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目から鱗



旦那の両親の実家は、アルジェリア寄りにある。

スターウォーズの撮影地でもあった。

その、草も生えない土漠の山道をかなり四駆で駆け巡る。

その先にぽつん、と手づくりの家があり、女5人、たくましく生きていた。

初めて連れてこられた時、衝撃を受けた。

こんににもないところに女性だけで??

祖母や叔母たち5人。

ブタンガスをロバの背に乗せて運びながらガスを使い、調理をする。
重いものを買いに行くときは何時間もロバを引いて歩く。しかも灼熱の道を、だ。

立ち寄る場所などどこにもない。人も見かけない。

まさに、人がいないかのようだ。

実際にはいるのだけど、外にあまり出ないのだ。飼っている山羊や羊、鶏など家畜のお世話や家仕事くらいでしか外に出ることはない。用事もないからだ。

でも、このヤギとの体育的やりとり。

すごいと思った。
かなりの衝撃だった。

昔体育でやった、ペアの相手の曲げた腰を跳び箱代わりにするというもの。

これをなんと、ヤギと、、!

なんたる衝撃。
そしてヤギも、叔母さんのおしりに頭突き。

愛ある頭突き。

人と動物の共存の結果なのかーーー。

ダンナはニヤニヤしてみていた。

果たしてこの家族の中に入っていけるのだろうか?

異質な自分を感じ、やっていけるのかの不安しか、このときはなかった。

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