タタン、タタンタタン

タタンタタン、タタットトン

タタットトン、タタットトン



あ~、寝てしまった

今何時?

17時30分

あれ?

確か、17時30分発の電車に乗ったはず…

でも電車、動いてる…

腕時計壊れたかな?






タタン、タタンタタン

タタンタタン、タタットトン

タタットトン、タタットトン





ん~?なんだかこの電車、随分レトロな雰囲気だなぁ

木造だし電気も小さい、椅子のクッションも固いし…

そうだ、今どのへんだろう…





はぁ!?





なに、この景色

海?

えっ?

嘘でしょ…



ーーーガララッ



潮の匂い、確かに海だ

海の上を電車が走っている

果ての海には嵐のように黒い雲が漂っていた

電車の進む方向を見ていると浮島みたいなのが見えてきた

よく見ると、あれは駅?

どんどん電車は駅らしき島に近づいていく

到着してみると、完全な駅だった

駅のホームだけがあって、その他は建物らしきものはない、それと、駅名の看板が無かった

プシューっとドアが開いた、すると複数人の誰かが乗ってくる

不思議なのがそれが何かがわからない

なんと言って説明すればいいのか

人間とも言えないし、動物とも生き物とも違う

服を着ている何か、といえばいいのだろうか

ーーーーが、乗り込んでくる

駅名も無いし、得体のしれないものもいるしで混乱してしまう

そんな自分の気持とは裏腹に木造電車は次の行く先へ出発した







夕方、太陽が、遮るものがない海の地平線へ沈んで空が紫とオレンジ色に染まってきた

太陽の1日の終わりを告げる陽射しが電車内に射し込んでくる

本当にどこへ向かっているのだろうか

電車に揺られながらボンヤリと考えていた

太陽の陽射しからしだいに、ネオンの電光広告板の光へと変わった

少し気だるくなる

自分は家に帰りたいだけなのに何でこんな変なことになってしまったのだろう

また少し眠くなってきた

ウトウトしているうちに意識は静かに眠りについたーーーーーーーー









ポンポンっーーーーー


誰かに肩を叩かれた

目を擦って起きると目の前にいたのはやはり得体のしれない車掌さんの服を着たやつだ

夢の中の夢ではなかったようだ

つまり現実ってこと

雰囲気を察するに、どうやら終点のようだ

まずい、降りなければならない

荷物を持って急いで電車を降りたーーーー





真っ暗だ

本当に、真っ暗だ

さっきまで、きれいな海や太陽、ネオンの看板などの景色があったのに、なにもない

否、石畳の駅のホームが自分の存在領域を作ってくれている

一体自分が何をした、何もしていないじゃないか

その場で座り込んでしまった

もう一度だけ、電車に乗るときの事を思い出す

仕事が終わって、早く家に帰りたかったから走って駅まで行った

で、17時30分の電車に……………

















あ…そうだ……

急いでホームへ走っていったんだ

全然間に合うのに…

そこで足がもつれて転んで線路へ落っこちてちょうど来た電車に…




あぁ、そうだった…

あぁ、そうだった……

あぁ、そうだった……

あぁ、そうだった……

あぁ、そうだった……

あぁ、そうだった……

何で気が付かなかったんだろう…











だから、ここは…生の最終地点









助からなかったんだ






自分は

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