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吉田秀和「LP300選」(「名曲三〇〇選」)「企画記事」の準備用メモ

※記事内に貼っている演奏類は、楽団公式動画、著作権切れの録音などに限っています。

※一連の「『LP300選』関連記事」を、マガジン(書棚的なもの)にまとめました。以下にリンクを貼っておきます。
トップに固定した記事に、全体的な前置き、凡例的なことを書いていますので、できれば、そちら[を先に/も後で]ご覧ください。


前置き、あるいはお断り


この「企画記事」は今のところ、1〜80と、261〜300までの部分について取り扱いましたが。
ちよっと息切れしてきましたので、一旦、休憩をはさみたいと思います。
【追記:もう少しだけ進行。】

(私の悪い癖で、そうやって、結局放りっぱなしにするのもよくあるのですが……。)

【もう一つ、事情がありまして。同書はもちろん持っているのに、整理が悪くて見つからなくなっており。今回は図書館から借りているのです(^_^;)。】

一応、今後の再始動時の準備用メモを兼ねて、まだ扱っていない部分の曲名だけ書いておきます。

ただ、今回再読・精読して改めて思ったのですが、つい見落としがちな細かいコメントに込められている音楽知識の凄さ!

300選に入っていないけれど、負けず劣らずの傑作がまだまだたくさんあるし、そういう作品への手引も、実はしっかり書きこまれまくっているのです。
時代を考えれば、全く驚くべき知識量と、さらに(今日では分かる)驚くべき先見の明が、この小さな一冊に籠もっています。

とは言え、この300の曲ですら、まだ聴いたことのないものが山盛りですので、その先なんてとても手が回らない……というようなことを今さらに思ったりもする私なのですが(^_^;)。

さて、そんなわけで、同書は、本文にもリスト中にも、あれこれの補足とか追記とかが出てきます。

ただ、下の「メモ」には、私の目にとまった(特に気になった)もののみ拾っています。


準備用メモ


81 バッハ クリスマス・オラトリオ
82 バッハ 荘厳ミサ ロ短調(ミサ曲 ロ短調)
83 バッハ マタイ福音書による受難曲(マタイ受難曲)
84 ヘンデル 合奏協奏曲 op.6の12曲

85 ヘンデル オルガン協奏曲
(3組、各6曲ずつのオルガン協奏曲があるが、グローヴ音楽事典で第二集とされる1739年ごろの6曲、F,A,d,G,D,g をとる、というような記述。ちょっと難しいところがあって、これだけはあとでもう少し確認したいと思います。)

次の記事(両方とも英語)で確認できました。

この6曲は、HWV の番号で言うと
HWV 295, 296a, 297, 298, 299, 300
……であるようです。
これらはまた、「オルガン協奏曲第13番〜18番」などとも呼ばれるようです。

ただ、この区分(第二集)は、今日ではあまり用いられていないような感じも受けます(そのあたりの事情はあまり詳しく確認していません)。

実は、廉価CDレーベルとして著名な Brilliant Classics が「オルガン協奏曲全曲」を YouTube にUPしているのを見つけました。
正体が分からなければ「これでいいでしょう?」で済ませようと思ったのです(^_^;)。

よく見ると、上記のうち、その中に入っているのは HWV 295, 296a だけなのですが、せっかくなので以下に貼っておきます。

(コメント欄のトップに、各曲へのインデックス=トラックリストが貼られています。固定されています。
なお、全くの余談ですが、なにか場違いなようにも見える「ハープ協奏曲」を選んだら「あぁこれかぁ」という曲でした。)

上述の2曲以外の曲が外されているのは、おそらく「編曲モノなので」というような理由からではないかと想像します。
昔のレコードだと「オルガン協奏曲第13番〜18番」などとして収録していたのかもしれません。聴きたい場合には、そういう音源を探すのが手っ取り早いのかもしれません。

86 ヘンデル ヴァイオリンとチェンバロのためのソナタ「13番 ニ長調」「15番 ホ長調」
87 ヘンデル メサイア
88 テーレマン(テレマン) 「食卓の音楽」Tafelmusik
(テレマンの曲の補足あり)
89 ペルゴレージ 歌劇「奥様女中」
90 ペルゴレージ 「聖母哀傷」Stabat Mater
90a ペルゴレージ フリュート,弦楽およびチェンバロのための小協奏曲ト長調(伝ペルゴレージ・フルート協奏曲第1番ト長調か)
91 チマローザ オーボエと弦の協奏曲(オーボエ協奏曲ハ短調、実際にはこの曲は1893年生まれの作曲家アーサー・ベンジャミンが、チマローザの複数のチェンバロソナタから4曲を選んでオーボエ協奏曲に編曲したもの。)

(「秘密結婚」について「一項目作るべきだった」とのコメント)

92 グルック 歌劇「オルフェオとエウリディーチェ」
93 ハイドン 交響曲第104番「ロンドン」
(ハイドンの交響曲の補足あり)

94 ハイドン 弦楽四重奏曲ヘ長調 op.3 No.5
95 ハイドン 弦楽四重奏曲ニ短調「五度」 op.76 No.2

本文で95aが二つ出てきます。

95a ハイドン 弦楽四重奏曲ト長調 op.76 No.1

95a ハイドン 弦楽四重奏曲ニ長調 op.76 No.5

96 ハイドン ピアノ・ソナタ変ホ長調 Hob. XVI-52
97 ハイドン チェロ協奏曲ニ長調
98 ボッケリーニ チェロ協奏曲変ロ長調
99 ハイドン オラトリオ「天地創造」
100 モーツァルト フィガロの結婚 K492


101 モーツァルト ドン・ジョヴァンニ K527
102 モーツァルト 魔笛 K620
103 モーツァルト ミサ ハ短調 K427
104 モーツァルト レクイエム K626
105 モーツァルト 交響曲第39番変ホ長調 K543
106 モーツァルト 交響曲第40番ト短調 K550
107 モーツァルト 交響曲第41番ハ長調 K551
108 モーツァルト 交響曲第38番ニ長調「プラハ」 K504
109 モーツァルト 13の管楽器のためのセレナード変ロ長調 K361
110 モーツァルト ディヴェルティメント ニ長調 K334
111 モーツァルト ピアノ協奏曲第20番ニ短調 K466
112 モーツァルト ピアノ協奏曲第23番イ長調 K488
113 モーツァルト ピアノ協奏曲第24番ハ短調 K491
114 モーツァルト ピアノ協奏曲第27番変ロ長調 K595
115 モーツァルト ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K467
116 モーツァルト ヴァイオリン協奏曲第5番イ長調 K219
116a モーツァルト ヴァイオリン協奏曲第4番ニ長調 K218
117 モーツァルト クラリネット協奏曲 K622
117a モーツァルト フリュート協奏曲 K314
118 モーツァルト 弦楽五重奏曲ト短調 K516
119 モーツァルト クラリネットと弦楽のための五重奏イ長調 K581
120 モーツァルト 弦楽四重奏曲ト長調 K387


121 モーツァルト 弦楽四重奏曲ニ短調 K421
122 モーツァルト ピアノと弦楽の四重奏ト短調 K478
123 モーツァルト ヴァイオリン・ソナタ 「ト長調 K301」「ホ短調 K304」「ヘ長調 K376」「変ロ長調 K378」
124 モーツァルト ピアノ独奏用の「ロンド イ短調」K511
125 モーツァルト 弦楽三重奏のためのディヴェルティメント 変ホ長調 K563
126 ベートーヴェン 交響曲第5番
127 ベートーヴェン 交響曲第3番
128 ベートーヴェン 交響曲第2番
129 ベートーヴェン ピアノ・ソナタ「テンペスト」op.31-2
130 ベートーヴェン ピアノ・ソナタ「月光」op.27-2
131 ベートーヴェン ピアノ・ソナタ「ヴァルトシュタイン」op.53、「アパッショナータ」op.57
132 ベートーヴェン 弦楽四重奏曲 op.59 の3曲
133 ベートーヴェン 交響曲第7番
134 ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番 op.58
135 ベートーヴェン ピアノ協奏曲第5番
136 ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲 op.61
137 ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ「クロイツァー・ソナタ」op.47
138 ベートーヴェン チェロソナタ イ長調 op.69
139 ベートーヴェン 歌劇「フィデリオ」
140 ベートーヴェン 歌曲集「はるかなる恋人によせる」op.98


141 ベートーヴェン ピアノ・ソナタ イ長調 op.101
142 ベートーヴェン ピアノ・ソナタ 変ロ長調「ハンマークラヴィーア」 op.106
143 ベートーヴェン ピアノ・ソナタ ホ長調 op.109
144 ベートーヴェン ピアノ・ソナタ 変イ長調 op.110
145 ベートーヴェン ピアノ・ソナタ ハ短調 op.111
146 ベートーヴェン ディアベリの主題による変奏曲 op.120
147 ベートーヴェン 交響曲第9番
148 ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第12番変ホ長調 op.127
149 ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第13番変ロ長調 op.130(大フーガ op.133 も付属と考える)
150 ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第14番嬰ハ短調 op.131
151 ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第15番イ短調 op.132
152 ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第16番ヘ長調 op.135
153 ベートーヴェン ミサ・ソレムニス op.123
154 ベートーヴェン 大公トリオ変ロ長調 op.97
155 ケルビーニ 歌劇「メデア」
156 ロッシーニ 歌劇「セヴィーリャの理髪師」
157 パガニーニ カプリッチョ op.1 全24曲
158 ヴェーバー 歌劇「魔弾の射手」
159 シューベルト 美しき水車小屋の乙女
160 シューベルト 冬の旅

戦前の旧制高校生(大まかには今日の高3〜大学2年生あたりの年齢。ドイツ語とかを徹底的に叩き込まれる場だったらしいです)が愛聴した話がよく出てくる、ヒュッシュ歌唱の「冬の旅」。一種の「歴史資料」ないし懐古趣味の種として。


161 シューベルト 白鳥の歌
(シューベルトの歌曲の補足あり)

162 シューベルト 交響曲第8番(現在の第7番)未完成
(「グレート」交響曲への言及あり)
163 シューベルト 弦楽五重奏曲ハ長調
164 シューベルト 弦楽四重奏曲ニ短調 死と乙女
165 シューベルト ピアノ五重奏曲 ます
166 シューベルト ピアノ三重奏曲変ロ長調 op.99
167 シューベルト 楽興の時 op.94 D780
167a 即興曲集 op.90 D899
(シューベルトの参考盤あり)

168 メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲
169 メンデルスゾーン ピアノ三重奏曲ニ短調
170 メンデルスゾーン 交響曲第4番「イタリア」
171 メンデルスゾーン 真夏の夜の夢
172 ショパン マズルカ全曲(約60曲)
173 ショパン 練習曲集全曲
174 シューマン 歌曲集「詩人の恋」
175 シューマン クライスレリアーナ
175a シューマン 幻想曲ハ長調
176 シューマン ピアノ協奏曲イ短調
177 シューマン チェロ協奏曲イ短調
178 リスト ピアノ・ソナタ ロ短調
179 リスト ハンガリー狂詩曲
180 ベルリオーズ 幻想交響曲


181 ベッリーニ ノルマ
182 ヴェルディ リゴレット
183 ヴェルディ 椿姫
184 ヴェルディ アイーダ
185 ヴェルディ オテロ
186 ヴェルディ ファルスタッフ
187 ヴェルディ レクイエム
188 ヴァーグナー トリスタンとイゾルデ
189 ヴァーグナー ニュルンベルクの名歌手(ニュルンベルクのマイスタージンガー)
190 ヴァーグナー ニーベルングの指輪 四部作
191 ヴァーグナー パルジファル
192 ブラームス 交響曲第2番
193 ブラームス 交響曲第4番
194 ブラームス ピアノ協奏曲第2番
195 ブラームス ヴァイオリン協奏曲
196 ブラームス ピアノ五重奏曲ヘ短調
196a ブラームス 弦楽六重奏曲変ロ長調 op.18
197 ブラームス ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ短調
198 ブラームス クラリネット五重奏曲ロ短調
199 ブラームス 歌曲集
200 ブラームス ドイツ語によるレクイエム(ドイツ・レクイエム)


201 ブラームス 愛の歌のワルツ集(ソプラノ、アルト、テナー、バスの四人の歌手と二台のピアノのための)
202 ヴォルフ メーリケ歌曲集
203 ブルックナー 交響曲第7番
204 マーラー 大地の歌
(ブルックナーとマーラーの交響曲について多くの補足あり)

205 リヒャルト・シュトラウス 歌劇「サロメ」
205a リヒャルト・シュトラウス 歌劇「エレクトラ」
206 リヒャルト・シュトラウス 歌劇「ばらの騎士」
207 リヒャルト・シュトラウス ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら
208 ヨハン・シュトラウス 美しく青きドナウ
209 ヨハン・シュトラウス オペレッタ「こうもり」
210 スメタナ 歌劇「売られた花嫁」(チェコ語)
211 ドボルジャーク チェロ協奏曲
(ドボルジャークの交響曲の補足あり)

212 ヤナーチェク 歌劇「エヌファ」(イェヌーファ)
(ヤナーチェクに多くの補足あり)

213 シベリウス 交響曲第2番
214 グリンカ 歌劇「ルスランとリュドミーラ」
(ダルゴムイシスキーの歌劇「石の客」への言及あり)
215 ボロディン 歌劇「イーゴリ公」
216 ムソルグスキー 歌劇「ボリス・ゴドゥノフ」
217 ムソルグスキー 展覧会の絵
218 ムソルグスキー 歌曲集「死の歌と踊り」「子供部屋の歌」全曲
219 チャイコフスキー 交響曲第6番
220 チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番


※写し間違えもあるかもしれません。また原文自体の間違いもあるかもしれませんが、もちろん(?)チェックなどはしていません。

※もう一つ書いておきますが、本書中の外国人の名前のカタカナ表記とか、あるいは曲名の邦訳とかは、基本的にものすごーく正確です。時代を思えば信じがたいレベルで精密です。
今日の一般的表記とは異なる場合もありますが、むしろこちらの方が正しい(原語の発音に沿っている/しっかりと訳されている)という場合が多いです。もちろん、そうでないものもありますが。
(それでも、さすがの吉田秀和先生も、「ベートーヴェン」を「ベートーフェン」ないし「ベートホーフェン」に改めることはできなかったようです。やむを得ないことなのは分かりますが、少し残念かも。)

※補足の補足。欧文表記の方はたまにミスが混じるようですが、それも主には校正側の問題なのではないかと思われます(私が気づいた具体例では、イタリア語の定冠詞「Il」が脱落している箇所を散見しました。)

※晴れて、再始動の上、全部の曲について取り上げることができたら、本記事は削除するかもしれません。
(むしろ、それが目標です。)