nazuna

日本のどこかに在住。 4歳から聴覚障害者です。 健聴者の夫、3人の子どもがいます。 …

nazuna

日本のどこかに在住。 4歳から聴覚障害者です。 健聴者の夫、3人の子どもがいます。 聴覚障害から見た世界を伝えたい、 聴覚障害だったからこその出会いがあり、それを書いていきたいです。 どうぞよろしくお願いいたします。 ★毎週日曜の更新を目指します。

記事一覧

★#3 なずなの2021年で幸せだったこと

なずなの過去■も、なずなの現在★もそれぞれに書いていますが、それをすっ飛ばして今年幸せだったことをここに書いて、2021年最後の投稿にしようと思いました。 コロナ禍…

nazuna
2年前
31

★#2 なずなが普段している読唇のお話

TwitterのDMに質問を寄せてくださり、ひとつ前の記事にて、質問の回答を書かせていただきました。 読唇メインというが、想像つかないから教えて というふたつめの質問に、…

nazuna
2年前
14

★#1 なずなの今 発音と対話について

タイトルに★マークがあるのは、現在の話です。■マークは過去のなずなのことを書いているとご理解ください。 Twitterでも同じ名前、なずなで。そのTwitterでは現時点のな…

nazuna
2年前
14

■#5 なずなが、日本語を身につけるまで

声を出して話す、“発話”は、母と発話練習を毎日やって身につけていきました。 絵カード、表に絵、裏にひらがなが書いてある、言葉カードを通じて、物には名前があること…

nazuna
2年前
10

■#4 なずなにとっての日本語とは

健聴者のみなさんは、自分の生まれ育った国の言語を、そのまま母国語としか疑問を持たない、もしくは深く意識しないかと思います。 私にとって日本語はあくまでも「意識的…

nazuna
2年前
18

■#3 なずな、言語聴覚士さんに出会う

物には名前があり、人と話し合うために会話がある、お互いの気持ちや考えを理解しあうために、言葉がある。それぞれの経験や知識をシェアしあい、一緒に生きるために時間を…

nazuna
2年前
22

■#2 補聴器をつけ始めて なずな 4歳8か月

※ほぼ40年前の話です。現在の話ではありません。そのことにご留意いただきたいです。聴覚障害児に対する教育方法,聴覚障害者を取り巻く社会は常にアップデート、いい形に…

nazuna
2年前
16

■#1 聴覚障害と診断された日のこと

難聴と診断されたのは、ほぼ40年前の4歳の時。 私の場合は1歳の高熱が原因で聞こえなくなったと言われています。 聴覚障害児にとっては早期発見、早期教育が鍵となる… …

nazuna
2年前
19

はじめに ◆聴覚障害の話を書きます◆

4歳から聴覚障害者です。 健聴者のコミュニティに入り、手話を使わずに生きてきましたが、 「なずなの聴こえない世界を知りたい、どんな風に聞こえてるの?」「聞いてはい…

nazuna
2年前
12
★#3  なずなの2021年で幸せだったこと

★#3 なずなの2021年で幸せだったこと

なずなの過去■も、なずなの現在★もそれぞれに書いていますが、それをすっ飛ばして今年幸せだったことをここに書いて、2021年最後の投稿にしようと思いました。

コロナ禍になって2年近く。マスク必須になって読唇が出来なくなりました。8割読唇、2割が身体に受け取るみなさんの声だった私。 マスクで口元を隠され読唇ができなくなり、2割の声をマスクは遮断しています。
コロナ禍は私から会話手段を失くしました。

もっとみる
★#2 なずなが普段している読唇のお話

★#2 なずなが普段している読唇のお話

TwitterのDMに質問を寄せてくださり、ひとつ前の記事にて、質問の回答を書かせていただきました。
読唇メインというが、想像つかないから教えて というふたつめの質問に、今日はお答えしたいと思います。

早いもので、もう6年ほど前の話。
次男が幼稚園に入園して、慣れてきたころ。
同じバス停に、次男の同級生で女の子がいました。今でもその女の子のお母さんと、よいお付き合いをさせていただいています。

もっとみる
★#1 なずなの今  発音と対話について

★#1 なずなの今 発音と対話について

タイトルに★マークがあるのは、現在の話です。■マークは過去のなずなのことを書いているとご理解ください。

Twitterでも同じ名前、なずなで。そのTwitterでは現時点のなずなが思ったことを書いています。noteのなずなは、まだ幼児期の話です。なかなか現在に追いつきません。
(noteで私のことを知った方で、Twitterなずなを知りたいと思われましたら、@nazuna12231へ。見に来てく

もっとみる
■#5 なずなが、日本語を身につけるまで

■#5 なずなが、日本語を身につけるまで

声を出して話す、“発話”は、母と発話練習を毎日やって身につけていきました。

絵カード、表に絵、裏にひらがなが書いてある、言葉カードを通じて、物には名前があることを理解していくのです。母が発する言葉を真似していきます。正しい発音ができるまで何回も繰り返します。
母は冷蔵庫の扉の前に「れいぞうこ」、牛乳パックには「ぎゅうにゅう」などと書かれた紙を貼っていました。家の中の物という「物」には、たいてい単

もっとみる
■#4 なずなにとっての日本語とは

■#4 なずなにとっての日本語とは

健聴者のみなさんは、自分の生まれ育った国の言語を、そのまま母国語としか疑問を持たない、もしくは深く意識しないかと思います。

私にとって日本語はあくまでも「意識的に覚えた」もので、勉強して必死になって獲得した言語です。胸を張って母国語、と言えません。
「母親(養育者)が国の言葉を語って」自然に入ってきた言語こそが、母国語と、私に映ります。5歳近くまで無音の世界にいた私には、「母国語はない」です。そ

もっとみる
■#3 なずな、言語聴覚士さんに出会う

■#3 なずな、言語聴覚士さんに出会う

物には名前があり、人と話し合うために会話がある、お互いの気持ちや考えを理解しあうために、言葉がある。それぞれの経験や知識をシェアしあい、一緒に生きるために時間を共有する。相手を好きになれば、なおさら相手を知りたくて、目と目を合わせ、ことばを使って語り合う。

人として生きていくために、「ことば」は必要でしょう。

健聴者は生まれた時から両親の優しい語りかけで、自然に言葉を覚えていく。聴こえなかっ

もっとみる
■#2 補聴器をつけ始めて なずな 4歳8か月

■#2 補聴器をつけ始めて なずな 4歳8か月

※ほぼ40年前の話です。現在の話ではありません。そのことにご留意いただきたいです。聴覚障害児に対する教育方法,聴覚障害者を取り巻く社会は常にアップデート、いい形に変わってきています。

1歳から言語訓練を受けていた子は、就学するまで5年あります。5000語の到達は可能かもしれません。

診断されたのが遅かった私。4歳8か月で、たったの10語未満。パパ、ママ、ない(いらないの意味)うん(わかったの意

もっとみる
■#1 聴覚障害と診断された日のこと

■#1 聴覚障害と診断された日のこと

難聴と診断されたのは、ほぼ40年前の4歳の時。

私の場合は1歳の高熱が原因で聞こえなくなったと言われています。

聴覚障害児にとっては早期発見、早期教育が鍵となる…
言語を獲得する大事な時期、すなわち幼児期に音が聴こえてないと、語彙力が増えません。早めに診断されていれば、言葉を覚える勉強を始める=言語訓練を受けることができるのです。

私が4年近くも難聴と分からなかったのは、医師に見せても、「こ

もっとみる
はじめに ◆聴覚障害の話を書きます◆

はじめに ◆聴覚障害の話を書きます◆

4歳から聴覚障害者です。

健聴者のコミュニティに入り、手話を使わずに生きてきましたが、
「なずなの聴こえない世界を知りたい、どんな風に聞こえてるの?」「聞いてはいけないと思ってた」という優しい人たちにたくさん出会いました。

3児の母となりましたが、
健聴者の子どもを育てることは、私が育ってきたプロセスと違い、聴こえる世界を擬似体験することでもありました。

聴覚障害から見た世界を伝えたい。

もっとみる