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アンガーマネジメントの成功

他に怒りの感情を持ったとき、どのように気持ちを鎮めましょうか。
よく聞くアンガーマネジメントには、目を閉じて5秒間数えるだとか、
ゆっくり大きく深呼吸をするだとか、そういったものが挙げられます。
確かにこれらは、怒り心頭しているときには、非常に効果があるのかもしれません。

マグマのように沸き立つ怒りは、スッと鎮まり、平常心を取り戻せましょう。
けれど、正直申しまして、それはその瞬間にのみ効果を発揮する対処法のようにも思えます。
もう二度と同じ問題が起きないのであれば、その時に怒りが収まりさえすれば良いのかもしれませんが、
大抵の場合そうはいかないのではと、私のこれまでの経験が主張します。

全く同じでなくとも、似たような状況に陥り、同じような怒りが沸くかもしれませんし、
幸いにも同じ状況になることはなくとも、人は自分がした経験を、
そう簡単には忘れまいと思います。
ふとした時に思い出し、じわりじわりと、心を蝕んでいくのです。

敢えて、蝕んでいくという表現をいたしました。
厄介なのは、そのときの記憶は怒りの感情でなく、
心の傷となって思い起こされるということです。

冒頭に述べましたように、怒りの感情であれば鎮めることができますから、
手間ではありつつも、都度鎮める作業を行えば良いのですが、
心の傷となってしまってからでは、アンガーマネジメントは最早意味を成しません。
さらに言えば、心の傷はそう簡単には治りません。
ですから、怒りの感情が沸いたときに、心の傷を最小限にできるよう、
然るべき対処をしなければならないということです。

勘の良い方であれば、この結論に至るまでもなく「話が長い!いいから早くその先を教えてくれ」とお思いになるでしょう。
それは怒りの感情ですか…。今すぐに対処いたしましょう。


怒りが心の傷になる前に、まずすべきことは、悟りを開くことです。
そんなあほな!悟りが簡単に開けるならもう皆してるわ!と思われることと思います。

本当の悟りの境地に行くのは、恐らく簡単なことではないでしょう。
きっと修行などを積み、何年もの歳月をかけて辿り着く所と想像しますが、
その真似事ならば、できないこともないかもしれません。

そもそも、怒りを抱く相手は、あなたの人生にどれほど関わってくると思いますか。
怒りの感情を抱いているその瞬間は、その人は自分の人生において、
大きく、そして悪い方向に影響を及ぼしてくる存在だと考えてしまいがちですが、
案外、そうでない人のほうが多いのではなかろうかと思うのです。

無論、家族や恋人、親友などに怒ることもあるでしょうから、
そうなると例外となってしまうわけですが、例えば3年間の学生生活における教師や先輩後輩、ただ同じクラスになっただけの友人は、
敢えて冷たい言い方をすると、あなたの人生全体でみると
本当にしょうもない存在であろうと思います。
そんな程度の人のために必死になったところで、何が得られましょうか。
その人と向き合う時間こそが、無駄そのものと気が付くべきなのです。
以前に「愚かしい退屈」といういタイトルで、退屈がいかに愚かなものかということを、私なりに説いた独り言投稿がございますが、
まさにしょうもない人に対して怒ることは、愚かしい退屈な瞬間だと思います。

何が得られる得られないとか、そういった損得勘定のみで
感情をコントロールできるのならば、どんなに楽か。
否、そもそも損得のみで物事を判断していないのだという方も多かろうと思います。
確かに、何を得られるかという言い方をしてしまうと
損得勘定で判断しているように見えてしまうのかもしれませんが、
自分の人生にとって、如何に有益か、無益かという観点に置き換えてみると
幾ばくかの納得感は生まれようかと思います。

怒りの感情は、人間にとって必要なものですし、怒るという行為自体も、
全く否定する気持ちはありません。
ですが、誰に対して、何に対して、何故、怒るのか。
本当に今、この人に労力を割いて怒る必要が、自分にとってあるのか。
そういったことを、冷静に考えてみることです。

この冷静な思考(思想?)が、悟りの感情と似ているようだったので、
悟りという言葉を使用してみましたが、そんなに大袈裟なことではありません。
ただ、冷静に考えるということです。


さて、先ほど途中で、長々と話していないで、早くその先を教えてくれと、
一種の怒りの感情を抱いた方。如何でしょうか。
今私に怒りの感情を生み、持ち続けることは有益でしょうか。
私はきっと、あなたの眼前に度々お邪魔するかもしれないだけの、
ただの趣味で文を書いている物書きです。

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