見出し画像

英語講師の母が中1の息子に伝授する「シンプルで究極の英語学習法」

はじめまして。英語・日本語講師のなるみんです。この記事は、中1はもちろん、小学高学年~大人まで、「初めて英語を学習する」もしくは「初めて本気で英語を学習する」みなさんにむけての道案内です。

【この記事のゴール】
・英語学習のイメージがもてる
・毎日のトレーニング方法(初級)がわかる

英語学習は登山と同じで、地図を持たずにやみくもにスタートすると、迷子になる可能性が高いです。時間をかけた分、がんばった分、自分の目標に向かって、着実に登っていってほしいな、と心から思います。


0章 きっかけ

私の息子は中1です。諸事情で不登校に。地元の中学の授業をオンラインで受けています。学校に一日も行かないまま中間テストに突入しそうで、不安がよぎりました。でも、考え直しました。

「学校に行っても行かなくても、ゆるぎない英語力をつければ未来はひらける」(もちろん、英語力だけで足りないことは承知しています)

そのとき、英語学習を始めたばかりの息子に、「シンプルで究極の英語学習法」を伝授することを思いつきました。やっと中学のオンライン授業に慣れ、勉強に前向きな息子。親が自分の子どもに教えると、感情が入りがちですが、背に腹はかえられない。話してみると、本人から「やる」との返事。そこで、話す内容をまとめることに。

ここに書いてあることは、目新しいことではないと思います。中1の息子に分かりやすいように、これから実践してもらいやすいように、話しをしたいと思います。今までの英語・日本語指導経験と、アメリカの大学院で学んだ英語教授法の知識とスキルがもとになっています。

ぜひ、私から息子への問いかけに、ご自分で答えを思いうかべてください。それから、次に読み進んでくださいね。お子様とご一緒の場合も、同じように読み進めていただけたらと思います。

1章 マインドセットについて


「そもそも、なぜ、英語を勉強したいのですか?」
「英語を勉強をすると、どんないいことがありますか?」


1分間測るので、自分で考えます。少なくとも3つは考えてみましょう。

(ストップウォッチで1分計測)

はい、自分で考えたことを教えてください。
いろいろありますね。
・英語で話ができる
・英語が話せたら海外で生きていける
・海外旅行で便利

他にも、先生(お母さん)は英語ができてよかったことがあります。
・留学先で先生の話がよく分かって、授業についていけた
・海外に友達ができた
・言葉のことで不安がなく、海外旅行にいける
・海外で急病や緊急事態になっても落ちついて行動できる
・英語で情報をとれる
・海外に向けて情報発信できる
・仕事で採用されやすくなる
・海外の人を相手にビジネスができる

ところで、
「現在、地球上に何人住んでいるでしょう?」

2021年の世界人口は78億7500万人です。想像できますか?

「日本の人口は知っていますか?」

日本の人口は2021年に1億2千500百万人です。何倍かな?
地球上には、日本の人口の約62倍の人が住んでいるんだね。

では、
「約78億のうち、英語ができたら、どのくらいの人とコミュニケーションがとれるでしょう?」

答えは、約20億です。
つまり、英語ができると全世界の約4人に1人とコミュニケーションできます。日本語だけだと、約60人に1人とコミュニケーションをとることになります。

さて、ここでもう一度、
「英語を勉強すると、どんないいことがありますか?」

2章 外国語を学ぶうえで知っておきたいこと

数学や理科、社会を勉強するのと、英語を勉強するのは、勉強方法がことなります。今まで意識していましたか?

英語はズバリ言葉です。外国語です。
外国語を身につけたいときに知っておきたいことがあります。
それは、言葉にはルールがあることです。

言葉のルールと言われて、どんなルールがあるか言えますか?
理人くんはどんなスポーツが好きですか?

日本語:(ぼくは)ラグビーが好きです。

英語: I like rugby.

まず、言葉の順番をみてみましょう。
最初にどんな言葉がきていますか?
同じ意味の日本語と英語ですが、言葉の順番は同じですか?

同じところは、「誰が」にあたる主語が文の最初にきていますね。
日本語は、主語が分かりきっていたら、省略することが多いのです。

違うところは、「ラグビーが」と「好き」の言葉が出てくる順番ですね。
日本語は「好き」という「動詞の前」に「目的語」がきます。
英語は「動詞の後ろ」に「目的語」がきます。

ポイント①
言語によって、言葉(単語)が出てくる順番がちがう
↓↓↓
「言葉が出てくる順番」と「言葉のつなぎかたのルール」
を覚える必要がある
※このルールを「英文法」といいます

「英文法」については、学校の先生の説明をよく聞いて、自分で説明できるようになりましょう。英文法を自分で説明できないときは、ちゃんと理解できていないものです。授業後でもいいので、先生に質問にいきましょう。(←超重要です!)

実はもう一つ、外国語を学ぶうえで知っておきたいルールがあります。
それは、何でしょうか。

では、次の英文を読んでみてください。
We went to Takeda Castle last week.

英語を学び始めてまもない理人くんが、いきなり「読め!」と言われても困りますね。何が分かっていたら読めますか?

はい、ひとつひとつの単語の読み方です。外国語を学ぶときは、「読み方」つまり「書かれている文字」が「どのような音になるのか」を分かっている必要があります。

ポイント②:
言語によって、使われている文字と読み方が違う
↓↓↓
使われている文字を知り、「読み方のルール」を知る必要がある
(このルールを英語ではフォニックスといいます)

ちなみに、先生はフォニックスを習ったことはありません。
代わりに「発音記号」というものを、英語塾の先生に小6の最初に教えてもらって1ヵ月くらいで完全マスターしました。

ここで、辞書を開いてみましょうか。じゃあ、好きなスポーツ、Rugbyを調べてみてください。そこに【rʌ'gbi】と書いてありますね。それが発音記号、発音する、声に出すときの音です。発音記号はInternatilanal Phonetic Alphabets (IPA)と言われていて、世界共通の音声ルールです。一度、発音記号をマスターすると、他の外国語を学ぶときにも使えますよ。

いずれにせよ、読み方のルールを知ることが大切です。

とはいえ、次のような悩みがあるかもしれません。
・「フォニックス」や「発音記号」を教えてくれる人が身近にいない
・一度「フォニックス」を教えてもらっても、自分で使えるレベルに簡単になれない

でも、大丈夫!そこは、3章の学習の進め方でお話ししますね。

さて、ここでもう一度、
「外国語を学ぶときに、知る必要がある2つルールは何ですか?」

3章 力がつく英語学習の進め方

1)正しく読めるようになる

では、中学校で使い始めた英語の教科書を出しましょう。
教科書〇〇ページを自分で読んでみてください。

はい、がんばって読んでくれましたね。小学校のときに、アルファベットの大文字と小文字はマスターできているので、わけが分からない、という感じではなさそうです。すばらしいです。

今読んだ教科書の本文の横に、<New Words>と書いてあります。どういう意味か分かりますか?

「新しい単語」という意味ですね。

文というのは、単語のあつまりです。
つまり、「最小単位の単語を1つずつ正確に読める」ことは、英語学習する上で超重要です。単語が正しく読めない人は、英文を正しく読めません正しく英語を話せません。なので、授業中はよく聞いて、読み方が分からない単語がなくなるように、意識しましょう。

最近は、本屋で買うテキストには音源(音声)がついていて、音を聞きながら学習できるタイプが増えました。学校の教科書は、教室で先生と一緒に勉強するために作られていて、音源はついていません。まずは授業をよく聞いて、自分で読めない単語をなくすぞ!と心がけましょう。

とはいえ、「単語全部は無理~」と思うかもしれませんね。そんなときは、電子辞書かネットで単語を調べると音が流れますよ。

2)正しく書けるようになる

単語ひとつひとつが正しく読めるようになったら、それを正しく書けるようになる必要があります。

みなさんの国語の授業を思い出してみてください。
読んで、書いて、自分の考えをクラスのみんなに発表していませんか?最終的には、英語を使って、読んで、書いて、自分の考えを人に伝えられるようになる。それは英語ができるようになる、ということですね。

正しく書けるようになるために、これから中間テストにむけてどんな勉強をするつもりですか?

最強の勉強方法は「声に出しながら実際に手を動かして書く」ことです。
これは脳科学、脳の仕組みを考えても納得できる方法です。
なるべくたくさん五感を使うことで記憶に残りやすくなります
五感って何か知っていますか?

一般的には、視覚(見る)、聴覚(聞く)、触覚(触る)、味覚(味わう)、嗅覚(におう)を五感といいます。

英語の勉強でいうと、
・目で見る(目をつかう)
・声に出す(口をつかう)
・自分が出した音を聞く(耳をつかう)
・手で紙に書く(手をつかう)
を同時に行うので、脳がちゃんと記憶してくれます。
英語が得意な人は、すでに自分でやっているかもしれませんね。

初めて新しい単語に出会ったときに、「正しいスペル(つづり)」「正しい意味」「正しい音」を3つセットで自分のものにしていきましょう。声に出して書いていきながら。その中で、自分でフォニックスのルールに気づくこともありますよ。

3)繰り返し練習で、すぐに反応できるようになる

ところで、「英語ができる」というのはどういう状態でしょう?
英語は言葉です。言葉は、母国語の日本語と同じように、自由に使えるようになりたいですね。また、テストで高得点を取りたいですね。
そのために大切なことは何でしょうか?

それはズバリ、
「すぐに反応できるようになる(=英語の反応速度を上げる)」ことです。

そのための勉強方法はいたってシンプル。

①「単語」にすぐに反応できるようになる

自分で単語ノートを作りましょう。この習慣を最初に作っておくと、着実に英語力を積み上げていけます。

◎単語ノートを作成
・新しい単語が出てきたら、もれが無いようにノートに書く
英単語+意味(できれば品詞も)
   ↓↓
◎ひたすら書く
・自分で声に出しながら、いらない紙にたくさん書く
   ↓↓↓
◎最終チェック
・ノートの意味(日本語)を隠して、英語を見てさっと意味が言える
・ノートの英語を隠して、意味(日本語)を見てさっと英単語が書ける

ここで、一つだけお伝えしておきたい、英語の音のルールがあります。それは、英単語には一か所だけ、強く発音する箇所(母音)があります。アクセントと言います。(「母音」は、日本語の「あ・い・う・え・お」に近い音です)単語の音を確認するときに、アクセントも一緒に確認して、意識して発音するようにしましょう。アクセントが正しいと、会話で相手に正しく伝わる率がぐっと上がりますよ!

②「英文」にすぐに反応できるようになる

次に、単語とは別のノートを用意して、自分で英文ノートを作りましょう。

◎英文ノートを作成
・教科書の本文をノートに書く
 ※ノートの見開きを使う
  (左ページ)英文   |( 右ページ)日本語
(左ページ)I like Rugby.|(右ページ)私はラグビーが好きです。
   ↓↓
◎ひたすら書く
・自分で声に出しながら、いらない紙にたくさん書く
   ↓↓↓
◎最終チェック
・ノートの日本語(右ページ)を隠し、英語(左ページ)を見て日本語がさっと言える
・ノートの英語(左ページ)を隠し、日本語(右ページ)を見て英文が書ける

③ 仕上げにひたすら音読する

音読は外国語学習にとって超重要です。仕上げとして、教科書の同じページを毎日5回くらいは音読しましょう。暗唱レベルになるくらいを目指します。教科書や参考書の英語を音読することで、「英文法」と「英単語」が自分にしみついていきます。

また、音読の効果として、正しく読める音は、耳がキャッチできるようになるので、リスニング力も同時に上がります。音読をどこまで本気に取り組めるかで、1か月後、半年後、1年後の英語力が大きく変わってきますよ。


さて、ここでもう一度、
「力がつく英語学習の進め方で、3つのポイントは何ですか?」

4章 まとめ

ここまで、かなりのボリュームになりましたが、最後までがんばって読んで(聞いて)くれましたね。

中1のみなさんは本格的な英語学習のスタート地点についたばかり。
私は普段、日本人に英語を、外国人に日本語を教えています。
今回お伝えした内容は、どの外国語を勉強するにも役に立つ方法です。

1章 マインドセットについて
⇒ なぜ英語を学ぶか納得する
2章 外国語を学ぶうえで知っておきたいこと 
⇒ 中学校の勉強科目の一つ「英語」の「言葉」という特徴を知っておく
3章 力がつく学習方法の進め方
⇒ 具体的な勉強方法を知る

一度読んだり、聞いたりするだけで頭に残っていないところは、もう一度戻って確認してくださいね。

ぜひ、みなさんにお伝えした内容を、今日からの英語学習に取り入れて、定期テストや入試、その他の英語試験で高得点をとってください。
みんなの夢・目標が実現することを、心より願っています!!

※世界人口:国連人口基金(UNFPA) 世界人口白書2021
※日本人口:総務省統計局ホームページ
※英語話者数:ウィキペディア en.wikipedia.org/wiki/English_language

最後に著書のご紹介

さらに詳しく「英語学習法」や「英検」について知りたい方は、本にまとめましたので、ぜひ読んで頂ければと思います。目次を見て購入するかどうかご判断くださいね。

※下の購入ボタンを押しても、即購入にはなりません。Amazonの本書の販売ページに飛んで、「目次」や「内容紹介」をご覧いただけます。(ご安心ください)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?