ななみつ

ななみつの思慮はイェアスティアラを離陸してファルナバルを一瞥し、イスティシアの霊廟に不…

ななみつ

ななみつの思慮はイェアスティアラを離陸してファルナバルを一瞥し、イスティシアの霊廟に不時着していずれイェアスティアラのランタンとなる、そんな人生を送りたい。 雑食で何にもなり切れないテンペストオブ中途半端。無秩序にあれこれ書くかもしれない。飽きるかもしれない。

最近の記事

八術八相の龍記録/闇の最果ての私へ

 メセルプレスタ12型広角望遠鏡は、私が小さい頃にプレゼントにもらった大切な宝物。そして、それは今でも私の大切な道具として、陰空を眺める私の目になってくれている。空に浮かぶ淡い光が何なのか――それは、この極陽世の今の観測技術では詳細には分かっていない。それでも、強い光に照らされる事のないこの陰空で、淡く輝くそれらの光が私の心を掴むのはそう難しい事ではなかった。でも、他の人たちと違ったのは、私が見ていたのは遠くに浮かぶ光たちではなくて、それらが作り出す陰空の不思議な濃淡だった、

    • 八術八相の龍記録/再編外域

      礫破界の空は、いつだってこんな具合だ。薄紫とも薄桃色とも言えるような、中途半端で誰にもその在り方を断定されない、曖昧な顔色をした雲で覆われただけの無機質な空だ。陽と呼ばれる物が昇っても落ちても、所詮はその空の明度が変わるだけ。無機質で曖昧な在り方をしている点については、根本的に変化が無かった――まるで自分の在り方と同じじゃないか。浅瀬に積まれた瓦礫の小島の上で、少年は誰に向かって言うでもなく零した。自分も、この空と同じ。多少の変化があるとはいえど、その変化の振れ幅などたかが知

      • 八術八相の龍記録/下暗し

         エストレカル・エデュラ遺跡群調査プロジェクト 調査168日目 光遷世歴1823年第7月35日  南側を中心に観測する事を決定してから18日が経過した。これまで同様、この灯台跡の存在意義が判明するような大きな発見は無かった。斯様な事を記述するべきではないのかもしれないが、シェセル調査官が以前述べていた通り、この灯台跡が建てられる目的となった存在が、今の世代では失われてしまっている可能性を本格的に考慮すべきなのかもしれない。そうでなくとも、灯台が建てられる理由というのはマリアゼ

        • 八術八相の龍記録/邪悪の宿敵

          第七並世の和平世は、夏も真っ盛りの頃を迎えた所であった。十六夜寮の通りの木々から毎年のようにけたたましく聞こえるセミの声を受けながら、野暮用を済ませた一人の学生がちょうど寮に戻ってきた所で徐に声が彼に掛かった。 「お、司龍パイセンだ」 不躾な声の方向を向いてから、司龍が不機嫌そうに声を発した。 「お前何なんだ毎回その呼び方」 「パイセンそれ毎回言いますよね」 「はっ倒すぞクソガキ」 「ウィッスすんませーん」 「なんだこの太陽バカ、夏の暑さで元々壊れてたもんが元に戻ったかと思っ

        八術八相の龍記録/闇の最果ての私へ

          十六夜寮の観測録/秋也の部屋の夕暮れ

          前略 この雑文は、3年前にpawooでひっそりと公開されたのを誤字脱字その他諸々を加筆修正してアーカイブした物です。よくもまあこんな可読性も内容の欠片もない文章書いたなお前。 本文和平世と呼ばれる世界は、第七明天と呼ばれる明天に格納されていた。人間の知る宇宙が「世界」と呼ばれるようになり、その「世界」がいくつも集まって、「並世」という多元宇宙を構成している事が分かったのは、西暦でいうところの2400年代の事であった。その「並世」すら、いくつか集まって「明天」を為していると分

          十六夜寮の観測録/秋也の部屋の夕暮れ

          八術八相の龍記録/そばにいるあなたへ

          第七明天にある8番目の宇宙である第8並世に、第7並世から術者が2人呼ばれて行ったのは、蒼來世の時計で午前1時を回った頃だった。第7並世と第8並世とでは宇宙の作り方が大きく異る所もあるが、少なくとも昼と夜の概念があるという点について変化は無かった。 「……なるほど、あれがこっちで言う所の太陽にあたる大天球か」 「太陽と月と違って、こっちではあの球体が明滅を繰り返す事を1日と定義しているらしい。最も、あの球体が具体的に何でできていて、どういう仕組みでそのような周期性が観測されてい

          八術八相の龍記録/そばにいるあなたへ

          ナインティール・ナインズの窓辺/不常のバイアス

           ナインティール・ナインズは「何かかっこいい妖狐の集団が作りたい」という理由から、ちょっと頭のネジが外れた妖狐が作った集団だ。当初こそ変な連中の集まり――いや、変な連中の集まりである事は確かだけど――としか見られていなかったが、渡りゆく世界の先々で、各々が自分のできる事を生かして色々な仕事を請け負ったり協力したりしたおかげか、最近では一種の便利屋みたいな感じに世間からは思われているらしい。自分はそんなナインティール・ナインズに、「身長を伸ばす手がかりが知りたい」という理由で入

          ナインティール・ナインズの窓辺/不常のバイアス

          あたいとTCG その3

          その1はここ。 その2はここ。  思い出を書いておこうとか宣ってた癖して、あれこれ書いていたら異様に長くなってしまったり面倒になってしまったりして結局その3に突っ込んだ。まあ、あたいが長い事プレイし続けていたTCGはもう無いに等しいので、それこそ思い出語りというかそんな具合にできればなぁと。 WIXOSS 最近にじさんじとのコラボであれこれ話題になっているのがこのWIXOSSである。このタイトルも思えば相当長いなぁと思う。このTCGはアニメを先駆けとしてその後で物理カードが

          あたいとTCG その3

          あたいとTCG その2

          前回のはここ。 あたいが触ってきたTCGの思い出やらなんやらを書こうと思っていたのに、ゲームシステムについて考えたり色々していたらとんでもない長さになってしまったので記事を分ける羽目になってしまったよ。深くやってるTCGなんて1つも無いからそんな書くことなんて無いだろうなんて高をくくっていたけどそんなことは全く無いと来たから困ったもんだ。 ヴァイス・シュヴァルツ高校・大学の時はとにかく新しいカードに触れるのが好きな時代だった。というわけで、高校に入ってから一番最初に手をつけ

          あたいとTCG その2

          あたいとTCG その1

          まえがき  トレーディングカードゲーム(TCG)と呼ばれる遊びがある。ランダムだったりそうじゃなかったりするカードを集めて、規定のルールに則ってやりたい放題やり、先に勝利条件を満たした側が勝つという遊びである。ちょっと前に、Twitterで「TCGにおけるシステムの先駆者」という話が界隈でちょっとだけ話題になっていたので、色々なTCGに手を出して特に何をするでもなくデッキだけは沢山あるあたいが、物心ついてから今までに触れたTCGについていい機会なのでここに思い出としてゲーム自

          あたいとTCG その1

          理解なき"巡り"

          ありとあらゆるゲームのプレイングを考える際に出てくる言葉に、「巡(めぐ)り」という言葉がある。 そしてこの「巡り」という言葉は度々しょうもない論争を巻き起こしているのを見る。 少なくともあたいが観測した中でこの「巡り」が下らん衝突を最も引き起こしているのを見るのは麻雀の世界である。 恐らく、麻雀をやった事がある人だったら1度は耳にした事があるだろう、「巡りが悪い」という言葉。 つまり、「麻雀に『巡り』など無い」とする者とそうでない者の不毛な言い争いである。個人的に、この争いが

          理解なき"巡り"

          無宗教者の信仰

          あたいはこれといって特定の宗教を信仰している訳ではない。 強いて言えばアザトースを崇拝している程度である。 あたいもそうなのだが、この国には無宗教の人間であっても、宗教と関わり深い行事を色々と執り行う何とも不思議な風習的な何かがある。 年末年始の一連の流れは最たるものだろう。 クリスマスを祝ってプレゼントを投げつけたかと思えば大晦日には蕎麦を啜りながら除夜の鐘を聞き、年が明ければ神社に初詣に行く。 一体お前らはどういう信仰をしとるんだと。 色々な人がよく言っている事で、耳に

          無宗教者の信仰

          良くないカード

          あたいはそのうちカードゲームを自作して何かのイベントで出そうかなぁなんて考えている。 実際、ある程度カードを整形してイラストを自分で整えれば奇跡的に2つくらいは拾われるんじゃないかなってゲームは準備できていたりする。 まあ実際の所は、印刷所に頼むコストとかを眺めて無限に頭を悩ませているうちに時間だけが無情にも過ぎていくのだが。 こういった時間の事を人々は俗に「無駄」と呼んでいる。 ゲームを作るに際してカードという物を用意すると、大抵の場合カードに書く効果を考える事になる。

          良くないカード

          秩序無き観測者代行のアレ

          print("Hello, world") むいむい。 普段はTwitterで荒れ狂ったり黙ったりしている、ななみつという者です。 七夜月 満夜(ななよつき みつや)を略してななみつです。 唐突にTwitterに長文投げるのもアレだなあって事で、 何か長い事を書きたくなったらこっち側に書こうかなぁ、みたいな具合で。 書く事は本当何か考えた事とかゲームの事とかゲームの事とかショートショート的な何かとかなんか適当に書きます。 基本的にその辺は定めません。すぐ飽きそう

          秩序無き観測者代行のアレ