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ニンジャ・イノベーション

少し前に読み終えた本で、「たった1人からはじめるイノベーション入門 著:竹林一」という本があります。その中に記載のあった忍者型のイノベーションモデルの記載を今回、膨らませてみたいと思います。

書籍では、バイモーダル(2つの文化の共存協調)が大事だと考え、武士型の発想である「失敗が許されない領域に適した安定性重視で開発を行うモード」と、忍者的な発想である「スピード重視で、時代の変化にいち早く対応する必要のある開発モード」、両方の特徴を挙げています。
私も両方の考え方が大事だと思う一方で、忍者型とはなんぞや?について膨らますと、世のビジネスマンに役立つ要素もあるのではと感じて、本文をまとめています。

まず、忍者は歴史上に存在する日本の伝統的な隠密部隊です。彼らの特徴はイノベーションにも通じる要素が存在するのではと考えます。ここでは、この忍者とイノベーションについて、重要な要素を絡めて分析してみたいと思います。

⚫︎ステルスと機動性
忍者の特徴の一つとして、「ステルスと機動性」が存在します。彼らは、身軽さと柔軟性によって、敵の目を欺き、警戒を回避し、前線をかいくぐることにより、敵陣に忍び込むことができました。この2つの要素は、互いに組み合わさることにより、戦闘や諜報活動において高い成果を上げることができました。
同様に、イノベーションにも事態に応じた変化と、競争力を保つための機敏かつ隠れたアプローチを必要とします。
アジャイルやリーンスタートアップといった要素であらわれる実践しながら考え、考えながら仕様を変えていく機動力は特にスタートアップなどに大事な要素と言えます。

⚫︎多様なスキルセット
忍者は様々なスキルを身につけることで、任務の遂行に柔軟に対応しました。彼らは、忍術だけでなく、武術、諜報術、手裏剣のような飛び道具など、幅広い分野に精通していました。
同様に、イノベーションもまた、多様のスキルセットを持つチーム編成を組むことにより、新しいアイデアや複合的な問題解決へのアプローチが可能になることが想定されます。それは孤独に戦う武士ではなく、諜報機関としてのチームで活用する忍者の発想が必要です。

⚫︎環境への適応力
忍者は山岳、森林、水中など、様々な厳しい環境に適応できるよう激しい訓練を受けます。
イノベーションにおいても、刻々と変化する市場や技術環境の中で、柔軟かつ迅速な適応能力が求められるとも言えます。

⚫︎情報収集と情報戦略
忍者は情報収集と戦略的な情報の活用に重点を置き、動向を把握することで最終的な戦闘の勝利につなげました。
イノベーションにおいては、環境の把握と市場、プロダクトへの洞察をもとにした戦略が必要です。

⚫︎連携と協力
忍者は個々のスキルが高いだけでなく、仲間との連携も重要視しておりました。そして、情報戦における仲間との協力で大きな戦果を得られる構造になっていました。
イノベーションにおいて、異なる専門知識や背景が異なる人々が有機的に連鎖して協力し、革新的なアイデアを生み出すことが重要と言えることができます。

根本的な発想を捉えると、速度重視の分散システム、高いスキルセットでのチーム戦、環境適応や情報を戦略に回すことを前提に任務をこなすスピリットこそが「ニンジャ・イノベーション」と呼ぶことができるのではないでしょうか。

結果、忍者の特徴とイノベーションを想起させる点においては、多くの類似項目が見られます。結果、上記の要素が両者に共存する要素と言えることができ、現代のビジネス環境においてはこのスピリットこそが不足している要素なのではないでしょうか。

これらの特徴を活かした「ニンジャ・イノベーション」こそが、不確実な未来への挑戦を実践に繋げる為に、可能性を切り拓くと言えるのではないでしょうか。

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