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吉田秀和「LP300選」(「名曲三〇〇選」)セレクト曲の鑑賞【序文・凡例編】

はじめに



最近、吉田秀和「LP300選」(「名曲三〇〇選」)で選ばれた300曲を、演奏(YouTube の動画など)付きで見ていくような記事を作る、ということを思い立ちました。

この記事は、その「企画」全体の「序文」及び「凡例」のような役割を担うものとして書きました。

まずはじめに、現時点でUPにこぎつけている記事の一覧を掲げます。

No.1〜20 (「宇宙の音楽」 〜 マショー)
No.21〜40 (マショー 〜 マレンツィオ)
No.41〜60 (モンテヴェルディ 〜 パーセル)
No.61〜80 (シュッツ 〜 J.S.バッハ)

【No.81〜260 までの記事は簡略に作成(一種の「工事中」)。】

No.81〜100 (J.S.バッハ 〜 モーツァルト)

No.101〜120 (モーツァルト 〜 モーツァルト)
No.121〜140 (モーツァルト 〜 ベートーヴェン)
No.141〜160 (ベートーヴェン 〜 シューベルト)
No.161〜180 (シューベルト 〜 ベルリオーズ)
No.181〜200 (ベッリーニ 〜 ブラームス)

No.201〜220 (ブラームス 〜 チャイコフスキー)
No.221〜240 (チャイコフスキー 〜ドビュッシー)
No.241〜260 (ドビュッシー 〜 プロコフィエフ)
【ここまで簡略版】

No.261〜280 (プロコフィエフ 〜 ベルク)
No.281〜300 (ベルク 〜 ベリオ)


※特別編─「LP300選」で言及されている書籍を「デジコレ」で閲覧
(自分で書くのもなんですが、有用な記事だと思います。)

振り返りもこっそり開始。私なりの追加曲その他。)

準備メモ(まだ書いていない部分の曲名のみ)

※書いているうちに気づきましたが、曲を選ぶというより、ある特定のLPを薦めるという色合いが濃いノミネートもしばしばあります。本来が「LP300選」だから何の差し支えもなかったのでしょうが、今日の読者はその点を意識した方が良さそうです。


序文(「企画」記事全体への)


新潮文庫版の吉田秀和「LP300選」(1981年発行)は、私の若き日(苦笑)の、ちょっとした愛読書でした。

今の若い方だと、もうLPどころか、CDすら縁遠いのかもしれませんが。要するに、「ちょっとレトロな音楽媒体」です。形状は平べったくて大ぶりなビニールの円盤。表裏とも使うようになっています。「裏面の曲」とあったら、それはCDで言う同時収載曲(「c/w」=「coupled with」)の意味です。

この本を手に取ったのは、タイトルを見て、よくある「名曲の名盤」紹介の本かなと思ったからですが。

実際にはすごく硬派な「西洋(クラシック)音楽史」の本でした。

正直、そのころの私には読むのが難しかったですけれども。
芸術系の、ちょっと難しげな本をひもとくというのも、それはそれで(今で言う)「中二心」をくすぐるものがありました。

実際……
モーツァルトとかバッハ以前にも、実は長い西洋音楽の歴史があるとか。
あるいはボエティウスの「宇宙の音楽」「人間の音楽」「機械の音楽」という音楽分類の概念があるとか(我々の言う「音楽」は全て「機械の音楽」に入る)。
そういうことは、この本を読んで知ったのですし。
当時の一般的な好楽家が、その辺の書店で簡単に手に入れられる本で(中坊だって気軽に買える文庫本です)、このような音楽史的知識をしっかり紹介しているものは、当時は少なかったのではないかと。

さて、こんな感じで、私の記事はいつも前置きばかり長くなってしまうのですが──。

今回の「企画」は、その「300選」の個々の曲について、演奏(YouTube の動画など)と共に見られるような記事を作れたらと思ったところから始まっています。

実際のところ、どこまでいけるかは分かりません。
手はじめに、試験的に「61番〜80番」で記事を書いてみましたが(この「序文・凡例」の文章も、最初はそちらにつけていました)。
手応えと、余力に応じて、少しずつでも書き足していければ、といったところです。


凡例ほか


・「LP300選」は新潮文庫版が初出ではなく、それ以前にも、それ以後にも、各種の形で(しばしば別のタイトルで)出版されているようです。

現在=2024年時点では、ちくま文庫「名曲三〇〇選」が現役でしょうか。

ですが、私の記事では基本的に、新潮文庫版の「LP300選」を底本とします。私のノスタルジーがそこにあるからです(苦笑)。

・「LP300選」の最後に「この本は最後の形になって、雑誌に書いた時とは、曲の選択も、レコードもかなりちがったものになった」とあります。
さらに、本になってからも、種々の形とタイトルで出るごとに、少し選曲が変わったりしているらしいです。
理想としては、それらの異動を確認し、補遺のようなものも作れれば良いのでしょうが。
それはいつか、よっぽどヒマがあったら手をつけるかも(恐らく無理)、という感じです(^_^;)。

・曲に付す演奏については、楽団の公式動画、著作権切れの録音など、ご紹介することに問題のないものを選ぶようにしています。
もしそういう点で難アリな演奏が混じっていたら、その旨ご指摘いただければと思います。

【附記】
・YouTube のチャンネルには、ぱっと見、楽団公式みたいな名前で、実は全然そうではない、というのがたくさんあります。それぐらい「分かっているつもり」だったのですが、やっぱり引っかかっていたっぽいことに気づき(^_^;)。怪しいと思った動画は削除しました。

・私がそういうことに特に注意を払う理由について書きますと。正直、普段の私は結構チャランポランに生きていたりするのですが。
本企画が「違法な動画の紹介記事」とみなされて、変なトラブルが起こったりしたら嫌だなということが一つと。
また、「著作権的に問題のない動画ばかり」なら、この記事を気に入った方が周りの人に気兼ねなく紹介できるわけです。それもまた目標の一つです。

……といっても、実際のところ「著作権切れの動画を集めまくりました」みたいなサイトは、それはそれで「怪しい」でしょうけどね、どうしたって(^_^;)。
(でも、完全に合法です。……のはずです。)

(附記ここまで。)

・YouTube の動画などは、気づいたら消えていることもままありますが、ある程度は仕方ないものとして許容するものとします。

・一口に無料の演奏動画といっても、ライブ感に溢れた魅力的な演奏もあったりして、なかなかバカになりません。とは言え「しょせんは無料の動画」。出発点には悪くないとしても、限界はあります。もっと良い演奏で聴きたいと思った場合は、改めてご自分にとっての「名盤」を探してみてください。

・本書の曲名紹介は「原題のみ」「邦題のみ」「両方書かれている」それぞれのパターンがあります。
本稿では、なるべく両方のタイトルを書くようにしました(分かりきったものは省略した場合も)。その際、本にもともと書いてあったものは太字で、私が補ったものは細字(普通の字)として区別するようにしました。
また、作品番号(BWVなど)は、私の判断でつけたものも多いです。
【付記】ちくま文庫版を手に取る機会がありました。字句の修正などがあるのを確認。ちくま文庫版の記載などを引っ張る時には [ ] を用いるように(カッコの記号の使い分けを)しました。

・作曲家名や曲名(とりわけ欧字表記の部分)で、明らかな誤りと思われるものは、私の判断で直したものがあります。

・本書の曲名表記などは昔の本ということもあってか、今日一般的なものと異なる場合も見受けられます。それについては、別題を添え書きしたり、細かなものは私の判断で直したりもしています。また、違いがすごく大きい場合には、コメントをつけた場合もあります。もっとも、そのようなところで却って間違えている場合もあるかもしれません。

・自分がよく知らない曲の場合、「抜粋」だとか「編曲版」、あるいは「そもそも別の曲」とかの動画を選んでしまうこともあるかもしれません。そのような場合にも、ご指摘いただければ幸いです。

・これという演奏が見つけられなかった曲は、当然ながら「パス」しています。

・『LP300選』に選ばれている曲のうち、特に番号が若いほうの作品/演奏リストは、次の二つの資料でほとんど「占領」されています。

*本文中などで「MM」と略されている「Masterpieces of Music Before 1750」=「音楽史 : グレゴリオ聖歌からバッハまで」。

*同じく「HMS」と略されている「History of Music in Sound」=「耳による音楽史」

この両資料とも、今ではネットで読め/聴けます(下に掲げた拙稿を参照)。
個別の記事でも別途触れると思いますが、あらかじめ下の記事に目を通しておいていただければ、鑑賞などがスムーズに運ぶと思います。

・本書の本文やリストでは、
 *「参考盤」などとして別の曲も挙がっている。
 *このLPの演奏はどうこう……とか、LPの裏面に入っている曲は……とかのコメントがついている。
 ……といったこともしばしばです。
(あくまで「LP300選」ですから。)
そういう部分まできっちりフォロー出来れば、それに越したことはないのでしょうが。
(推奨の録音が著作権切れでネットに上がっていたりするなら、それを載せるのがベストかもしれません。)
差し当たりは「ほどほどにフォローしたり、しなかったり」というぐらいの感じでいきます。

・とにかく、底本に番号付きでリストアップされた300曲(+α)に当たってみること、が当面の最大目標です。「細かいことは、あまり言いっこなし」という感じで……。

・この「企画」の一連の記事は(もちろん本記事も含め)、見た目のリファイン、動画の差し替え、「パス」した曲の追加、その他を適宜行う可能性があります。

《附記》埋め込みの動画の URL を確認する方法


あまりに「初歩的」かもしれませんが、人によっては盲点になっているかもしれないと思いましたので。
記事中に埋め込んだ YouTube 動画の URL を確認する方法を念のため書いておきます。
環境によっては感じが違うかもしれませんが、それでもおおよその参考にはなるのではないかと思います(今回の例では Android スマホ を用いています)。

画面の例には私の以前の記事(パッヘルベルの「カノンとジーグ」を取り扱った回)を用います。

(以下、注目箇所を赤丸などで強調しています。)

まず、動画の上に出る白ヌキのタイトルのあたりをタップ。

すると、(note を離れて)YouTube の画面に遷移すると思います。

ここで下にでる「共有」をタップ。

続けて、「コピー」をタップ。

これで、当該動画の URL が記憶されました。

入手した URL は、忘れないようメモ帳などに貼っておきましょう。

今回の例だと、次のような文字列になっています。

https://youtu.be/2ZXk3svkf8s?si=N1lcmJVt75C8skbi

これでもいいんですが、実のところ、途中の「?si=」というところ以降は無くていいのです(どの動画でも同じ)。なので、それはカットして、

https://youtu.be/2ZXk3svkf8s

これで URL の確認終わり。例えばこの動画を人に紹介したいと思ったような場合は、この URL を送れば良いのです。