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『猫弁〜天才百瀬とやっかいな依頼人たち〜』(講談社)大山淳子


こんにちは☀️七海です。
今回は大山淳子さんの『猫弁〜天才百瀬とやっかいな依頼人たち〜』(講談社)の読書感想文です。

大山淳子さんという作家を知らない方も多いかもしれませんね。
知名度はそれほど高くはありませんが、私は大山淳子さんの作品が大好きで、ほとんどの著作を読んでいます。
中でも猫弁は人気シリーズでして、現段階で7作品ございます。

本記事で紹介するのは猫弁シリーズの一作目です。


🐈‍⬛あらすじ🐈‍⬛
(amazonの内容紹介を参考にまとめました)
「猫弁」と呼ばれる百瀬太郎はお見合い30連敗中、冴えない容貌、おまけに、ぼんくら。だけど天才。
百瀬太郎は猫がたくさんいる事務所で猫と人の幸せを考えている。そこに「霊柩車が盗まれたので取り戻してほしい」という厄介な依頼が…。



まず「猫弁」という愛称について…
百瀬太郎は東大法学部を首席で卒業した超天才弁護士であるにも関わらず、大してお金にならない猫にまつわる訴訟ばかりを扱っています。
しかも、お人好しのため、困っている猫ちゃんをどんどん事務所に連れてくるので、事務所は猫だらけ。
以上のことから百瀬太郎は「猫弁」と呼ばれています。



🐈感想🐈  

この小説は一応、ミステリーに分類できるとは思いますが、割とキャラクター重視な印象を受けました。
本格ミステリーを期待する方にとっては読み応えに欠けるかもしれません。
ですが、キャラクターの魅力を堪能するだけでもこの作品を読む価値はあると思います。

特に主人公、百瀬太郎は本当に魅力的な人物です。
とにかく…いい人!これに尽きます。 

なんだ普通じゃん、と思う人もいるかと存じますが、
ずっといい人でいるのって結構難しいと思うんです。

いい人でいると他者から良いように利用されたり、そもそもいい人でいることに自身が疲れを感じてしまったり…。

なぜ疲れるか? 
なぜ利用されるのが嫌なのか?
…それは、本当のいい人じゃないからです。

本当のいい人は他人にどれだけ利用されても傷ついたり、頭にきたりしません。
ただ、みんなが幸せならいいって笑っていられます。


百瀬太郎はそういう人物です。

こんな幸福な人物はいないですよ。なんせ怒りを感じないんですから。

この小説を読み返すたびに、百瀬のようになりたいって思うけど、わたしには当分、無理そうです。私は怒ってばっかりですもん。


またシリーズ通して、読み返してみようかな。
いい人になるためのヒントがあるかも。



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