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小説一覧(代表的なもの)
「小説のような形をしたもの」を厳選して並べています。
絵や和歌などは こちら 。
現代もの(コロナか)-3
なろう系(異世界ファンタジー)-3
恋愛-2
推理(探偵)-2
その他(短編集、日常、恐怖など)-5
《4,557文字》
二次創作(ポケモン)-2
《1,638文字》
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第15話「銀髭の鷲馬」
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<< 第14話 休載中 ××
「俺は|銀鬚の一味、若頭領ヒッポグリフ。俺らぁ舐めた落とし前、きっちりつけてもらおうかぁ」
そう言ってヒッポグリフが、懐から短剣を出した。流れるような所作で鞘から抜かれたブレードが、やわらかなランプの光を跳ね返して輝く。
「……若頭領。貴方が、ここのボスさんってことですか?」
「ぁあ? 舐めてるのか。若頭領はセカンドだろうが。俺たちの首領はシル
第14話「地獄に光明、照り返す蹄」
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<< 第13話 | 第15話 >>
「おぉっ! っほぉ……」
俺は腹に強烈な拳を受けて、床に倒れた。
内臓が潰れたんじゃないかというほどの痛みで、上手く呼吸もできない。
「力を制御できるようになるとはなぁ。そんな玉だとは、嬉しい誤算だよ。俺が品定めしてやる」
ヒッポグリフの野郎のムカつく声が、床に這いつくばる俺の上に降って来やがる。くそっ!
「はぁー! はぁー! はぁ
第9話「ドワーフたちの鮮烈な歓迎」
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<< 第8話 | 第10話 >>
ホルデレクたちの集落を前にして、俺は驚いた。
道中はずっと下水道みたいな薄暗い通路だったし、トルデクは長いひげを生やした汚らしいおっさんだし、少し開けた広間みたいなところに、仮設テントが並んだホームレスの集まりみたいなものを想像していたからだ。
しかし、角を曲がった瞬間目に飛び込んできたのは、すごく広い空間だった。普通にちゃんとした建物が数え
第13話「尊大な恋心」
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「うあああああああああ!」
俺はベッドの上で身悶えして叫び声を上げる。
身体の至るところに激痛が走っている。
「どうだぁ。その鈍い頭でも、そろそろ自分の立場がわかってきたか?」
ヒッポグリフのムカつく声が聞こえる。
「うあっ! うああああああああ! ああっ! うあああっ!」
部屋に戻って来たヒッポグリフの取り巻きに、指輪をハメ
第12話「見栄比べ」
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「なっ!? なんだその腕は!?」
「やる気か貴様ァ!?」
「その腕を戻せェ!」
戸口で男たちが口々に叫ぶ。
白い髪や髭を蓄えた男たちは、全員革製の鎧を着こんでいて、手には剣や短剣を持っている。例に漏れず、小柄だが屈強な体つきだ。こいつらもドゥエルガルなのだろう……。
奴らは完全に臨戦態勢だ。まずは落ち着かせないとヤバい。ちょっとだけ
第11話「ベッドで騎乗され肥大化する龍」
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「……」
俺はベッドに寝転んで、ランプに照らされた天井を見つめていた。
コンクリートジャングルで銀鬚の一味を名乗るドゥエルガルたちに拘束された俺は、そのまま目隠しまでされ、体感四時間ほど運ばれた。
今は全ての拘束を外され、この石造りの部屋に幽閉されている。
三畳くらいの狭い部屋にはベッドがあるのみで、家具らしいものは他に何もない。天井
第10話「深淵なる龍の呼び声」
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「……」
重たい沈黙と淀みない時間ばかりがいたずらに流れていく。
俺と美月は再び地上に出て、コンクリートジャングルに腰を落ち着けていた。
鬱蒼と立ち並ぶビルディングに囲まれて、ワームに襲われないギリギリの距離にいることで、透明な追手をけん制しているというわけだ。
しかし、百パーセント安全とは言い切れない上、周囲には無数のワームがいるのだと思
第8話「大きく翔けるもの」
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<< 第7話 | 第9話 >>
「は? ビルディングって勝手に生えてくるのか?」
俺の声がじめじめとした地下通路に響く。
俺たちはドワーフの氏族ホルデレクたちの集落に向かって、下水道のような地下通路を歩いていた。
「……? あんなもん、生えてくる意外に何があるんだ」
ドワーフの男、トルデクがこちらに背を向けたまま、さも当然であるかのような口ぶりで言う。
「何があるって
第7話「偶像歌姫三重奏」
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――違反ユーザーを再検出しました。違反ユーザーをBANします――
「どうして……」
そう言って固まっている美月の背後に回り、俺は叫ぶ。
「こっちが訊きたい! だが、今はそんなことを言っている場合じゃないだろ!」
「ごっ、ごめんなさい! 机上の戦い!」
美月がスキル名を叫び、鍋蓋で応戦する。
しかし、右からも左からも警報が聞こえてくる
第6話「左向け左が叶わない」
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「ここまでくれば、もう追って来ないと思います」
――お掃除ロボットとの激闘を切り抜け、美月のお姫様抱っこにより窮地を脱した俺たちは、再び地上にいた。
視界に入る距離に無数のビルディングが建っているのは落ち着かないが、安全な場所ほど警備が厳しく、ワームもこの距離なら襲って来ないというので諦めるしかなかった。
「で、どういうことなんだ? ステ」