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キュービック歴10年の私が社長と会話してないけど会話した風に『キュービックが上場しない理由』についてユルく書いてみる

こんにちは。西新宿にあるデジタルマーケの会社『キュービック(CUEBiC)』でPRを担当しています、なおきょんです。父と母のハーフ、日本語は日常会話レベルです。

キュービックには2013年12月に9人目の社員として入社し、気付けば在籍まる10年!

社長の世一とは多くの時を共に過ごしてきましたので、とうとう私は風を読むかのように、指ひとつで世一の言わんとすることを300%読める超能力を身につけました

というのはさすがに嘘ですが、(世一が日頃からいろんな情報をオープンにしていることもあって)私の脳内で再現度7-8割のエア世一と会話するくらいなら朝飯前を通過して晩飯前

▼ちなみに世一はこんなひと

X→https://x.com/41hide
note→https://note.com/41hide/
Facebook→https://www.facebook.com/hidehito.yoichi

ところで、そんな古参トークを他人にすると「なおきょんさん、それはさぞストックオプションもたんまりで?いいわね〜」と羨望の眼差しを注がれもします。

その度に「弊社は上場しないと決めており。ご想像とは異なる世界線で生きてますすんまへん」と返す私。すると「えー!どーして御社上場しないの?」に発展しがち。

こんなに上場しない理由を聞かれるなら「続きはwebで」と案内できるwebが欲しいし、ひょっとするとそのwebは『非上場で成長を目指す企業サンプル』としていつかの誰かのお役に立てるのかも。

てかそれ私作れそう。マジ世一(=本物)とのやりとり抜きにエア世一とのやりとりで。

ということで今回は、自慢のエア世一脳内召喚スキルを活かし、キュービック歴10年の私が社長と会話してないけど会話した風に『キュービックが上場しない理由』についてユルく書いてみます。


そもそも『キュービック』って?

エア世一召喚前に、まずは会社紹介をちょっとだけ。

キュービックは、2006年に設立した現在19期目の会社です。「インサイトに挑み、ヒトにたしかな前進を。」をミッションに、ヒト起点のマーケティング×デザインでビジネスを前進させています。

最新の18期時点では、単体で約300名、グループ全体で約500名の組織。拠点は、東京・福岡の2箇所。売上は134億円。

メイン事業は、比較サイトを中心としたデジタルメディア事業で、新しい価値を見つける比較サイト『your SELECT.』、「もっといい求人」を探す人のための転職支援サイト『ミライトーチ』などを運営しています。フィールドワークを重視したマーケティングが得意

今は会社にとって第三創業期という位置付けで、これまで私たちがメイン事業を発展させる中で培った強みを活かしながら、積極的に次の事業を生み出しているところです。

私の入社時は、インターン含めても全部で30名ほどの組織で、売上は11億円ほど。グループ会社もなければ東京以外の拠点もない。それどころか今のように整理されたミッション・ビジョン・コアバリュー・クレドもない。あったのはやる気!元気!勇気!くらい?

それを思うと、この10年でキュービックは随分と進化したものです。

キュービックは本当に上場しないのか(私が古参社員としてお金持ちになれる世界線は本当に存在しないのか)

さてと。そろそろエア世一を召喚しますか。キュッキュッ

※以下内容は、自然知能(=生身の人間)『チャチャっとなおきょん』の生成によるもので、マジ世一が各所で話していた情報を元になおきょんが対談風にまとめ直したものです。なおきょんは発達途上なので、エア世一の精度の甘さはご容赦ください。マジ世一からの異論反論補足などがあれば、後日追記を検討します。

エア世一:お呼びかね?

なお:エア世一さん、お疲れっす!どうも、なおきょんです。

エア世一:知ってます。

なお:今日は「私が古参社員なのにお金持ちになれない世界線」について伺いたく。

エア世一:……?どういうこと?

なお:みんな私がキュービックの古参と知ると「ストックオプションいっぱいだろうね、いいね」って言うんです。

エア世一:ほお。

なお:だけどそもそもキュービックは上場しないから「いいね」も何もないじゃないですか。

エア世一:うむ。

なお:食べてもないのに冷蔵庫に残しておいたプリンをこっそり食べた犯人だと姉に勘違いされて「美味しかった?どんな味だった?」って感想を聞かれてるみたいで、私なんだか悔しいです。

エア世一:なおきょんってお姉さんいたっけ?

なお:いないです。そんなことはいいんです。改めて確認ですが、キュービックは上場しないんですよね?

エア世一:そうね。

なお:なんで上場しないんです?私が古参社員としてお金持ちになれる世界線は本当に存在しないんです?

エア世一:後者はさておき「なぜキュービックは上場しない(していない)のか」か。

その問いと併せて「エクイティ調達せずやれてるのはなぜか」「上場目指さずに何をモチベにやっているのか」って、実は僕もだいぶ聞かれるよ。

なお:でしょう?だから今日はそこいらについて思うところをぜひ語ってください。

エア世一:おう。

会社が上場することのメリット・デメリット

なお:アホ丸出しで失礼します。そもそも上場のメリットってどこにあるんでしょう?

エア世一上場の大きなメリットは、資金調達、知名度や信用力の向上、ゆえの採用強化や法人営業力向上。

あと、上場を目指すモメンタムで組織がまとまったり人材を惹きつけたりする効果(定量・定性)、上場企業経営者ネットワーク、あとは創業者や投資家のイグジットあたりがよく言われるところだね。

なお:ほうほう。では、デメリットは?

エア世一デメリットとしてはまず、上場準備や維持にかかるコスト。監査やそこに向けた人材の人件費などで数千万円〜数億円。

なお:ひゃっ!

エア世一さらに説明責任アップによる機動力低下や意思決定の歪みあたりがあるかなと。

なお:機動力低下や意思決定の歪み……!

10→30→50→100→300→500人と一緒に働く仲間が増えるだけでも構成員の多様化が進んでコミュニケーションの難易度は爆上がりするし、機動力はなんもしなけりゃ自然と下がる。

ここに「株主」という立場の方々が加わるとかなりハードモードなのだろうなというのはなんとなくイメージできます。

エア世一:うん、そこをマネージしてくのって超大変。経営の打ち手が増える一方で難易度が飛躍的に上がる。

上場企業の経営者の方々は本当にスゴい。少なくとも今回の世一の人生じゃムリ、せめて3周目の人生くらいでないとそのゲームはできないね。

なお:ブラッシュアップライフ!徳積んできましょ徳!

エア世一:だな。大前提上場も非上場もどちらも当然メリデメあって、どちらが優れている劣っているとかそういう話ではない。上場というのはゴールではなく手段なので、そこは予め心得て。

なお:押忍!

▼noteさんのこちらは上場のメリデメがわかりやすい!

非上場のキュービックがここまでやってこれたワケ

なお:しかし「資金調達」という上場メリットは多くのスタートアップやベンチャーにとって魅力的に見えそうなもの。キュービックも例外ではなかろうと?

エア世一:いや、それが例外なのだ。キュービックの成長を牽引してきたデジタルメディア事業はもともと大きな資金が必要なビジネスではなかったからね。ゆえにその上場メリットは、うちにとってはそうでもなくて。

なお:ふうん。上場による資金調達というメリットが効きやすいビジネスドメインと効きづらいビジネスドメインとがあって、キュービックの場合は後者だったということですね。

エア世一:そうゆうこと。

なお:となると、キュービックはどうやって成長したということです?

エア世一小さくスタートしてゆっくり伸ばしたので、営業キャッシュフローだけで地道に成長できたんだ。というか、地道に成長できるペースでしばらくやったという方が正しい。

社会にまだない新しい価値を生み出すことやその機会を模索することは明日の社会のためにとても大事なチャレンジで、リスクマネーを調達して身を投じる起業家にもリスクを取る投資家にもリスペクトが止まらない僕だけど、既にビジネスがある領域にも不はたくさんあって多くの消費者がその解消を待っている。

市場があることは先人により証明されているものの、支配的な大手ががっちり参入障壁を築いているわけでもない領域もいっぱいある。そこに小資本で入って経験を積んでから戦略力と組織化力で本格参入する、キュービックはそういう戦いを選択したというわけ。

なお:納得。

エア世一小さく入って利益率は確保しつつもシェアも大事なマーケットなので、余計な利益を残さずスレスレまで投資。税引後利益を積み上げるには時間がかかるけど、営業キャッシュフローが回っていれば銀行借入も合わせてそれなりの投資はできる。

“大きくする”のではなく“大きくなる”経営で数億の現金と借入枠を得て勝負できる規模になるまで、8年ほどじっくり経営した。

エア世一弾込め完了した9年目から全部溶かすつもりでゴリゴリに投資。なおきょんもいたからわかると思うけど、

なお1.5年で200人を採用して組織も財務もキツかったけどなんとか鼻を擦る前に浮上することができた、と。

エア世一:そう。投資と言ってもほとんど人材とマーケ(コンテンツやクリエイティブ)にね。

エア世一:しかし人材への投資は本当に難しいんだ。

なお:間違いない。

エア世一能力ではなく価値観や人柄を重視した採用・登用・任用を徹底するのは相当気持ちを強く持たないと無理で、失敗も多かった。投資家からのプレッシャーがあったら、そこへの投資を続けられていたかわからない。

お客さんとメンバーと向き合うのにも膨大なエネルギーを使うのに、そこに投資家や資本市場への向き合いにも頭と体を使っていたら、僕は完全にキャパオーバーしてぶっ倒れていただろう。

なお:それは困っちゃう!そこでもし世一さんがぶっ倒れていたら弊社は今頃……

「上場しない」が後押しした「ヒト・ファースト」カルチャー

なお:……ちょっと想像してみましたが、上場の道を選んでいたらキュービックはたぶん全然違うカルチャーの会社になっていますね。

エア世一:その可能性は否定できないねえ。

上場していたらこんなに人材開発へ投資できていたかわからないし、それに伴う組織やカルチャー、コミュニケーションへの投資にももっと消極的だっただろう。

中長期的な成果よりも短期的な成果と向き合わざるを得ないシーンも増えて、今みたいな深度ではインサイトに向き合えていないかもしれない。

なお:一見すると非合理で、貫くには高いカロリーを使う「ヒト・ファースト」や「インサイトに挑む」というカルチャーは、非上場を選んだからこそ実現できている側面がありそうです。

エア世一社内のみんなからすると「チャレンジのしやすさ」や「提案の通しやすさ」という点でも上場か非上場かで体感的な違いがあったんじゃないかな。

なお:たしかに。上場していたら株主対応に充てられるはずの時間を非上場なら社内に充てられて、世一さんはじめ経営陣と働くみんなとの距離が近くなりますもんね。その心理的な距離の近さが、チャレンジや提案のしやすさに繋がっているような気がします。

なお:チャレンジハードルなんて私この会社入って一度も感じたことないもんなぁ。今こうしてマジ世一に内緒でエア世一と対談して、好き勝手なこと書いている状況も、非上場ならではのプレイということですね。

エア世一:いや、このプレイについては上場・非上場問わずかなり相手を選ぶプレイだと思うけどね。

なお:非上場であることに今日からもっと感謝したいと思います。

エア世一:そうしてください、お願いします。

18年間非上場経営を貫くCEO世一の原動力

なお:でも、正直なところ上場したら世一さんへのリターンも少なくないわけですよね?それでウハウハする選択肢もあるのに、あえて非上場で今の経営を貫く。そんな世一さんの働く原動力はいったい何なんです?

エア世一お客さんやメンバーへの「責任感」、あとは「好奇心」、かな。

お客さんともメンバーとも最初に交換する言語非言語の期待値があって、それを十分果たせている関係ばかりではない。むしろ期待に応えられていないことの方が多い。少しでも早く期待に応えたいし裏切りたくない。そういう「責任感」だね。

「好奇心」は元々強い方で、18年も没頭できたのは経営ぐらい。経営のステージが変わるとドラクエのように戦うモンスターが次々変わるし、難度もどんどん上がっていくからとにかく面白い。逆にキーマンの離職などで自分が穴埋めのために現場へ降りることもあったけれど、一度クリアしたことをまたやるのはとてつもなく苦痛だったな。

なお:へぇ〜。

エア世一:あ。ちょっと余談だけどいい?

なお:もちろん

エア世一「ストックオプション配ったり上場目指したりせずに人材よく集まりますね」と言われることもあるんだよ。

なお:おお!ここにきてやっと私をお金持ちにする気が出てきました?

エア世一:いいから話を聞いておくれ

なお:失礼

エア世一世の中上場目指してる会社の方が圧倒的に少ないし、それらは会社の魅力のひとつであって全てではない。理念や目的への本質的な共感で集められるのがやっぱりベストじゃないかなと思うんだ。

それから金銭メリットについても思うところが

なお:というと?

エア世一ストックオプションなんて実現する確率10%もないから、固定給と業績連動賞与でちゃんと支払える方が余程良いと考えた。

なお:そう言われると10%の不確かな未来に期待をかけるよりも、今に集中してしっかり成果をあげてその分をタイムリーに分配してもらえる方が、働く側としてハッピーかもという気が。

エア世一:いや当然、何がハッピーかはその人の価値観によるところ。実現確率がどうあれその夢に賭けて働く、そんな覚悟ある人たちを僕は尊敬しているし、めちゃくちゃ素敵だとも思ってる。でも、自分の性としてはそっちよりもこっちだなと。

給与だけならうちより高い会社は山ほどある。みんなにボーナス払えないようなしんどい時期もあったけど、その分事業絶好調になったときは「よーし分配するぞ!固定給も上げてくぞ!待ってろよ!みんなで一緒に会社の成長感じようぜ!」ってさ。僕自身はそうゆうスタイルの方がシンプルにやってて楽しく感じるんだよね。

上場準備や維持にかかるお金についても「非上場で行くぞ」と決めたら、事業投資はもちろん、ハイクラスの採用やメンバーへの分配にその分回せるし。その方が成長速度上がっていいんじゃないかって。

そんな発想をした世一なのでした。

なお:余談が思いの外いい話で感激です。

エア世一:思いの外ww

なお:なんかいろいろ伺って(伺ってないけど)、世一さんがストックオプションとは別の形で私をお金持ちにする方法、もとい、キュービックと関わるヒトみんなをハッピーにする世界線について考え抜いた結果の非上場であり、今のキュービックであることがわかってよかったです。

エア世一:めでたしめでたし。マジ世一の反応が楽しみだね!

なお:ええ、ほんと!エア世一さん、今日はお忙しいところありがとうございました!

まとめ

■キュービックの成長を牽引してきたデジタルメディア事業は、もともと大きな資金が必要なビジネスではなかった
■既存ビジネス領域に小資本で入って経験を積んでから戦略力と組織化力で本格参入するという戦いをキュービックは選択した
■「ヒト・ファースト」はじめ、キュービックのカルチャーは非上場の方が相性がよかった
■短期的成果にとらわれすぎず、中長期的成果を追求する経営がしたかった
■特に人材への投資は妥協したくなかった(能力ではなく価値観や人柄を重視した採用・登用・任用を徹底したかった)
■いろいろ考えた結果ストックオプションよりも、固定給と業績連動賞与でちゃんと支払える方が良いし、その方が経営者世一としてもテンションが上がる
→ 結論:キュービックは上場しない方がハッピー!

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