nana6fu

事業失敗から介護のアルバイトを始めました。自殺未遂、などなど波乱の人生です。

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最近の記事

緊急事態宣言とオリンピック

2021年7月。新型コロナウィルスの第五派が現実となった。感染者数がみるみる増加していることを連日のテレビニュースで報道される。梅雨も明け、猛暑の夏が今年も来た。マスクをするのも非常にきつい。外を歩いているときはマスクを外して、店に入ったり、電車に乗るときにマスク着用のように自分なりに調整するようになった。街を見渡しても、4月の頃のような外出を控える人はいなくて、マスクは着用しているけど、普段の日常になっている。国民はオリンピック開催について疑義を唱え、オリンピックに関わる人

    • 死生観

       新しい施設2日目、食堂に集まった90名近いお年寄りの食事介助だ。こんなの学生時代に見た光景だ。 介助が必要ない人は黙々と食べて、テレビを見ている。僕はその日、ある男性を担当することになった。 その人をAさんとしておこう。Aさんは胸にボンベを埋め込まれている。ガリガリにやせ細った男性だ。だから、へっこんだ胸のど真ん中に土管のようなボンベが内部からボコッと飛び出ている。鼻からチューブが通って、口癖が 「もう食べられないヨォ・・・横になりたいよ・・・」である。 無理にでも食べよう

      • 解釈力

         5月から個人的な事情で他の施設にアルバイト先を変えた。 本業の予定と介護アルバイトの予定、すっぽかすニアミス的なヒヤリを経験してしまったので、自宅から数分のところにある 有料老人ホームにアルバイト先を変更した。今まではグループホームという小規模の施設だったが、そこでは90名ほどの認知症の老人を相手にする施設だ。今までの感じとはだいぶ異なり、ヘルパーの数も多いし、ちょっとした病院みたいな感じだ。 一日中お風呂介助を行ったり、トイレ介助をすることもある。掃除や居室清掃は専門のス

        • 看取り、さよならが言いたくて

           4月29日、3回目の緊急事態宣言が発令した。ゴールデンウィークは外出しずらい空気になってしまった。まぁ、俺は金もないし余裕がないから特に何もないけどね。午前中に本業で作業した案件の請求書、税金関係の支払いを済ませ、午後、夜勤に向かう。8月からほとんど夜勤専従の形だけど、体には堪える。 夕方4時頃施設に到着。フロアにEさんの姿はない。早番、日勤帯のスタッフが慌ただしく、Eさんの居室に出入りしている。 Eさんの家族が来ているようだ。ベッド上に横たわるEさん。ドア越しに夜勤準備を

        緊急事態宣言とオリンピック

          死期が近い?

           4月に入っても、新型コロナウィルス感染者数に収まりがつきそうもない。毎日、テレビや新聞、ネットニュースでは、大阪で1000人を超える感染者数。蔓延防止を!緊急事態宣言をもう一度!のような文字が踊る。 僕の方は、地味に仕事が入ったり、消えたりを繰り返しているが、以前のようなピタリと動きがない状態ではなさそうだ。介護を続けながら、新しいチャンスを探さねば。夜勤出勤前に編集、夜勤に向かう、夜勤明け、事務所に戻り再度編集。そんな日々が続いている。ぶっ倒れそうだし、それでもお金は減っ

          死期が近い?

          老人と性の問題

          ある日、ヘルプで別事業所に行った時の話だ。 「あ、nanaさん、私今月で辞めるの。研修で色々ありがとうございました。」 と退職を告げてきたのは施設で介護士をしている19歳の女の子だ。しかも正社員として勤務している子で、介護研修ではとにかく熱心に質問をしたり、実技でも率先して取り組んでいたのが印象的な子だった。そんな前向きに介護という世界に取り組んでいる人間が、辞めるだなんて驚いた。まぁ、給料が安いからかな、なんて思って辞める理由を聞いてみたのだが、お金ももちろんあるけど、どう

          老人と性の問題

          新たな目標

          なんだかんだと介護が1年続いた。自分の心の弱さから1ヶ月で逃げ出すと思い、一ヶ月分の給料をもらってまた、その後はその時考えよう、自分には務まらない、と思って一日、一日気がついたら一年。本業の動画制作は社員もいないし、たまにくる番組制作だったり、知り合いからの発注をこなすくらいになった。動画というジャンルは好きだし、スポンサーさんに対する営業も苦ではないので企画を考えたり、営業したり、枠を選んだりすることで今の自分の状況でできることをやっていこうと思う。とは言え、現状では大それ

          新たな目標

          看取り〜お別れの時

          年明けにある一人のおばあさんが、看取り契約となった。看取りとは、症状の改善が見込めず、かといって医療行為による延命も難しいため、穏やかに過ごしていただいて、施設で最期を迎えることを了承してもらうことを言うらしい。 そのおばあさんをMさんとしておこう、、Mさんのご主人は有名な大学の教授でご本人も家庭科の先生をしておられた女性だ。 今はほとんど言葉も話せず、たまに 「そうね」 「はい」 「ふふふ」 などの言葉を発するくらいで、身体もダラーりと力なく立つこともできないため、ベッド上

          看取り〜お別れの時

          身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ

          2月に発令した緊急事態宣言の延長が決まった。そして、麻生財務大臣が、持続化給付金などの給付政策に後ろ向きな発言をした。わずかばかり期待していた現金給付が消え、心がまた一つ折れた。 淡々とした毎日を送る。もはや介護の仕事以外今月は本業の仕事はない。来月にまたテレビの制作が入った。 でも今月はない。施設に行くと、入居者のおばあさん達が待っているのがせめてもの救いだ。本当はこんな仕事やりたくはないが、それしかない、しかも、そのやりたくない仕事をしている時間こそ一番嫌なことを忘れたり

          身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ

          空襲、生きた教科書

          今年もあとわずか、振り返ってみれば本業では振るわない、銀行の担当者も匙を投げる、そんな一年だった。 たまに入る番組の制作、取材、それ以外は全て介護士としての仕事、夜勤、空いた日は初任者研修の研修日。 俺は介護の専門家にでもなるのか?とても自分には務まらないと思うけど、今必要としてくれているのが介護しかないから。。。  さて、毎回夜勤に車で向かう途中、国道に面した神社で車を止めて、本を読んだり、ゲームをしたり、営業のメールを打ったり、時間を潰すのがちょっと楽しみである。夕方に出

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          古本屋Eさんの教養

          2021年も一月半ば、夜勤以外の早番という、介護バイトを最初に始めた時のシフトに入ることになった。 久しぶりだ。6時には施設に到着していないといけないので、朝は4時起き。これは非常に緊張する。寝坊などしたら大変だ。 めざましで4時にセットしたにも関わらず、その1時間前の3時に目が覚めてしまった。ま、いいか。風呂を沸かしてあったまりながら、今日の介護を想像する。みんな元気かな。久しぶりの早番だから忘れてないか心配だ。  さて、機材車としてリースしているワゴンRに乗り込みいざ出発

          古本屋Eさんの教養

          NHK紅白歌合戦

          大晦日から元旦の夜勤を担当した。 少しでも時給が高いボーナス設定なので、みんなが休みたいときに会えて出勤を申し出た。 来年は良い年であってほしい。  さて、夕食後、テレビをつける。当然、おばあさんたちは紅白歌合戦を楽しみにしている。 NHKを選んでその間食器を洗う。そのとき、フロアから 「音が小さくて聞こえないよ!」とお叱りの言葉が飛んでくる。 行ってみると、ボリュームは55なので十分デカい音量だ。でも、音が小さいと言われる。 画面はキンプリが熱唱していた。 「なに言ってんの

          NHK紅白歌合戦

          尽くす女

          夜勤も何度か経験すると、夜勤をやってくれるスタッフが少ないということで、夜勤専門のシフトかと思うように、 17時から翌朝10時までというロング勤務である。 デイタイムとは異なり、19時を過ぎると各々の居室に入って休むので、フロアは自分一人、部屋の照明を落として静かに見守り、巡視、排泄介助、洗濯、掃除などを行うのだ。  結構暗めのフロアでのフロア掃除は好きだ。トイレ掃除も嫌いではない。黙々と作業することで、自分の置かれた現状を忘れることができるからだ。しかし、夜勤は自分一人しか

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          認知症のフリ

          ジャック・ニコルソン主演「カッコーの巣の上で」という映画がある。精神病を装って楽な施設でなんとか乗り切ろうとする精神は正常な犯罪者の話だったと記憶している。大雑把で申し訳ない。そんな映画がある。 11月からあたらしくフロア異動となり、より面倒な入居者さんがいる場所で仕事をしている。家事の経験もない役立たずの男ができないのにできるようになんとかやりくりをするのだ。今日も夜勤。正直やってられない、と思う毎日だが、それしか仕事がない。自己破産するかどうかの瀬戸際。その決断を1日でも

          認知症のフリ

          やらされ感からの脱却

           普段の仕事以外に、なんでこんなことを無給でやらなきゃいけないんだよ、それをやらせるなら別途でお金を出さないと やってられない。会社は、都合よく社員を使いすぎだ。そんな気持ちになることはないだろうか? 確かにそのような考えになることは僕もある。  しかしちょっと待って欲しい。ここでそのような余計な作業なり、活動をあえて無給ですることにはあなたにとって プラスの面もあるのだということを考えてほしい。 日々のルーティンでやっていることに埋没していると、あなたから生み出されるものに

          やらされ感からの脱却

          紫とうがらしの花が咲いた

           ここのところ続いた暴風雨で、大切に育てていた野菜たちがメタメタにやられてしまったのだが、 ある朝ベランダに出ると思いも掛けない光景を目にした。  ぐにゃりと曲がっていた紫とうがらしの枝が少しずつまっすぐ上に向かって伸び始め、花が咲いているのだ。 それだけではない、折れた枝の付け根から新たな芽が出てきたのだ。 ひょうたんも必死に支柱にツルが巻きついて耐えきっていたのだ。  その時思った。うまくいかないときは、不恰好に折れ曲がってもいい、ポキっと折れてしまわなければ、 今は不本

          紫とうがらしの花が咲いた