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吉田秀和「LP300選」(「名曲三〇〇選」)講読・鑑賞支援(No.241〜260)

※記事内に貼っている演奏類は、楽団公式動画、著作権切れの録音、著名CDレーベルの公式アップロードなどに限っています。

※まだ著作権が生きている近現代の作曲者の作品については《日本国内の著名な企業・団体が公式で上げている動画のみ、例外として、紹介可とみなす》という暫定基準で運用することにしました(第261〜280の回参照)。

※一連の「『LP300選』関連記事」を、マガジン(書棚的なもの)にまとめました。以下にリンクを貼っておきます。
トップに固定した記事に、全体的な前置き、凡例的なことを書いていますので、できれば、そちら[を先に/も後で]ご覧ください。

241 ドビュッシー 〜 260 プロコフィエフ

(お断り)

今回はだいぶ簡略な感じで作っています。

一種の「工事中」ということでお願いします。



241 ドビュッシー 歌曲集

まずは一曲……。


「ビリティスの歌」 "Les Chansons de Bilitis"


伝説的な(?)古澤淑子の1957年の録音があったので。「選ばれし乙女」 "La Damoiselle élue"


もう一つ。下に書き写した吉田秀和評では低い採点ですが(^_^;)。個人的に4曲目の「木馬」 "Chevaux de bois" が印象的だった思い出がある「忘れられた小唄」 "Ariettes oubliées"。


* * * * *

以下に本文と巻末リストにおける関連の記述を書き写しておきます。レコードの型番は全集も参考にして、少し書き足しています。

【本文】
ドビュッシーには、また、すぐれた歌曲が少なくない。フォレがヴェルレーヌの『やさしい歌』を、デュパルクがボードレールの『旅への誘い』を歌曲にして以来、フランスの音楽家たちは、ボードレール、マラルメ、ヴェルレーヌ、ピエール・ルイス以下の象徴派の詩をさかんに歌曲にうつし、そこに、ドイツのロマン派以来の、幸福な詩と音楽の結婚を実現したことは、改めて説くまでもなかろう。ドビュッシーの歌曲では比較的初期の『忘れられた小唄』『ボードレールの五つの詩』などはともかく、そのあとの『華やかなる宴』、自作の詩による『抒情的散文』『ビリティスの歌』『ヴィヨンの三つのバラード』など、いずれも名品でないものはないが、例によって、一曲という形でとりにくいので、《歌曲集》としてあげておく。

【巻末リスト】
パンゼラが《フランス歌曲集》の中で、『ロマンス』『洞窟』『牧人』『感傷的な対話』の4曲を歌っている MMB 5001(廃)。
フィッシャー=ディースカウがドビュッシーとラヴェルを入れたもの ドイツ盤 Grammophon 138155。
このごろはドビュッシーの歌曲集と呼べるレコードは、ほとんど出ていない。『ビリティスの歌』だけを歌ったものとしてはロスアンヘレス(T-AA 8129)(廃)とバーベリアン(PA 1029 or ドイツ盤 Wergo 60054)のものがある。スゼイ T-EAC 80188 とアメリンク CS-25AC 1171 の盤も推薦しておく。



241a ドビュッシー 「シャルル・ドルレアンによるフランスの歌」



242 ドビュッシー

「ヴァイオリンとピアノのためのソナタ」


「チェロとピアノのためのソナタ」


「フリュートとヴィオラとハープのためのソナタ」



243 ラヴェル ダフニスとクロエ(第二組曲)

また、参考用として。
全曲


バレエの「さわり」動画2つ。
(この2つの動画は埋め込み不可でしたので、URLの形で貼っておきます。)
https://www.youtube.com/watch?v=tWqeahU72-U

https://www.youtube.com/watch?v=ujLvKr9koaA


244 ラヴェル 夜のガスパール

(英訳詩の朗読入り。これは「オーセンティック」なアプローチなのか否か、私にはよく分かりません……。)


もう一つ。

ギーゼキングによるピアノ曲全集。これは推薦盤と同じ演奏かと思われます。概要欄にトラックリストあり。「夜のガスパール」は 52:58〜。



245 ラヴェル 左手のためのピアノ協奏曲

(まずはこの人の演奏で聴くべき曲なのかなぁと。録音は複数あるようですが、こちらは1958年、 Metropolitan Opera Orchestra Of New York, Max Rudolf との演奏とのこと。)


245a ラヴェル ピアノ協奏曲ト長調

(次の動画は埋め込み不可でしたので、URLの形で貼っておきます。)https://www.youtube.com/watch?v=cJOW5mlhH_Y

もう一つ。

(この録音の指揮は実際にはラヴェルではなかったという説もあるそうです。)



246 ラヴェル スペインの時


次の動画は英語での上演ですが、とりあえず……。


247 ラヴェル 歌曲集

『シェエラザード』 "Shéhérazade"



『博物誌』 "Histoires naturelles"
下はベルナック(バリトン)、プーランク(ピアノ)による1950年の録音のようです。


『ドゥルシネア姫に心を寄せるドン・キホーテ』 "Don Quichotte à Dulcinée"



* * * * *


以下に本文と巻末リストにおける関連の記述を書き写しておきます。レコードの型番は全集も参考にして、少し書き足しています。
最後の「241のドビュッシーの《歌曲集》参照」の意味が、見比べてもよく分からないのですが、フィッシャー=ディースカウ盤にラヴェルの曲も入っているということに注意を促したものかも(?)。

【本文】
そのほか、歌曲では『マダガスカルの歌』『シェエラザード』『博物誌』『ドン・キホーテの歌』という四歌曲集が、やはり、非常にすばらしくかけている。で、まずオペラ、『スペインの時』をとろう。それから《歌曲集》をとろう。ここでは、もう調性がこわれるぎりぎりのところまできている。しかし、ラヴェルは、夢にも無調音楽をかくつもりはなかったのだろう。

【巻末リスト】
ダンコ SLC 1954〜5 or 米国盤 London STS 15155/6(『シェエラザード』『ヘブライの三つの歌』『マラルメの三つの歌』にオネゲルの『ダビデ王』と組合わせ)。
『シェエラザード』は、クレスパン,アンセルメ指揮スイス・ロマンド o. がある SLC 1921 or K-GT 9247(ベルリオーズ『夏の夜』との組合わせ)。241のドビュッシーの《歌曲集》参照。




248 ラヴェル ヴァイオリン・ソナタ

別の「ヴァイオリン・ソナタ」が見つかったことから、今日では「第2番」と呼ばれたりするそうですね。「ト長調ソナタ」と呼べば、まず問題ないでしょうか。



248a ラヴェル ヴァイオリン,チェロ,ピアノの三重奏



249 ラヴェル 弦楽四重奏曲ヘ長調


250 デ・ファリャ 「恋は魔術師」

(正直、この曲のことをロクに知らないのです。ネットで単純に検索すると「バレエ音楽」と出てきましたが、本文ではオペラと記載していて、あれ?と。実際、演奏史を確認すると、当初は「歌入りの舞踊劇」みたいな感じだったようです。ピックアップの理由にも「歌」が挙がっています。もう少しお勉強が必要そう。)
[ちくま文庫版では「バレエ」と直されていました。ただ、それは本当に「正しい」修正なのか、という疑問もなしとしません。]

とりあえず「普通っぽい」のと……


「バレエっぽい」のと……(音質・画質とも難あり)


オリジナルの「1915年版」だという動画2つを貼っておきます。


これだけあれば、どれか一つくらい本文の趣旨に合った演奏もある、のでは(?)。


(参考)
ファリャ 三角帽子


バレエの「さわり」動画


もう一つ。

(本文と巻末リストで言及。これも、「こういうの」でいいのか、あんまり分かっていません。)



251 サティ カンタータ「ソクラテス」

次のプレイリストはルネ・レイボヴィッツ指揮による1952年の録音のようです(推薦盤と同じものか)。


もう一つ。ピアノ伴奏版。英語での歌唱ですが。

I

II

III


* * * * *

ここの巻末リストの記載は次のようなものです。

レイボヴィッツ指揮 米国盤 EVEREST 3246(廃)。デルヴォー指揮パリ o., ギオーほか T-EAC 40123 (バレエ『メルクリウス』との組合わせ) or EAA 80044。
参考盤
サティ《ピアノ曲集》
チッコリーニ T-EAC 77123〜8(サティ・ピアノ音楽全集)
or チッコリーニ AA 9386〜8(第1集), EAA 90015〜7(第2集)。
高橋アキ T-EAC 60152(アキ・プレイズ・サティ)。

そんなところから、ここでは Brilliant Classics の次の動画を。

Satie: Complete Piano Works Vol.1


Satie: Complete Piano Works Vol.2



252 ルーセル 交響曲第3番


253 バルトーク 弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽


254 バルトーク 二台のピアノと打楽器のためのソナタ

次のものは1940年、ニューヨークにおける自作自演録音とのこと。

(Part 1)

(Part 2)

(Part 3)



255 バルトーク 弦楽四重奏曲第4番


(脱線)
バルトークの弦楽四重奏曲は全曲取りたそうな雰囲気を感じるので(参考盤が、全曲セットの2種から始まっていたりします)、Brilliant Classics のまとめ動画を貼っておきます(概要欄にトラックリストあり)。



256 バルトーク ヴァイオリン・ソナタ第1番


257 バルトーク ピアノ協奏曲第2番


次のものは1938年の自作自演録音とのこと(ただし断片で、音も極めて劣悪)。


(最初、間違えてヴァイオリン協奏曲第2番を貼ってしまったのですが、あえて残しておきます。)


(参考)
巻末リストの参考曲。

ピアノ協奏曲第1番


青ひげ公の城
(さらに「追記」として、「バルトークの声楽曲を1曲も選ばないのはやはり正しくない」とのコメントつきで)

下は1967年のライブ録音とのこと。英語歌唱。

(参考盤としては「サヴァリッシュ指揮バイエルン国立 o. F=ディースカウほか P-MG 1241 をあげておく」との記載。)


258 コダーイ ハーリ・ヤーノシュ組曲

あと、元の歌劇の動画を念のため探したら、またちょっと別の、次のような動画が出てきました。どうやら現地では、ちゃんとした「歌劇」というのではなく、子供向けの簡素な音楽劇として上演することがあるっぽい(?)です(似たような動画がほかにもあったので)。参考用に。

ちなみに、有名な「ウィーンの音楽時計」は、上の動画だと 35:30 あたりから。

(さらに余談として。WWIIの際、ハンガリーは枢軸国側だったため、著作権の「戦時加算」がなく、コダーイの曲は日本ではパブリック・ドメインになっているということのようです。意外な「世界史知識」が身近なことに関係するものです。)

259 ショスタコーヴィチ 交響曲第9番

ショスタコーヴィチはまだ著作権が生きている人ですが、彼の交響曲や弦楽四重奏曲は今では人気作品ですから、聴く機会は多いでしょう。バルシャイ Rudolf Barshai 指揮の交響曲全集などは、激安のBOX CD で売っていたり、配信サービスに入っていたりします。演奏も悪くないです。
(「Shostakovich Edition」で検索すると、さらに大部のセットも複数種類出てきますが、いずれも廃盤になった模様?)

【追記】「261〜280」の回に詳細を書きましたが、「日本国内の著名な企業・団体が公式で上げている動画はアリ」という暫定基準でいこうと思います。

それにしたがいまして動画の追加。

ナクソスジャパン公式(奇数楽章のみの抜粋)。

第1楽章

第3楽章

第5楽章



259a ショスタコーヴィチ 交響曲第1番

(上と同様の基準で。)
千葉県文化振興財団。指揮はショスタコーヴィチ演奏に定評のある井上道義。



260 プロコフィエフ ピアノ協奏曲第3番


自作自演録音も存在します(ピアノ演奏)。


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