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なずな の おはなし

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noteに投稿した短編小説たちが、ぎゅうぎゅう、詰められています。 この作品たちは、小説投稿サイト・エブリスタにも投稿されている子たちです。
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#小説

【短編】あにいもうと

【短編】あにいもうと

 “武藤の兄妹は何か変だ。”

 ――それが、うちの学年にひっそり染み込んでいる暗黙の了解。

***

 昔から、女性の声が苦手だ。怒りの色が含まれたものは、特に。

「武藤妹! どうにかしなさいよ、あんたの兄貴!」

 ――お昼休み。

 親友の久美と机をぴったりくっつけてお弁当を食べていたら、……荒々しい足音と共に顔も名前も知らない女子が教室に飛び込んできた。

 鮮やかな茶髪が、蛍光灯に当

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【短編】いっしょにごはん、たべたくない

【短編】いっしょにごはん、たべたくない

 わたしは、ご飯が大好きだ。

 作るのも、食べるのも、大好きだ。

 書店でレシピ本を眺めてる時の気持ちはふわふわで、スーパーで買い物をしている時はわくわくで、台所で包丁を握っている際にはどきどきする。

 味付けの瞬間は、ちちんぷいぷいの時間だ。
 魔法の杖を振って、自分の脳味噌を取り出す作業を夢中にやる。

 塩、こしょう、醤油、みりん、酒、めんつゆ……。

 濃い目の味付け、薄目の味付け。

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【短編】地雷を踏み抜く!

【短編】地雷を踏み抜く!

「もちろん、まるごと理解しろだなんて言わないけれど、この気持ちが分かんないってあなたの感性相当変だと思うよ」

 男は困惑した。というより、……目の前で何が起こっているのか、理解できていなかった。

 男の視線の先には、黒い絹糸がふわりと舞っている。

「本当に、信じられない!」

 その絹糸の束は、ひとりの女のものだった。
 肩まで丁寧に伸ばされたその絹糸たち……もとい黒髪たちが、女の声音に合わ

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【短編】『花たばこを吸う、わたし。』

【短編】『花たばこを吸う、わたし。』

 わたしがたばこを吸い始めたのは、小学校六年生の頃だった。

 全てのきっかけは、――おばあちゃんが儚くなったこと。

 儚くなったおばあちゃんは、わたしたちの住むアパートからいなくなってしまった。

 その寂しさを紛らわす為に、わたしはたばこを吸うようになった。

 いつも吸っているたばこの銘柄は、これ。
 「花たばこ」。
 淡いピンクの星型の花弁の筒状花。
 吸い方は簡単。
 茎の長い所をこう

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