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書評コンテストで賞をいただいた作品「ツバキ文具店を読んで味わう手紙の奥深さ」

昨年度、大学で行われた書評コンテストに自分で書いた書評で応募したのですが、その際に優秀賞をいただくことができました✨

今回はその時に応募した書評の全文をこちらで記録させていただこうと思います😌


選んだ書籍

「ツバキ文具店」 著者  小川糸さん

書評コンテストに応募する作品として選んだのは、私の人生のマイベストと言っても過言ではない小川糸さんのツバキ文具店という小説です。

鎌倉で代筆屋を営む鳩子が様々なお客さんのお悩みに答えながら手紙を書き、鳩子のまわりの人たちとの温かい関係性も楽しめるとても素敵な作品です💓

大好きな作品の書評を書くのはとても楽しく、更にこの作品が大好きになりました。

応募した書評全文


 皆様は普段の生活で手紙を書かれることはあるだろうか?

デジタル化が進む現代社会では、アナログな文化に触れることが日々減ってきているかもしれない。

しかし、そんな現代だからこそ手紙にしか出せないアナログの温かさが私は大好きだ。

そんな手紙の持つ手書きの温かさを実感することができる本が「ツバキ文具店」である。

 この本の主人公である鳩子は、鎌倉で小さな文具店を営みながら、手紙の代筆という仕事を請け負っている。

舞い込む手紙の代筆以来は、絶縁状から借金のお断り、天国からの手紙と多岐に渡っている。

手紙というものは、相手のことをよく知って理解していなければ相手の心に響くものを書くことはできない。

更に見知った相手宛てであれば、普段言えない思いを書き連ねるということで多少なりとも気恥ずかしさが生まれてしまうものだ。

多くの人が苦手だと敬遠してしまう手紙だからこそ、代筆屋として120%の手紙を代筆しようと奮闘する鳩子の懸命さがこの本の一番の魅力と言えるであろう。

また、本書は活字の小説でありながらも、鳩子が代筆したすべての手紙はイラスト付きで途中のページに掲載されている。

鳩子が実際に代筆した手紙の筆跡を楽しめる点も私がこの本を大好きな理由の一つだ。

鳩子は幼い頃から書道を嗜んでいる。

そのため、鳩子の字の美しさを堪能することもできるが、相手へ怒りの気持ちをぶつけたい手紙の時など、必ずしも丁寧な文字で書かなければいけない手紙でない場面も出てくる。

そのような怒りが込められつつも鳩子なりの書への愛が含まれた両者の感情が合わさった筆跡も必見である。

 鳩子の代筆する手紙の美しさを味わえるという魅力のある本書だが、楽しめるポイントは他にもたくさんある。

この本の舞台は鎌倉であるので、鎌倉の有名な観光地や地名が多数登場する。

旅行が好きな方はもちろん鎌倉に一度足を運んでみたい方、鎌倉の空気感を味わいたい方も本書を通じて鎌倉の魅力を楽しめるであろう。

更に私が素敵だと感じているのが、鳩子を取り巻く登場人物たちの温かさだ。

近所に住むバーバラ婦人、男爵など、鳩子が名付けたユニークなニックネームと個性豊かな性格の人物たちがこの物語をより明るくしてくれる。

 この作品を読み終わった後は、心がとても温かくなり誰かに優しさを分けてあげたいという気持ちに包まれた。

そしてメールではなく、手書きの手紙を誰かに書きたくてたまらなくなった。

「ツバキ文具店」には続編の「キラキラ共和国」も出版されており、続編を読めば鳩子の手紙や鳩子のまわりの人物たちとの関係をより楽しむことができる。

 ぜひ皆様も「ツバキ文具店」を読んでアナログの温かさや魅力に触れてみてはいかがだろうか。

書評を書いてみて

読書感想文やInstagramの読書アカウントで本の感想を書いたことはありましたが、“書評”と名の付く文章に挑戦したのは初めてだったので、ややドキドキしていました😳

でも大好きな本にまつわる文章だからこそ、そこまで苦戦することなく書けましたし、実際に賞もいただけたことで自分の文章が認められたような気分もありとても嬉しかったです。

本と文章を書くこと、この2つは私がとても大好きで得意な分野でもあるため、これからも好きを極めていきたいと思います。

皆さんの好きな本がありましたらぜひ教えてください~!

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