思いつき短編:商品回収
株式会社未来創造グルーヴからのお知らせです。
いつもご愛顧頂き、ありがとうございます。
今回、自社製品であるカロリンが、ご購入されたお客様に反して暴力をふるってしまう事案が発生いたしました。
被害に遭われたお客様に対しては、本当に申し訳ございませんでした。
つきましては、全お客様の安全を考慮し、製造番号関係なしに、商品の回収をおこなわせていただくことといたしました。
ご購入の際に登録していただいた住所に従業員が赴き、商品の回収を致します。
お客様に大変ご迷惑をおかけしてしまい、誠に申し訳ございませんでした。
ある夫婦が、テレビのcmに流れてきた商品回収の映像を見てすぐさま姿を消してしまった。
正確には夫婦ごっこといったところか。
彼の奥さんはカロリンという変形型人工愛玩具から作った。
亡くなった奥さんの姿をして二人は順風満帆な暮らしをした。
だが、他のカロリンが主に反攻して顔を殴るという事件が発生してしまった。
製造会社は急いでカロリンの回収に躍起になった。
それは購入者の意向は関係なしにほぼ強制的に回収して回っている。
それを逃れるために姿を消す人も続出したそうだ。
でも、大抵はカロリン内部にある特別なチップで何処にいるのかは簡単にわかってしまうから捕まえるのは容易だった。
それでも冒頭のカップルは未だに捕まえられない。
これは憶測だが、何かを使ってチップの微弱な電波を制御していると考える。
会社は世界の指名手配犯と同じくらいに人々に見つけたら通報するようにとのお達しが出た。
なんと賞金までかけていた。
じゃあ結果どうなったのかというと、捕まえた、だけど捕まえたのは購入者のミツルという男性だけだった。
問い詰めると、メデコという名前のカロリンはミツルの不注意で溶けて死んでしまったという。
カロリンは濃度の高い塩分を含んだ、もしくは塩そのものかかってしまうとナメクジのように溶けてしまうのだ。
当時、逃げている時に立ち寄ったお店にて少し目を離しているときカロリンは1キロの塩の袋を破り、自身にかけていたという。
こんな事例は初めてだった。
カロリンには自滅行為をする機能は搭載していない。
が、現にそれをした。
カロリンという製品は愛玩具という領域を超えて生物なんじゃないかと思ってしまう。
報告書はこれにて終了するが、なんとも悲しい思いをする事件だった。
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