の町はその延長線」とは言い難い。

「東京23区以外の場所はどうなの?」

 東京23区以外の場所もそうだった。やはり同じ東京都の括りに入っているのもあってか、その傾向は埼玉や千葉、神奈川よりも強い気がする。

 田無や西東京、調布、三鷹辺りも、都心周縁にある区の中心街とは遜色無いくらいに栄えている。特にずば抜けていたのは、武蔵野市だろうか。具体的な場所を挙げると、井の頭公園のある吉祥寺駅の周辺だ。

 ここは東京23区内にある下手な街はずれよりも栄えている。いや、下手したら、都心周縁にある区の中心街よりも栄えているのではないか? 

 なぜ、吉祥寺が都心周縁の区の中心街より栄えているか考えてみる。やはり、あの高級感のあるおしゃれな感じが人を惹きつけているのだろうか? 

 こんな感じで、東京郊外の街や隣接する県の街、近い街というのは大方似通っている部分があるのだ。


 電車は町田を経由し、神奈川へと入っていく。そして相模大野で藤沢行きの快速電車に乗り換えた。

 藤沢駅へと着いた。

 コンビニ、おしゃれな喫茶店、カラオケボックス、ファストフード店、飲み屋。藤沢駅の周辺には、これらの商業施設が入っているビルが、所狭しと並んでいる。距離的には東京から離れている。けれども、町の感じは東京の少し大きな街によく似ている。

(やっぱり大都会だな……)

 昔フォロワーさんと鎌倉めぐりをしたことがあった。そのときにフォロワーさんが、

「やっぱり藤沢は大都会だな!」

 とこぼしていたことがあったのを思い出した。

 確かにこうして見てみると、東京都心から40キロ以上離れている場所で、ここまで栄えている場所はそう無い。おそらくは、江の島の観光などから収益が入っているというのが大きいだろう。他にも理由を探せば、もっと出てくるだろう。

(ひとまず、バス停行こうか)

 今回の目的地大庭城へ行くべく、私は大庭城址方面へと向かうバスが停まる停留所へと向かった。


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