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世界放埓日記

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#フリーランス

私はあなたのファンではありません。

今年叶えたいと思っていた夢が叶った。

小学生の頃、いや、幼稚園生の頃からもしかしたら願っていたものかもしれない。
それは、或るバレリーナとの共演だった。
私は幼稚園生の頃から、小学校6年生の頃に今の専門領域に出会うまで、クラシックバレエを習っていた。
通っていたお教室は、最高の環境だった。国際バレエコンクールに何人もの入賞者を輩出しているようなところで、私のクラスメイトだった人達は、世界中のバレ

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芸大生は行方不明になるというけれど

芸大卒業生の母は、芸大のことを「職業訓練校」と呼んだ。
芸大に在学していたころ、私は友人と、自分の母校を「東京芸人大学」と言っていた。
芸大生は、在学中に講義や課外活動で様々なスキルを身につける。
それを手にして世の中に放り出される訳だけれど、ご存知の通り、就職率は非常に悪い。

世の中では「芸大生は卒業すると行方不明になる」などという噂がまことしやかに出回っているらしい。
笑ってしまう。そん

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不器用ブルジョワジー

音楽に国境は無いというけれど、本当だろうか。

私は西洋の音楽を専門的に学んできて、留学から帰国したところだ。

故郷で感じる季節の移ろいは、意識して封じてきた土着の民族の郷愁をいとも容易く解き放つ。

暖められた空気に乗って漂ってくる柔らかな土の香り。

トラクタの後ろに群がり、掘り起こされたミミズをついばむカラスたち。

用水路にどさどさと落ちる水。

やがて蛙の鳴き声も聴こえるようになる

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