マガジンのカバー画像

唄 / 詩

64
解離性同一性障害、多重人格者です。 紬さんウタさんによる言葉を綴っています。
運営しているクリエイター

#花言葉

見えないのならこの目は抉れてる
聴こえないのならこの耳は切り落とされてる

触れられない人に触れようとする私を
あなたは嘲るでしょうか
人を信じられない私が人を信じようとするのを
あなたは蹴落とすでしょうか

飛べない鳥が囀ずる
私の帰る場所はどこだ

翼捥がれても

檸檬の果実

それがどれ程の想いだったのかを
あなたは知らない。
それがどれ程の事だったのかを
あなたは知らない。

過去は今に。
死の背は今も。

焦げるような想いもあなたには届かない。
焼き付くされるのはいつだってこの身で。

阻むこの壁もいつかは開きあなたのもとへ逝く。

千手岩菲の花

真夏の夕べに狂い咲きの桜
咲けば散ること知っているか

絶望的に愚かな私は
底無し沼でも笑えるか

病窟で膝を抱える
いらぬ命なら焦がれ死にたい

しょうしんに身を委ね
転げ堕ちる先は。

夢であれたら知らぬ振り
欲をかくなら世迷いごと

振り子は揺れ
砂時計が鳴る

松毬薊の恋

時を止めて
この瞬間

ここにある空気
儚いいろは

孤独に堕ちた 爪先の先
ここだよと手招き 灯火が灯る

茂る棘の荊も 歩こうか 歩こうか

灯火が揺れる
たゆたう鼓動

小さく虹がかかった

言の葉越えて 心灯る
拙い声は 何処まで届くか

唄え

蛇も食べない 野茨の花

海岸沿いを歩く
波打際にはまだ遠い

潮の香りが鼻腔を擽る
夏が来たことを知る

白波に誘われるように近づく
夕暮れ時 君の香りがした気がした

焦げるような想いも
今は凪

いつだったか君とした約束が
もう終わりなのだとわかった

じゃあまたねって

たぶん、明日も君は僕と会う

聴け 月下光
とどまること罷り成らん

紡げ 紡げ 紡げ

謳え このちの果てを
踊れ 瞬きの間に誇らしげに

刻め 刻め 刻め

はやる鼓動 秘する事もなし
きょうかい とかす事有るまじき

ただ潜めよ しづしづと
水泡 恐れざる

産声をあげ想い遂げよ 月下香

艶やかに彩る 君の瞳
儚くも瞬く その刹那と刹那

夢のような時間
ひとときも漏らさない

欠片と欠片 差し出しあって
幸せの余韻を手繰る

まるで繊細な糸を紡ぐように

果肉に護られた君を
刺ごと食べたいと言ったらどうだろう

咲き誇るのは 孔雀仙人掌

ずっと君は僕のもの