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#61 功労者・小林未侑_振り返りインタビュー(6)

こんにちは! 「Tokyo Scope」プロジェクト 広報担当です

統括メンバー振り返りインタビュー
今回は、
南後ゼミナール4年生の統括・デザインディレクター(DD)の小林さんです!

前回の記事はこちら⇓

おおらかな雰囲気でメンバーを包み込むような
頼れる先輩です!


通読してみて

良い意味でも悪い意味でも
「学生らしさ」が色濃く出た本だなと感じました

利益追求のために本を出版しているわけではないので、
世の潮流もある程度視野に入れつつ、
自分たちの気になることを思い切りやるという、唯一無二さが出たなと思います

一方で、学生の限界を感じたり、プロジェクト全員が「編集者/執筆者」であるということの難しさというか、そこから生まれたものの粗さがどうしても拭いきれない部分もありました

ですが、そういったチグハグ感も「TokyoScopeだからこそできる読書体験」として、読者の方には楽しんでいただけたらなと思います!


注目トピックは?

「Z世代解剖学」の部分です

私が携わっていたこともあり
単に思い入れが強いだけといえばそうなのですが(笑)

Z世代というのはマーケティング用語で、そこで切り取られるZ世代像は限定的です

私たちは、そこで理解を終わらせるのではなく、
これからの日本を背負っていくであろう「Z世代」をより深く分析したいと思いました
なぜなら、そうすることで、今の日本、すなわち私たちの「ニューノーマル」が新しい形で浮かび上がると考えたからです

人間の心理や思考という形のないものをテーマとしたため、
調査は難航しました
恐れ多くも、はっきりとした答えは導き出せなかったと思います

しかし、苦心しながらも私たちなりの答えを見つけるために、
あらゆる試みを行いました

是非読者の方にはその成果物を読んでいただき、
私たちと一緒に「ニューノーマル」について考えを巡らせていただければ幸いです!


注目デザインは?

表紙のデザインです

「ニューノーマル」とは特定の事象を表す語ではなく、
指し示すものは流動的かつ抽象的なものだと思うのですが、
その様子をうまく捉えた作品だなと感じます

環境などの外的変化を人間の脳を通して咀嚼し、
それを「ニューノーマル」という形で出力し直す

そういった過程が描かれているのでは、と作品を見た当初は考えていました!


統括をしてみて

実は、統括には当初人数が足りないという消極的な理由で参加しました(笑)

先頭に立てる技量もないのに…と、自信がないまま始まったプロジェクトでしたが、
多くの方から統括として慕っていただけたことは本当に心の支えになりました

折り合いの付け方の難しさをはじめ、難航した部分もありましたが、
最終的にこのような制作物が世に出る瞬間に立ち会えたことは
この上ない喜びでした!ありがとうございました


小林さんにとっての[ニュー・ノーマル]とは

「コミュニケーションが失われることへの恐怖を前向きに捉えようとする言葉」です

そもそも、[ニューノーマル]という言葉は、2020年以前の出来事にも当てはまる言葉です
長い目で見れば、人間は多くの月日をかけて
その生活様式を徐々に変化=[ニューノーマル]に適応させていきました

直近の例でいえば、スマートフォンの普及によって生活が便利になったことも、
コロナ禍で大きく取り沙汰された[ニューノーマル]と同等の変化があったと言えるでしょう

しかし、なぜスマホ普及の時よりも、コロナ禍の時の方が
[ニューノーマル]という言葉をより多く耳にしたのでしょうか
私はここに、「リアルコミュニケーションがデジタルに侵食される恐怖」、もっと言うのであれば、実空間が仮想空間に蝕まれる危機感を人々が実感したからではないか、という仮説を立てました

スマホ普及の際には、
リアルとデジタルの住み分けがうまく出来ていました
多少デジタルがリアルに侵食してきてもそれは許容範囲内でしたし、生活の効率化を図る上でなんら問題のないことでした

しかしコロナ禍の際は、
Zoomをはじめとするビデオチャットツールの普及、VRの開発など、
人々のコミュニケーションがリアルからデジタルに移行しても「表面上は」問題がないことが明らかになりました。
しかし、そこでリアルコミュニケーションの大事さが議論され始めます
説明のできない何かが失われた気がする。このままだと自分は一生なにかを喪失してしまう気がする。そんな危機感が人々を煽り、それを人々は[ニューノーマル]と定義づけたのではないでしょうか

最近はコロナウイルスの流行もおさまりつつあり、対面でのコミュニケーションが戻りつつあります
なので、結果的にはリアルでのコミュニケーションは失われませんでした
しかしその当時は、以前の生活から何かが「失われた」感覚があり、それがずっとこのまま続くかもしれないと怯えていた
そして人々はその恐怖を、[ニューノーマル]という言葉で、どうにか前向きに捉えようとしていたのでは、と思います


SNSやスマートフォンなどの影響については
「Z世代痕跡学」のページでも取り上げられていますね……!

統括メンバーインタビューはこの記事で最後となります
ありがとうございました!

記・伏田茉莉香(南後ゼミナール9期)
協力・小林未侑(南後ゼミナール8期・DD)




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