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生活支援サービス立ち上げの物語

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田舎からスタートアップ。リハビリ専門職による高齢者の在宅生活支援サービス立ち上げまでの軌跡。
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#介護

第35話 介護離職の実態③

第35話 介護離職の実態③

前回まで、介護離職者またはその予備軍の数が多いこと。
介護離職したら経済的に厳しい状況に追い込まれることを学びました。
今回は介護離職に関わる制度について勉強してみます。

・育児、介護休業法(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律)
詳しくは他のサイトに分かりやすくまとめられていますのでここでは書きません。
簡単にまとめると、

原則として「要介護状態」の家族を介

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第34話 介護離職の実態②

第34話 介護離職の実態②

昨日に引き続き介護離職について勉強していきます。

昨日は年間の介護離職者数(10万人)
仕事と介護を両立している人の数(240万人)を確認しました。

もはや介護は他人事では無いという事が分かりました。

今日は介護離職後に仕事や年収がどのような状況になるのかを調べてみました。

・介護離職後正社員となるのは半数
・4分の1が無職
・再就職までの期間も長い(1年以上)
・年収も4〜5割ダウン

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第33話 介護離職の実態

第33話 介護離職の実態

今日からは介護離職の実態について勉強していきたいなと思っています。

介護離職とは、その名の通り介護力の提供が必要な状態になった人が介護力の確保を目的に職を辞すること、です。つまり、仕事辞めないと介護できないから辞めたよ、ということですね。

それではどれくらいの人が介護離職をしているか?調べてみました。
最近のデータが見つけられなかったのですが平成24年のデータで、総務省「就業構造基本調査」によ

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第28話 優しい地域とは何か?‘知ってるよ’という要素

第28話 優しい地域とは何か?‘知ってるよ’という要素

前回は優しい地域を作ることが理想、という話をしました。
では優しい地域とは何かということを考えてみると、一言では言えないなという結論にたどり着きました。しかしその中の1つの要素に‘知っているよ’という事があったのでまとめてみました。
‘知ってるよ’とは文字通り知っているということです(笑)
同じ地域に住んでいる人がどんな人でどんな‘人となり’なのか?何を考えていて、何ができないのか?何を公表したく

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第25話 介護はマネジメント勝負だ

第25話 介護はマネジメント勝負だ

経団連の資料によると2016年に介護を理由とした離職は8.6万人に達している。
また、離職にまでは至らなくても介護による睡眠不足やストレスを原因としたパフォーマンスの低下も指摘されている。

私は、普段から高齢者の医療介護に携わっていて高齢者とその家族の関係性などの現実を見ている。そこで感じることは介護と仕事の両立は本当に難しいということだ。
対等な人と人の関係性でさえ難しいのに、それが親子でしか

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第24話 近い将来、家族以外の他人が家族の中に入るのが当たり前になる

第24話 近い将来、家族以外の他人が家族の中に入るのが当たり前になる

近い将来、家族以外の他人が家族の中に入っていって家事や育児や介護、レジャーや習い事など、今まで家族が担うことが当たり前とされていたことを、依頼された他人がお手伝いすることが当たり前の文化になってきます。
場合によっては単に依頼されたという関係性にとどまらず、本当の家族のように近しい存在になってくるケースも珍しくは無くなるでしょう。

ライフスタイルや家族の形の変化、社会的な人口動態の変化を考慮する

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第23話 ワークアズライフ

第23話 ワークアズライフ

瀬戸内の海は今日も凪いでいた。波のない海は静まり返っている。
今日は友人とカヤックフィッシングだった。
これは僕にとっては趣味だが実は生活でもある。

仕事が無い日はウキウキする。今日は何をしようかと思案する。そんな生活もいいけど仕事自体がウキウキするような仕事で、明日はどんな仕事をしてやろうかと思いながら仕事と生活と境界が曖昧な感じで生きて行くのが理想的だ。

周防大島の生活はそれを具体的にイメ

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第22話 求人まだ出ず

第22話 求人まだ出ず

辞表を提出して早半月、まだ求人が出ていません。

新しい人と入れ替わりで退職してほしいとのこと。できるだけ早く退職したいという旨も伝えています。

でもまだ求人が出ていない。それでは誰も入りませんので当然辞められません。

こういった意思決定と行動の遅さも自分には合っていない職場でした。とにかく早く行動、行動という性格なので周囲の行動が本当に止まって見えます。

周囲の人たちには自分のやりたいこと

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第21話 親の介護は長男がするべきか

第21話 親の介護は長男がするべきか

老いてくるとできないことが増えて、その人らしい生活を送る為に誰かのサポートが必要となることがあります。
そのサポートは誰がするのがよいでしょうか?

結論から言ってしまうと、いろいろな選択肢があればよいということなのですが、
長男(または第一子)がするべきという風潮を普遍的に押し付けてしまうのはあまり良くないなと個人的には思います。

『長男なんだから』ということを私もいろいろな人から言われますが

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第18話 高齢者は社会資源だ

第18話 高齢者は社会資源だ

高齢者はできることが少なくなっている
だから手助けをしなければならない弱い存在だ
社会的な資源を投じて保護しなければならない

社会にはこういったイメージが少なからずあるのではないでしょうか?

しかし一般的なこのイメージが高齢者をより追い詰めている要素があると僕は思います。
なぜならそういったイメージに当てはめるように制度や施設やサービスが作られてしまうことで、本来ならば高齢者ができることも社会

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第17話 10年後の未来

第17話 10年後の未来

僕の住んでいる周防大島は高齢化率がずば抜けて高い地域です。

2015年の統計では高齢化率は驚異の51.9%。全国平均は26.6%で、集落によっては8割近くになっしまっているところもあります。

8割がお年寄りって…想像できますか?

ここまでじゃなくても日本はじきに周防大島のような人口動態に近くなってくると予想されています。つまり周防大島は日本の平均的な地域の10年から20年先をひた走っていると

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第15話 有機的につながると最高

第15話 有機的につながると最高

昨日に引き続き今日も研修会です。
理学療法というのはあいまいで、効果もよく分からない。まだ手探りの領域だという事がよく分かります。
でも目指しているのは障害を持った人、持つ可能性のある人をより良い生活に導くということであって、その為の方法は各々違うのだなとも思います。
今はそれぞれが分断されてしまっているフェイズであり、今後有機的につなげていく作業が進んでいけば良いなと思います。
生活の質と生活動

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第13話 理学療法士という仕事

第13話 理学療法士という仕事

今久しぶりに上京しています。理学療法学術研修大会という学会というか研修会に参加するためです。

通常の学会よりも実技研修などが多く好きな学会のひとつです。そのため毎回参加しています。

ここで僕が理学療法士として現在の理学療法の立ち位置について少し考えを述べながらまとめてみたいと思います。

結論は”視野が狭くなって存在感がなくなっているので価値のあることにコミットしたほうが良い。”と言うことを述

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第12話 先駆者

第12話 先駆者

自立した生活の支援事業を行うにあたって、僕にはどうしても会っておきたい人がいた。

フリーで介護事業を行なっている先駆者がこの地域にはいるのだ。

以前病院で僕が受け持っている患者さんにその先駆者が介入しており、その自由度と胆力に感銘を受けていた。その方は一人で仕事を請け負い、今では365日休みなく朝晩関係なく仕事をしている。何か覚悟のようなものをその背中から感じていたのだ。あの人には話を聴いても

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