思いつき短編:蚯蚓様
どこの過地域でもその土地ならではの信仰がある。
それは大きな岩、樹木、泉、とにかく巨大 なものを土地神として祀る。
私の集落では、大きな穴を祀っている。
その大きな穴の中には巨大なミミズがとぐろを巻いて眠っているという。
穴の周辺には誰かがそこに土を置いていったかのように真新しい土が四ヶ所、山のようになっている。
話によると四ヶ所の土の山は巨大ミミズの糞だそうだ。
毎年その新しい土(糞)を田畑に混せることで五穀豊穣となるらしい。
現に過疎地域にはなっているが、米や野菜、果もの等は他と比べものにならない程おいしく、たわわに実った。
だがその身反りも大きい。
50年に一度、土地神に命を捧げなくてはならないのだ。
しかも生まれて間もない新生児。
できたてホヤホヤの命を食して少しずつ命の
時間を消化して生きるらしいが、もって50年なのだそうだ。
集落のために、生け贄をささげるのだ。
最近では昔は集落の赤子をささげていたが、村長が裏ルートで身寄りのない赤子を穴に落して五穀豊穣を願っていた。
それが少子高齢化に伴って、子供が少なくなり、今は入手するのが難しい。
ーーーーと、言うことで、俺が交渉に来たわけだ。
別に退治をするわけではない、あくまでも交渉だ。
俺は穴に向かってエアーフォーンを鳴らす。
ネット通販で買ってみたのだが、初めて使う。
腰が抜けるほど驚いた。
すると、辺りが地震の様に揺れだした。
ゴゴゴゴッという音と共に目の前に大きなミミズが現れた、気持ちが悪い……………。
すまねぇな土地神さんよぉ。
ちょいと相談にのってほしくて呼び出した。
土地神さんは知ってるかわからねぇが、今この国って少子高齢化、子供が少ねぇんだ。
つまりあんたに喰わせる生け贄を別の物に変えてくれないかってことなんだけど。
ミミズは耳をつんざく程の咆哮する。
まぁまぁ話を最後まで聞きなさいな。
まずは土地神さん、あんたの力でこの村の人々を滅ぼしちゃあくれないか?
何せ、爺さんと婆さんしかいないからな。
その後に俺が色んな理由で普通の暮らしができない男女を連れてくる。
そして俺が監督しながら村の復興をしてある程度波に乗ったら頭のいい男女を土地神さんの所へ連れてくる。
後はアンタが洗脳すれば生け贄がなくなることはないと思う。
大人しくミミズは話を聞き触手のような頭を上下に動かし頷いた。
その洗脳の際に、ここで取れた農産畜産物を俺の会社で売らせるようにな。
じゃあ、そういうことで!!
後日、その村では大規模な土砂災害が起こり、村にいた住民は全員死亡した。
更に数日後には、いつの間にか若い世代の男女がたくさん移り住んでいたという。
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