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シリーズ:テレビ局の進化が、日本を元気にする。

 2000年以降に社会人になってはや20年強。失われた〇〇年と言われ続け、いつ終わるのかと思いながらも、色々なビジネスに関わってきました。その中の一つに、2014年と割と早い段階からテレビのデータマーケティングに関わってきたリアルな現場体験を通して、テレビ業界から発信できる「日本を元気にする」ヒントをお伝えしたいと思います。そして、このいくつかのヒントを、少しでも実行に移したいと思うとともに、一人でも多くの共通する課題感を持つ人に届いて欲しいと思いっています。
 なお、本シリーズは、目次にある項目を順次アップしていきたいと思います。途中でテーマなどちょっとずつ変わっていくかもですが、そこはご愛嬌ということでお許しください。皆さんの感想やご意見もどしどしお待ちしております。宛先はこちら、naohisasbiz@gmail.com


はじめに

 さて、テレビという単語、1990年代以降に生まれた人にとっては、数多あるエンタメの一つかもしれません。しかし、1990年以前生まれた人にとっては、エンタメのど真ん中の存在。小さい頃は、テレビはライブで見るのは当然で、前日の番組は翌日のおしゃべりの中心テーマ、見てないと話題についていけないなんてことも多々あったりました。しかし、そんなど真ん中にいたテレビは、インターネットやスマートフォンが浸透するに、じりじりと中心から追いやられ、コロナ期間(2021~2023年)を境に、50代以上のコンテンツ色が強くなっていきました。

こんな生活者のテレビに対する印象と連動して、7兆円ある広告市場においても、ダントツのトッププレイヤーから、いまや年々インターネット媒体に差を開けられるセカンドプレイヤーになりました。そんなテレビ業界も、昨今は、インターネット配信などに力をいれて巻き返しを図るが、目下試行錯誤中で、まだまだ先行きは不透明です。ここでは、その先行き不透明感な業界を俯瞰で見てみることで、霧を晴らすべくスイッチを提示していきたいと思います。

 以下にて、そのスイッチを分解して紹介していきますが、関係しそうな部分、興味がありそうな部分から読んでみてください。ただ、そのそれぞれが実は、前後左右にそれぞれのスイッチに影響力を持っていることもわかるかと思います。ポジティブな見方をすると、テレビ業界に関連するところから、「風が吹けば桶屋が儲かる」という構造になっているのです。

 では、最初に、テレビ局が置かれている現在のビジネス環境を見ていきましょう。2011年から広告市場は顕著に伸びコロナ直前期の2019年には7兆円に達していました、その後コロナを挟んで2022年には7兆円を突破して堅調に拡大している業界といえます。ただ、御覧いただいてわかるようにインターネット広告だけが押し上げており、他のカテゴリーはインターネット媒体に市場を喰われている状態が続いており、復調の兆しは見えず、年々ダウントレンドです。 

日本の広告費_主要媒体別 出典:「電通日本の広告費」より筆者グラフ化

 テレビ媒体においは、2016年が最大規模となり、約1.96兆円でした。それが、2022年は約1.80兆円となり、2016年から平均して年間マイナス273億円で減少していっている。ちなみに、インターネット媒体は、2016年から2022年まで年平均2969億円の規模拡大をしています。インターネットシフトが火を見るよりも明らになり、いよいよ業界全体に緊張感をもたらしています。そのため、コロナ前からも検討されてきていましたが、各社テレビ媒体販売だけに頼る収益モデルや経営効率の改善を、真剣にそして、具体な取り組み始めています。
 しかし、テレビ媒体販売のビジネスモデルは、免許制による参入障壁、安価な原料供給(電波利用料)を背景に、他を寄せ付けないリーチ力を生かして、媒体を扱う企業にとってもコストパフォーマンスの良いソリューションでした。しかし、人口減少とメディア利用者の高齢化が相対的に媒体価値を変容させ、インターネットにより情報量が指数関数的に拡大した世の中で、リーチ力に頼るプロモーション手法の効率が悪化し、新しいソリューションとして、インターネットが日々日々新しい手法を提供していき市場をつかんでいるという環境になっています。

テレビ局が進化するための取り組みテーマ

 では、今までのテレビ媒体販売に寄らない新しい収益源を求めて、「テレビ局の進化」はどこに向かうべきなのかを、トップライン(市場価値)と、ボトムライン(経営効率)に分けて、考えていきたいと思います。そして、「テレビ局の進化」と題していますが、テレビ局ビジネスをきっかけとして、そこから派生や関連する領域は、テレビ業界に関わる人に限らす、ビジネス機会としてとらえてもらえるものがあるので、是非その視点でも見てください。

以下、各章への目次。

トップライン:コンテンツの拡販 

1)配信ビジネスを、もう一つの柱にする

課題その1:昭和から変わらない2つのモデル
課題その2:テレビ機器利用時間の低下
課題その3:インターネットの伸長と世代間ギャップ

対案:ネットへの進出

利点:収益モデルの多角化、パイの拡大(海外)、IP戦略のハブ化 


2)コンテンツプラットフォームの確立

課題:コンテンツ制作のガラパゴス化
 課題その1.早すぎたビジネスモデルの進化
 課題その2.テレビ機器の進化の鈍化
 課題その3.制作技術の進化の鈍化

対案:コンテンツ制作の進化を支える”プラットフォーム”
 対案その1:制作”プラットフォーム”への投資と統合
 対案その2:プラットフォーム目線のコンテンツ評価
 対案その3:立体的なコンテンツビジネスを主導する

利点:コンテンツビジネスの確度を上げる


3)テレビができる地域創生

課題:誰のテレビなのか、制作率10%問題

対案:地域による地域のためのテレビ局へ
 対案その1:地元の報道及び情報番組の制作
 対案その2:ストック型映像の制作
 対案その3:ローカルビジネスの支援と参加

利点:人流の活性化。


ボトムライン:経営の効率化

4)放送インフラの統廃合

課題:「放送」は、みんなに届けなければいけないという問題

対案:放送と通信の併用

利点:”風が吹けば桶屋が儲かる”のメリット構造


5)エリアの統廃合

課題:放送圏と経済圏の不一致

対案:道州制による広域テレビ局へ

利点:エリアの拡大が、経済の活性化につながる


6)デジタル化。。。

”仕事の要諦は、経験と勘と度胸!”という昭和の商習慣を考える
・FAX文化
・貸し借り文化

以上

更新:2023年09月08日

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