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フランス就職活動③〜面接体験記〜
フランスで得た最初の面接の機会は、中国人経営の日本食レストランでした。
あちこち履歴書を配り歩いていた中の一つで、電話をもらった翌日に面接へ行きました。
お店に行くと少し待っていてと言われたので、適当なテーブル席に座って待っていました。
しばらくするとオーナーらしき男性が来たので、ボンジュールと挨拶したのですが、なぜか鋭い目つきでにらまれ、そのままシカトでバックルームに消えていきました。
その後、奥様と思われる女性と息子さんが出てきて、面接という名の「立ち話」を5分ほど。
質問は、
「学生?」
「ワインは開けられる?」
「いつから働ける?」
の3つのみ。
最後に、明日の夜トライアルしてみる?と提案されましたが、この時すでに私の心が「無理。」と言っていたので、
「ごめんなさい、昼しか働けないんです。」
と、半分ウソ、半分ホントのことを言って、それなら残念だけどと、不採用にしてもらい店を後にしました。
虫の居所が悪かったのか何か知りませんが、あんな冷たい目で、平気でシカトを決め込むような奴には雇われたくないです。
それから、息子さんしかフランス語を話せない様子だったのも、意思疎通に問題が出そうだと思い、こちらから身を引いた理由になりました。
その次に得た面接のチャンスは、PRIMARK(仏:プリマーク)というアイルランド発のファストファッションチェーン店でした。
この面接はとても健全で、約30分の間にお互いの事をたくさん知れた有意義な時間でした。
聞かれた中で覚えている質問は、以下の通りです。
自己紹介して
履歴書の職務経験について簡単な質問
お店について知っていること
勤務数日でまだお店の事がよくわかっていないときにお客さんに質問されたらどう対応する?
開店10分前に持ち場の準備が完了していない同僚がいたらどうする?
クレームを言ってくるお客さんにどう対応する?
理想の上司像は?
長所と短所
昔の上司に近況を伝えるとしたらなんと言いたい?
10点満点で自分に点数をつけて、その理由は?
この面接は何回目?他に応募してる企業は?
逆質問
日本でもよく聞かれる定番の質問から、即戦力重視のフランスらしい実践的な質問まで、グイグイ聞かれました。
事前に回答を準備していたものに関してはスラスラと答えられましたが、変化球な質問には言葉が詰まってしまい、「ちょっと考えるのに10秒ください」とか、「それってこういう意味ですか?」とかってお願いや確認をしてから、回答させてもらいました。全然嫌な顔はされず、外国語なんだから当前だよとまで言ってくださる親切な面接官でした。
私は「これを極めたい!」とか「この業界で働きたい!」という、仕事に対する強い意志がないタイプで、これまでアルバイトとしても正社員としてもわりと色々な職業を転々としてきました。
それゆえ、何でも手広くこなせることは長所ですが、専門分野と言えるものがないのは正直コンプレックスでした。
でも面接対策で自己分析をする中で、私の今までの転職にも一応筋は通っていたこと、これまでの選択や経験は間違いではなかったんだと、少しだけ自分のキャリアを肯定することができた気がします。
特にお洋服屋さんの面接では、力尽きるまで働いた前職店長としての経験がとても評価してもらえて、頑張ってよかったと心から思えました。
そして無事、面接後の帰り道に電話をもらい、内定を頂くことができました。
がしかし、私が当時ベルギーの銀行口座しか持っておらずフランスの口座がなかったことが原因で、後日内定が取り消しになってしまいました。。
入社書類の提出に土日含めて3日しかくれなかったので、手の施しようがありませんでした。
(そっちの仕事は遅いのにこっちには早くしろって要求してくる、フランスあるある)
同じEUの銀行だから気にしてなかったけど、銀行の所在地で断られることなんてあるんだなあと、夫もびっくり。
確かな手ごたえがあっただけにショックは大きかったですが、今となってはいい思い出です。
とても良い勉強になりました。
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