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なんとかなるし、なんとかする

 介護福祉士として、障がいと呼ばれるものをお持ちの方とかかわるようになってから、もうどれだけ経つだろう。

 通所施設の現場において、人手不足はよく起こり得ること。だと、思う。

 厳密に人が足りない中で、支援やかかわることよりも、回すことに注力してしまう、というより回さざるを得なくなってしまう、状況がある。

 それにどことなく疑問を感じ、疑問は不満にまで転嫁してしまうものであるけれど、それに慣れて麻痺してしまうのはもっと怖い。

 時間がなくても、少しでも、支援やかかわることに取り組みたい。という気持ちがなければ、それは叶わないことだと思う。

 ただ、食べて、飲んで、トイレに来ているだけではない。

 生活の流れを形作ることはもちろん大事だし、その土台がなければ支援にはつながらない。そこから何ができるのか、それが支援だと、私は思う。

 二年目くらいであろうか、まさしく私の疑問が不満にまで転嫁してしまっているとき、ある看護師に言われたことのひとつに、

 どんな状況でも、意外となんとかなるし、なんとかする。少なくとも私は、そうしてしまう。

 なんとかなるし、なんとかする。

 その言葉は、結局回すことなのでは? なんて思ったけれど、何となくーーきっとその人柄もあってーー腑に落ちたものだった。

 その言葉の本質にはきっと、慌てることはない、もあるだろうし、なんとかなるしなんとかするなら、多少なりとも時間をとって支援もできる、という意味もこめられているだろう。実際に、大変なことには変わりないのだけれど。

 その気持ちだけ、意識だけでも、そう思っているだけで、ずいぶん楽になった。

 もちろん、あの人はそんなことまで考えていないと思うし、自然にそれができてしまうからこそ、とても尊敬できる。なんて、本人には言えないけれど。

 なんとかなるし、なんとかする。

 それは今でも、大変な状況になったとしても、その言葉を思い返しながら、前に進める、私の心に残る言葉のひとつ。

 そんな言葉を、また、残していこう。

いつも、ありがとうございます。 何か少しでも、感じるものがありましたら幸いです。