👁️‍🗨️午前の真野｜三段跳び２(全２話)【短編小説】サクッとショートショート！

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｢居た！良かったぁ。君、今日公園で遊んでた子だよね？｣

女の子は怯えている。

私は女の子の目線に合わせてしゃがむ。

｢ごめん、ごめん、私はマノ。君が公園で遊んでた所を見てたら急に消えたのを見て助けにきたの｣

｢お家に帰れるの？｣

｢うん、そうだよ｣

私は安心させるように優しい笑顔を女の子に見せる。

｢私、チヨちゃんって言うの｣

｢チヨちゃんか、名前教えてくれてありがとう｣

－－－－私は立ち上がって辺りを　見回す。

朝方なのだろう周りがよく見えどこかの森の中に私たちはいた。

辺りはとても静かで、杉木や草、生き物までまだ眠っている。

｢んー。どっちに向かって行けば良いのやら｣

静かに耳を澄ませた。

どこかで水の音がする。

｢川だ・・・。チヨちゃん歩ける？｣

｢うん！大丈夫｣

川にたどり着き流れに沿って歩き続ける。

どこに繋がっているかわからないがチヨちゃんを不安にさせないよう歌やゲームをして私はチヨちゃんの歩幅に合わせながら進む。

そうしているうちに太陽が上りはじめ生きとし生けるものすべてを目覚めさせる。

｢朝だ、これで大体の方角が分かるぞ｣

だがここでチヨちゃんの体力が限界まできたようだ。

｢お姉ちゃん、疲れた｣

｢疲れた？わかった。おんぶしよ｣

背中にチヨちゃんを乗せ川を下る。

どのくらい歩いただろうか、家の中が大好きな私にとって今の状態は過酷過ぎる。

明日はきっと筋肉痛だ。

歩き続けるうちに何か音がしてきた、聞き耳をたてると車が道路で風を切る音だ。

｢もう少しだ｣

私はどうしようもなく頼りない体力を限界以上まで絞り出して前に進む。

｢お姉ちゃん｣

｢なに？｣

｢お姉ちゃんってウシさんなの？｣

｢あー、えーっとこれね。なんだろうね、お姉ちゃんもわからないんだ｣

ふーん、とチヨちゃんは腑に落ちなさそうだが私は頑張って惚けた。

歩き続けてとうとう私たちはとある駐車場にたどり着いた。

私はチヨちゃんとはここでお別れだ。

ここからはチヨちゃん一人で行ってもらう。

｢チヨちゃん、お姉ちゃんはここまでしか行けないんだ｣

｢なんで？｣

｢んー、人間じゃないからかなー｣

｢にんげん？｣

｢うん、お姉ちゃんここからチヨちゃんと一緒に行っちゃうとみんな驚いちゃうから｣

｢なんでおどろくの？｣

｢んー｣

幼い子供にはどんなことでも疑問に思う、だから私が今、人前に出れない事と人間じゃない事に疑問を持つのは当たり前だ。

｢いやだ！お姉ちゃんと一緒に行くの｣

｢参ったねぇ｣

駄々をこねて言うことを聞いてくれない、嬉しいのだがウシの角が生えた人型のモノがい
たら現場は大混乱になる。

｢いーやーだー！！｣

チヨちゃんが一際大きな声で叫んだ。

するとチヨちゃんの背後から声をかけられた。

｢どうしたの？｣

20代後半の女性が幼い少女に話しかける。

｢お姉ちゃんとバイバイするのイヤなの－－－あれ？｣

視線を戻すとお姉ちゃんは居なくなっていた。

｢居なくなっちゃった…｣

｢君、ひとり？｣

｢さっきまでウシのお姉ちゃんと一緒だったの｣

｢ウシのお姉ちゃん？｣

辺りを見回すが誰も居ない。

｢お父さんとお母さんは？｣

｢お家にいる｣

｢お名前聞いても良いかな？｣

｢お姉ちゃんの名前は？｣

｢そうだね、自分から自己紹介しなくちゃね！あたしの名前は－－－｣

『今日午前、行方不明だったチヨさん4歳が樹海の市営駐車場で発見されました。警察によりますと擦り傷等の軽傷はあるものの命に別状はないとのこと』

私は自宅でこのニュースを見て安心した。

無事にあの子は帰れたようだ。

『－－－－なお、警察はウシの角を付けた女性を探しているとの事です』

私は当分、外に出られないかも…。

ニュースで知ったことだが私とチヨちゃんは青木ヶ原樹海まで行ってしまったらしい。

なんでチヨちゃんの遊びでそこに転送されたのか未だにわからない。

少なくとも、チヨちゃんは何かに呼ばれてそこに行ってしまったのだろう。

だけど、だれが呼んだのだろうか。

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最後までお読み頂き、ありがとうございました💖

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読者様に好評でしたので続編を書いてみました🌟

今後も個性あふれるホラーな話を作っていきますのでスキ・コメント・フォローなど頂けますと励みになります❗❗

まだまだ、note初心者ですが、皆様の喜んでもらえる作品を作りたいと思います💖

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