あたいとTCG その2

前回のはここ
あたいが触ってきたTCGの思い出やらなんやらを書こうと思っていたのに、ゲームシステムについて考えたり色々していたらとんでもない長さになってしまったので記事を分ける羽目になってしまったよ。深くやってるTCGなんて1つも無いからそんな書くことなんて無いだろうなんて高をくくっていたけどそんなことは全く無いと来たから困ったもんだ。

ヴァイス・シュヴァルツ

高校・大学の時はとにかく新しいカードに触れるのが好きな時代だった。というわけで、高校に入ってから一番最初に手をつけたのがこのヴァイス・シュヴァルツだった。当時ある程度プレイヤーもいたので、やってみようという話になったような覚えがある。手を出したデッキはゼロ使の新しい方であった。で、数回やってやらなくなった。理由は簡単で、ゲームシステムをよく理解できなかった。勘違いしないで欲しいがルールが理解できなかったわけではない。ただ、やってもやっても、何が強いカードでどういう状況が強い状況なのか、というのがイマイチよく分からない。大学に入ってから、ヴァイスに精通している先輩に艦これのデッキを1つ組んで頂き、それを買い取って今でも遊ぶ時には使っているが、それでもやはり何がどうなれば強いのか全く分からないと来たから困った物である。
 無論、自分で組んだデッキと先輩に組んで頂いたデッキをそれぞれ回してみれば、強さが全く異なるというのはよく分かるのだが、その強さが異なっている原因がどこにあるのかというのが自分ではどうにも理解できないまま今に至ってしまっている。そんな有様であるから、たまにヴァイスの新カードを眺める機会があっても、どのカードが強いのか全く分からないし、強いと言われているカードが「強い」理由がさっぱり分からない。もっと始末の悪い事を言えば、その無知が経験不足による物なのかシステムの理解不足による物なのかさえ全く分からないから大変に困っている。
 ゲームの性質として、クロックフェイズによりカードを多く引く機会に恵まれているゲームなので、手札の調整はトップクラスでしやすいゲームであるという理解はある。なので、コンボパーツを揃えたり、必要なカードを探してくることに関してはかなり容易で、自分のしたい事をする準備を整えるのはそんなに苦労しないな、というのは感じる。で、その上でダメージキャンセルという概念がある以上、闇雲にソウルを増やして火力を上げればどうにかなる程単純なゲームではない事も理解はしている(この辺の考えはアンジュ・ヴィエルジュでも使える)。なので、実際に相手を殴る際にはフロントで真っ向からダメージを通しに行くのか、意図的にサイドアタックを行ってダメージ量を小さくする事でダメージキャンセルを回避し、確実にダメージを通す事を目論むのか、そもそも攻撃自体を中止すべきなのかを考える必要があるというのも分かる。実際の所、確率の絡む事を組み込んで行動した所で理想の通りに行く事はまず無いので、確率の女神に罵詈雑言を投げ散らかしながら改めてルートの修正を行いつつ試行を行うだけなのだが、何ともこの辺の試行錯誤が疲れるというか何というか、やっていてげんなりする所ではある。もしかすると、理論を通すに際して確率の絡む行動を取る必要がある、という状況に辟易してしまっているだけなのかもしれない。
 とはいえ、たまにやると「単なる運ゲー」でない事はよく分かるし、想定どおりにいかない部分が多いがゆえの劇的な展開が生まれる事があるのもよく分かる。ガチガチにゲームをデザインしてしまうと、そういう劇的な展開は滅多に生まれないのでそこは人を惹き付ける魅力のような物があるんだろうなぁ、とは思う(やられた側はたまったもんではないが)。

Z/X(ゼクス)

 あたいが5年以上お世話になっている数少ないTCGの片方がこれである(もうひとつはWIXOSS)。このゲームに関しては、初弾発売から今でも様子を見ている。しかし勘違いしないで欲しいが、初弾発売から今までずっと遊んでいた訳ではない。何度か離れたタイミングがあるのも事実で、あたいの場合それは大きく2つある。
 1つ目は、Z/XがデスティニーベインTCGと化した、ブースター第3弾発売直後の環境の時である。ブースター第3弾「五帝竜降臨」は、それまでZ/Xの世界の種族が5色5種族、全25種族だった所、各色1つずつドラゴンが追加されるという、種族の追加とドラゴンの登場を謳ったパックで、この手のファンタジー系TCGにおいて必ず居ると言っても過言ではないドラゴンが満を持してようやく登場、しかも専用に種族まで用意してもらっての登場とあって、多くのゼクス使い達は「さぞかし破格の能力を持って登場してくれるのだろう」と目を輝かせてカードプレビューを待ち望んだ。そうして、各色に1体ずつ追加されるドラゴン達の能力が明らかになり、赤竜(カーディナルブレード)でガチガチのコントロールを組めないかと考慮しだす者や、緑竜(アイヴィーウイング)や青竜(ドライブピニオン)でソリティアができないかと画策する者や、白竜(ホーリースカイ)がストレージ落ちするのはいつかと予測を始める(ちなみにあたいが観測した限りの最速は発売初日)者など、発売前から多くの楽しみを提供してくれた。
 だが、後にベインと呼ばれ多くの人間から怨嗟の声を集める事になる黒の竜、デスティニーベインが姿を現した時に事態は一変した。この大馬鹿ドラゴンに書いてある事は単純で、「手札を1枚捨てると相手のコスト3以下のゼクス(MtGでいうクリーチャー)を好きなだけ破壊する」というただそれだけのものだったのだが、コスト3以下のカードがコストなしで徐に出てくる可能性がある「イグニッション」という独特にして最大の売りであるシステムを擁するZ/Xにおいて、この能力はその最大の売りであるゲームシステムを根本的に否定するしょうもないどころの騒ぎではないクソカードであった。
 無論、斯様なカードがデザインされた事を理解できない訳ではなかった。確かに、このイグニッションというシステムは、破壊されたゼクスがチャージと呼ばれる領域に移った後、そのチャージにあるカードを利用してデッキトップをめくり、そこにイグニッションアイコンが書かれていればコストなし(別途追加の何かが指定されている場合はこの限りではないが)で使えるという分かりやすい一発逆転の要素であり、ゼクスを多く破壊されれば破壊される程チャージが増え、イグニッションの試行回数が増える事で逆転の目も増えるという良い面もあったのだが、そこは確率試行、これが負の影響を与える事も決して少なくなかった。つまり、イグニッションの成功率に差が出てしまった時に対処のしようが殆どない、というものである。お祭り的なパックを除いたメインのブースター弾数が31弾を数えている今でこそ、多少のイグニッションの成功率の差はカード1枚でいくらでも破壊できたり、それこそチャージをイグニッションに用いない事でイグニッションを殆ど行わないというデッキがあったりするが、当時は今のようにゼクスエクストラも無い時代なので、捲りが暴走するとそれだけで戦略もクソもなく相手を轢き殺せてしまうなんていう事態がちょいちょい起きていた。ベインはまさにこの「相手の捲りが理不尽」問題をストレートに解決してくれるカードであったと言える。
 しかし、ベインはその問題をあまりにもストレートに解決してしまい過ぎた。能力の発動コストも任意の手札1枚と、軽いとは言えない物のそこまで致命的なコストでもなく、採用するにあたっての構築制限と言えば「色事故を防ぐためにベイン以外の黒いカードを何枚か積んでおく」程度の物であった(なんだったら黒いカードはベイン4枚以外無いとかいう豪気なデッキさえ観測した事がある)。そのため、一時期どこ見てもベインが積まれたデッキしかないみたいなベイン地獄が一瞬で展開された。一応、パワー9500で殴り倒せばそのまんま死ぬので、とある世界の神ジェイスだとかとある御伽の三冠オーコ程の地獄でこそなかったが、流行り具合は尋常ではなく、軽量のゼクスを展開して殴り倒すエンジェル単デッキを用いていたあたいは憎悪の炎を全身から吹き出して憤死し、Z/Xの世界からフェイズ・アウトする事を決めたのである。なお、次の第4弾であたいが今でも愛しているベガ様と妲己様が出てきた事により、狐につままれたあたいはそのまま5色妲己とかいうあまりに頭が悪過ぎるデッキを組んでひっそりと隠居生活を謳歌する事にしたのである。
 そんなこんなで月日は過ぎ、カードプールが増えた事でベインとかいうテンペストオブクソボケファxキンカードの威勢はある程度落ち着いていた。そんな時、ブースター第16弾「真神降臨編 神域との邂逅」が発表され、それと同時に新システムとなる「デュナミス」と「ゼクスエクストラ」が発表された。複数枚のカードをコスト合計が規定以上になるように破壊すると、デュナミスと呼ばれるエクストラデッキからコストなしでゼクスが登場するというこのシステムによってベインの完全なる終焉を確信したあたいは「してやったりだぜェーーーッ、ダンクシュートでくたばりやがれェ、そして二度と地上で出てくんなこのダイナミックマザーファxカーーーーッ!!!」と到底許されるべき発言ではない発言を撒き散らして狂喜乱舞したが、この新しいカード種類である「ゼクスエクストラ」の供給をめぐって乱闘が起き、その辺のなんやかんやがあまりに面倒過ぎてまたもフェイズ・アウトした。というのも、鳴り物入りで実装された新システムだというのに、それを存分に活かすためのシナジーが色々と酷かったのである。当時のゼクスエクストラは「ディンギル」という種族しかなく、普通の山札に入れる通常のゼクス側にも「ディンギルLvX」というように、デュナミスでディンギルがX枚表向きになっていると発動するよ、という効果があったのだが、中にはディンギルの中でも特定のこいつ、と名指しで指定されている物があり、確実にその指定された奴を採用しなければならない分、破格の効果を持っていた。問題だったのは、その名指しで指定されているゼクスエクストラが、ゼクスレアという特殊なレアリティで、12ボックス(1カートン)中に数枚しか入っていないというどうしようもない始末だったのである。しかも最初に実装されたゼクスレアのゼクスエクストラは5種類だったので、これを4枚(Z/Xは1種類4枚まで積める)集めようとすると偉い騒ぎになったのである。しかも、これらゼクスレアの連中にはちょいちょい頭のおかしい事が書いてあった奴がいたりしたため、その辺が軒並み暴騰して数多のゼクス使いの財布が浄化-K.O-されたのである。最も、この時はまだそのゼクスレアを参照する連中がコモンとかのしょうもない連中で、その上ディンギル自体はレア枠にもおり、ゼクスレアを引かないとデュナミスが使えない、という事態にこそなりはしなかった。ただ、少なくともあたいが見ていた限りでは、既にこの弾の時点で辟易している人は多かったように感じる。
 本当に収拾のつかない事態が発生したのは、その次の第17弾、「真神降臨編 裏切りの連鎖」である。ここまでで既に文章が長くなっている事に気づいたので要件だけ述べるが、都合、第16弾と似たような事をやりやがったのである。あたいのイメージとして、この辺でZ/Xから離れた人が相当いたイメージがある。実際、過去にやってた人に「どの辺まで覚えてます?」とか聞くと「エクストラが出てきた頃合い」という人をちょくちょく見かける。システム自体は良いシステムだと思ったのだが、それを支えるカードのデザインや供給の方法を間違えるとこういう事になるんだな、と痛感した覚えがある。実際問題、普通にスーパーレアとして出しておけばよかったんじゃなかろうかと今でも思う。そんなこんなでバカ高いディンギルを買うか、ふざけた性能したそれらのディンギルとレアのディンギルだけで戦うか、みたいなひどい択を迫られた人が離れていったわけである。あたいもこの時一旦フェイズ・アウトしてゆっくりしていた。
 大変に長くなったが、今はどうかというと、カードを集めきれていないク・リトのデッキと、永遠に強くならないType.デッキで、同じくガチガチでないデッキを持つ友人達とちょこちょこやっている(名誉のために書いておくが、彼らのデッキはあたいのゴミのようなデッキとは流石に格が違う)。次の32弾でまたイデアライズという新システムが追加されるが、試すにふさわしいデッキを手元に用意できていないのでまだこのシステムがどんな具合なのか自分には分からない。触ってみた人がいたらどんな具合か感想を聞かせてもらいたい。あと頼むからベガ様をストーリーで幸せにしてあげて下さい。いや本当に悲しいから。あとティアマト様の新しいカード出ませんかね。ストーリー的に今あの神どうなってんだかさっぱり分からないけど。

また長くなった

 というわけで今回はここまで。やはり曲がりなりにもそこそこ遊んでいたゲームは色々書きたくなる気持ちになる。殆どベインに対する罵詈雑言だったような気がするけど。あたいが長く触っているゲームはもう後そんなに無いので、次回以降書かれるゲームについてはそんなに色々書けないはずだからもうちょっと複数のゲームについて思い出とか書けたらなぁって思う。


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