『経営者目線ってナニ?』キュービック歴10年の私が社長と会話してないけど会話した風にユルく書いてみる
こんにちは。西新宿にあるデジタルマーケの会社『キュービック(CUEBiC)』でPRを担当しています、なおきょんです。父と母のハーフ、日本語は日常会話レベルです。
キュービックには2013年12月に9人目の社員として入社し、気付けば在籍まる10年!
社長の世一とは多くの時を共にしてきたので、とうとう私は風を読むかのように、指ひとつで世一の言わんとすることを300%読める超能力を身につけました。
というのはさすがに嘘ですが、(世一が日頃からいろんな情報をオープンにしていることもあって)私の脳内で再現度7-8割の“エア世一”と会話するくらいなら朝飯前を通過して晩飯前。
▼ちなみに世一はこんなひと
ということで気まぐれにエア世一と脳内ユル対談などして過ごしています。
さて、今回はビジネスパーソンなら一度や二度は「持ってみなはれ」と推された経験があるであろう『経営者目線』。これについてお話ししてみたいと思います。
「いでよ!エア世一!」 キュッキュッ
※以下内容は、自然知能(=生身の人間)『チャチャっとなおきょん』の生成によるもので、マジ世一(=本物)が各所で話していた情報を元になおきょんが対談風にまとめ直したものです。なおきょんは発達途上なので、エア世一の精度の甘さはご容赦ください。マジ世一からの異論反論補足などがあれば、後日追記を検討します。
エア世一:お呼びかね?
なお:エア世一さん、お疲れっす!どうも、なおきょん(意識高め)です。
エア世一:知ってます。(意識高め)とは感じたことなかったけども
「経営者目線を持とう!」は、経営者のエゴ?
なお:いやいや。PRパーソンたるもの、経営者目線を養わねばと思っておりましてね。でもいったいそれってなんなのよ?どう養えばいいのよ?と。
私は経営者したことないんで、その目線がなんたるかはやはり経営者にしかわからんっちゅうことで本日はお呼びしました。
エア世一:へー!社外のビジネスパーソンから聞かれることは多いけど、社内のメンバーから聞かれる問いとしては珍しめ!
なお:あら意外
エア世一:理由はおそらく、僕が「経営者目線」という言葉自体を社内でほとんど発しないからだと思うけどね。
なお:たしかに!そう言われると「経営者目線で働きましょう」「経営者の立場に立って考えましょう」みたいなフレーズ、世一さんの口から聞いたことないかも。
どうして世一さんは「経営者目線を持とう!」と私たちに呼びかけないんです?「従業員たる者経営者目線を持つべからず」とかなんとか思ってます?
エア世一:いーんや、それはまったく。
なお:そうくると思いました。
エア世一:僕は働くみんなにも経営者目線はダンゼンあった方がいいと思う派。
なお:やっぱり
エア世一:だけど、経営者が「経営者目線を持って!」と従業員に対して言い放つことには強烈な違和感を抱く派。
なお:というと?
エア世一:だって、それはただの経営者のエゴじゃない?
なお:はて?
エア世一:なおきょんは「経営者目線持って!」と僕がお願いしたら経営者目線を持てそう?
なお:ええ、がんばりますよ!持ちたいですよ!
……しかし、実際には私の努力“だけ”ではどうにもならない感じもして、もどかしさが残りますかね。ぐぬぬ
エア世一:でしょ?そのもどかしさって、もう少し言語化してみるとどんなものかな?
なお:そうですねぇ……結局、経営者目線って「経営者の目線」なわけですよね?
さっきと同じことを繰り返してしまいますが、その目線がなんたるかはやはり経営者にしかわからん、いや「わからん」は言い過ぎとしても経営者が一番よくわかっているという気がするんです。
もちろん従業員の私からもその視界を取りにいくよう最大限努めますし、見えないものを見ようとして望遠鏡を覗き込みますけど、同じように経営者からもその景色を見せようとがんばっていただけないと見えないものは見えないですOh Yeah アハァ!って思ってしまいます。
エア世一:そうだよね。
経営者と従業員の視界を合わせるには、双方で汗をかかなくちゃというのが僕の意見。「経営者目線を持とう!」と呼びかけたところで何も解決しないじゃない。
本当に従業員に経営者目線を持ってほしいと望むのなら、経営者がすべきは「積極的な情報開示」と「開示した情報を受け手がちゃんと扱えるためのリテラシー教育の推進」だと思うんだ。
なお:なーるほど。だから世一さんは「経営者目線を持とう」と私たちへ呼びかけない代わりに、会社のあらゆる情報とそれを読み解くリテラシーをセットで所有することを目的とした場をたくさん用意してくださっているわけですね。
1週間/1ヶ月/3ヶ月/半年ごとの濃厚な全社ミーティングを実施するとか、週末も誰でも1on1できるようにしておくとか、経営会議をオープンにして出入り自由にするとかとかとか
エア世一:うん。まだまだなのはよくわかっているけれど、そういう気持ちで取り組んでる。
働くみんなが経営者目線を持てていないのだとしたら、それは経営者側のアクションにまだまだ伸び代があるということでもあって、僕に特大ブーメランとして返ってくると考えているので日々必死。(苦笑)
なお:なんかすいません&感謝とリスペクトが果てしない!
エア世一:お気になさらず。あ、あともう1ついいかな。
なお:もちろん。
エア世一:従業員が経営者目線を持つことと同じくらい、僕は経営者が従業員目線・現場目線を持つことも大事だろうと思うんだよね。今日、明日、明後日、今週、今月という短期の目線で仕事をやりきることの難しさや尊さがあって、そこへ向かう力の総量こそが会社の実力じゃないのかなって。
全員が経営者目線で「う〜ん。」となるばかりでなく、ここぞというときには全員が現場目線で「うおおお!」となれる、そういう切り替えのできる会社は強いと感じるんだ。
なお:たしかにそういう会社はとっても強そう。企業成長においては「経営」と「執行」、いずれも欠かせないですもんね。
ここを経営者も従業員も、立場関係なく全員で行き来できる会社を目指したいものです!
エア世一:そうだね!
で、「経営者目線」ってナニ?
なお:前置きがずいぶん長くなりましたが、改めまして経営者目線を養いたい私です。
なぜならそのほうが圧倒的に仕事は楽しい!そして自分のキャリアにとってもプラスになるに違いない!
エア世一:よき!
なお:ほいで、つまるところ「経営者目線」ってなんなんでしょう?
エア世一:「経営者目線」と呼ばれるものの内訳は、大きく3軸あるんじゃないかと考えている。
1つ目は、「全体」で見ること。2つ目は、「長期」で見ること。3つ目は、「数字」で見ること。
なお:それぞれどんなことを指してますか?
エア世一:1つ目の「全体」で見ることは、要するに、個人や所属チームの単位ではなく、全社という単位で考えることだね。
例えば、「この取り組みは未来に向けた投資としてすごく大事なものです!3000万円お願いします!」という提案が現場から上がってきたとする。多くの場合、 その施策に「3000万円の価値があるか」については提案者は当然考えてくれている。
でも、そこで「3000万円あったら他のところに割いた方がいいんじゃないか」というように考えるのが経営の目線。「Aの施策に3000万円を充てるのであれば、その3000万円はBやCの施策に1500万円ずつ充てる方が全体としてはいいよな」みたいにね。
なお:お。これは経営と言わずとも、リーダーやマネージャーなどの役職者であれば、自分の管掌領域でそのリソースをどう振り分けるかと自然に考えていそう。つまりこの営みを全社の単位で行うということですね。
部署がabcと3つあったら、aだけに3000万円入れるかどうかというよりは、3000万円をabcのどこにどう振り分けるかを考えると。
エア世一:うん。今のはちょっとカネに寄った例だったけど、ヒト・モノ・カネっていうメジャーなフレームワークがあるじゃない?これらを同時に考えるっていうのが大事な観点かな。
意思決定の際には、お金がいくらかかるかとか、人がどれぐらい割かれるかとか、それによって止まる別の施策はあるのかとか、自分たちにそれを成せる力量はあるのかとか、それより他で先にやるべきことがあるんじゃないかとか、いろんなことを考える。
少なくともヒト・モノ・カネの3つ、欲を言えば技術・情報・時間まで含めた6つの経営資源をどう生かすかを網羅的に検討したい。カネはここから、モノはここから、ヒトはここから引っ張ればができるよね、というように。
こういう思考が、「全体」で見るということだね。
なお:わかりました。続いて2つ目はどうですか?
エア世一:2つ目の「長期」で見ることは、点ではなく線で捉えようということ。時間軸を引き伸ばして、過去、現在、未来を繋げて考える。
例えば、「この取り組みは直近の状況だけみて考えると素晴らしい。でも、 来年、再来年、僕らが目指す先から逆算して考えると、むしろダメージになるんじゃないか」「今そこに集中するよりも、こっちに集中した方が将来的にはリターンが大きくなるんじゃないか」と、そうやって未来から逆算する。
逆に過去へ目を向けることも同様に大切だね。「こんな取り組みをしよう!」となったときに、以前行ったときはどうだったのかを振り返る。当時はこういう理由でうまくいった/いかなかった、今回との共通項/差分はここにある、だから今回はうまくいく/長期で考えたらこんなメリットがある、というように。
こういうのは、点というよりも線で考えられている感じがするね。
なお:ほうほう。ありがとうございます。では、3つ目の「数字」で見ることは?といっても、これはそのままか
エア世一:だな!読んで字の如く。「数字」で見る。定性でふわっとではなく、定量でかちっと捉える。
経営には主観的ではなく、客観的で合理性のある判断が求められるからね。さまざまなステークホルダーとコミュニケーションする上で共通言語となるという意味でも「数字」は欠かせない。
なお:そうかそうか。この3つの目で見ることが、経営目線を持つことに繋がるわけですね。理解です!
今すぐデキる!「経営者目線」を養うための6つの方法
なお:だけど、実際にこの経営者目線を養うにはどうしたらいいんでしょう?養い方のポイント、オススメの鍛え方みたいなのがあれば、もうちょい聞けたら嬉しいかも。
エア世一:そうだな。簡単なところでいくと、「数字で捉えて、数字で話す」を癖づける。なんとなくで語らないこと。
後者は、正確に状況を捉えやすい。「今月に入って4回目でも、先月それ12回あったから、突然今月増えたわけじゃないね」みたいな相対比較も可能になる。すると感覚や感情に頼らない合理的な意思決定を促せる。
些細なことだけど、常に定量で語る癖をつければ、着実にビジネス感覚は磨かれるはずだよ。
なお:メモメモ。他には?
エア世一:「数字」や「全体」という意味では「コスト感覚を持つ」。
コストを遡れば、もとは顧客からの対価だよね。それをどう使うかが企業の成長に直結する。
超小さいところで言えば、紙をどう使うかとか、電気をつけたり消したりとかもそうだし、福利厚生とかもそう。会社にどれだけのコストがかかっているかということへ、常にアンテナをはる。
なお:なるほどなるほど。たしかに朝早く出社すると、世一さん真っ暗な社長室でひとり黙々と仕事してるもんなあ。そういうことなんでしょうね。
エア世一:そう言われると超やりづらい&ミスリードありそうで困るw し、それはただの僕のうっかりの側面が大きいので忘れていい!
なお:サーセン!よいこは明るい部屋で仕事しましょう。
エア世一:ええ、そうしましょう。とにかくそのお金の使い方は消費か、浪費か、投資かと問いながら、お金を使うことへの感度を高めていくといいわ。そんなに難しくないし、すぐに始められることなのでオススメよ。
なお:了解です!まだあります?
エア世一:あるある。あと4つくらい出せそう!
なお:おお!ではどんどんお願いします!
エア世一:3つ目は、「他部署や他者への感謝とリスペクトを忘れない」。
他部署や他の人の業務内容を知り、無条件にリスペクトする。彼らがいるからこそ自分たちの業務が成り立っていることを意識しながら働く。
自分の意見を主張することは大切だけど、それだけでは仕事は前進しないよね。大きな仕事を遂行するためには多くの人を巻き込む必要がある。
他部署や他者と意見交換をしつつ、業務理解を深め、感謝とリスペクトを送り合いながら、共に目標に向かうことをオススメしたい。
なお:大事。改めて肝に銘じますね。続く4つ目は?
エア世一:「長期的な視点で振り返る時間を持つ」。日々の振り返りだけでなく、1ヶ月、3ヶ月、半年単位で過去をみつめるといい。
逆にその振り返りと併せて、1ヶ月、3ヶ月、半年単位、場合によってもう少し長めの時間軸で、未来に思いを馳せる。長いスパンで思考する時間を定期イベント化しちゃうのがいいよ。
なお:コアデーやMS(Monthly Session)や総会など、キュービックにも定期的に中長期目線で過去と未来を思考する時間がありますが、あれも経営者目線を養うには有効ということですね。
エア世一:そうね。みんなにとってそういう時間になっていたら嬉しいかな。
なお:ありがとうございます。では、5つ目お願いします。
エア世一:「人事や広報活動に関わる」ことかな。
なお:わお!え、広報も採用も組織開発も兼務させてもらってるあたしってば超ラッキーポジションじゃないっすか!にもかかわらずその機会を活かしきれてなくてごめんなさいハイ懺悔懺悔
エア世一:うん、それは大いに懺悔してもらった上で話を戻すけど、人事や広報の担当者は会社の強みや課題、ビジョンを元に思考したり語ったりすることが求められるじゃない?
なお:そうですね。
エア世一:例えば、採用や広報の現場では「成果報酬でやるって大変じゃないですか?」「インターンたくさん抱えるのなんでですか?」などなど。
なんかもう僕らにとっては当たり前すぎて普段は考えてないような、でも「客観的に見たらそりゃ疑問だよね」みたいなことを、いっぱいいっぱいいーっぱい聞かれるんだよね。それに対して相手が理解、納得、共感できるように答えなきゃならないと。
こうしたプリミティブな質問に答えるためには、会社の根底にある軸や概念を正しく理解し、言語化する能力が必要になるから、必然的に経営の視点を持つことが求められる。育成においてもそうだね。なぜ特定の技術やスタンスが重要なのかを説明するには同様の視点が必要。
だから人事や広報の現場に積極的に関わることはオススメというわけ。
なお:くぅ〜!このチャンスをちゃんとモノにするようにします!!よっしゃ、ではラストいきましょうか。6つ目どうです?
エア世一:「ミドルレイヤーやハイレイヤーの意思決定の背景を観察する」といいかなと。
自分だったらabcの選択肢のうち迷わずaなんだけど、マネージャー今b選んだなとか、社長c推してんなとか。そういうことがよく起きたりするでしょう。「なんでやねん!」って叫びたくなるやつ。
なお:うん、めちゃくちゃある。
エア世一:そうやって自分とは異なる意思決定が発生した際、「意味わからん!」「あの人なんもわかってない!」で終わらせず、それぞれの立場の人がそう考えた理由やメリットを理解しにいってみる。その意図を知ることで、自分の視野がひらけるはず。
「観察する」っていったけど、なんなら直接聞いてみるのが一番早いね。「なんでそんな意思決定したんですか」って。
なお:よさそう。今後はもっとボード陣とっ捕まえて、鼻息荒めに問い詰めます。
エア世一:おうおう、大歓迎よ!あわせて僕らからも引き続き、Slackや日報や経営会議、週末1o1、全社ミーティングの場などを通じて、思考プロセスや意思決定プロセスを最大限開示していけるように努めるわ。
なお:助かります、感謝あああ!引き続きよろしくお願いします!
エア世一:こちらこそ!
経営者目線の内訳として今回紹介した3軸はあくまで僕の整理だから、もっと他にもあるだろうと思う。ただ、3つくらいだと覚えやすいかなと考えてこんな感じでまとめてみたのと、それに沿う形で養い方を紹介させてもらった。
もしよかったら、参考にしてみて。
なお:おっす!エア世一さん、今回もどうもでした!早速実践してみますね!8月も終わるというのに暑い日が続きます、何卒ご自愛ください。
エア世一:ありがとう!たまにこのランプ氷水につけといてくれると助かるわな!あと間違っても車の中に放置はしないで
なお:はいはーい!