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春の日の出会い。 裏
暖かい風に乗って薄ピンクの花びらが舞う、放課後。
朝には沢山いた生徒たちは疎になり、学園は物悲しそうに
ヒソヒソと音を立てる。
ナスの効果が切れそうな頃、少女は屋上に帰ろうとしていた。
しかし学園はとても広く、まだ日の浅い少女は迷子になっていた。
人のいない校舎で迷うのはまるで、暗い夜道を独りで歩いている時のように心細かった。
トボトボと歩いているときらりと光が目にあたる。
目を細め光の方を見
赤ずきんとオオカミさん。
ある小さな村の小さな森の中に、とても恥ずかしがり屋で優しいオオカミが住んでいました。
ある日、森の中を散歩していると花畑で花を摘んでいる人間を見つけました。
見つかったら怖がらせてしまう、そう思ったオオカミは木の影に隠れました。
花を積んでいる人間は赤い色のずきんをかぶっていました。
そしてそのずきんの下には、鮮やかなピンクの髪の女の子の顔が見えました。
オオカミは一瞬でその子に恋をしてしました。
♢ 神様になれなかった天使 【プロローグ】
「ねぇ、母さん」
「なぁに?」
「こないだおばあちゃんちに桃届けに行った日にさ、帰り道で昔夏祭りで神社に行ったの思い出したんだけど、あの神社ってどこにあったっけ?」
夕飯の支度をしていた母に話しかける。
母は包丁軽快に動かしながら教えてくれた。
「あぁ、あの鳥の神社、懐かしいわねぇ」
「鳥?」
「あら、覚えてないの?あの神社に祀られてる神様は鳥の翼を持つ神様でね。」
「あなたおじいちゃ
♢ 神様になれなかった天使 【下】
「天使としてすら生きられぬ出来損ないが、あまつさえ人間界で神の真似事など」
身の程を弁えろーー。
神の怒号が響くと同時に辛うじて残っていた本堂の壁が吹き飛ぶ。
隠れ蓑を剥がされ、村人達の視線に晒される。
そこに居たのは、怯え切った情けない偽の神の姿だ。
突然の神の降臨に村人がどよめく中、神が言う。
「聞け人間よ、これは神などではない」
やめろ。
「神の使いとして生まれたにもかかわらず、使
♢ 神様になれなかった天使 【中】
豪華な装飾が施された椅子に座らされ、目の前には沢山の村人達が私を一目見ようと集まっていた。
村人達が変わるがわるやって来て、私の翼をひと撫する。
立派な翼だーー。
今まで誰からも言われなかった言葉だった。
中には産まれたばかりの子供を連れてきて「この子に御加護を」と言ってくる者もいた。
私が直接話しかけるのは禁じられているので、隣に控えているお美代にそれらしい言葉を言うと、村人に伝えた。
村人
♢ 神様になれなかった天使 【上】
私は天使として生まれた。
天使は天界に沢山いて、私もその1人だった。
でも私は他の天使とは違った。
他の天使達より、私の翼はとても大きかった。
大きくて、大きすぎて、重すぎて、飛べなかった。
私は飛べない天使だった。
お前は出来損ないだーー。
周りの天使達に見放された飛べない天使にできる仕事も、居場所はなかった。
私は天界で独りぼっちだった。
寂しかった、悔しかった、絶望した、飛べなければ仕事