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NHK紅白歌合戦

大晦日から元旦の夜勤を担当した。
少しでも時給が高いボーナス設定なので、みんなが休みたいときに会えて出勤を申し出た。
来年は良い年であってほしい。
 さて、夕食後、テレビをつける。当然、おばあさんたちは紅白歌合戦を楽しみにしている。
NHKを選んでその間食器を洗う。そのとき、フロアから
「音が小さくて聞こえないよ!」とお叱りの言葉が飛んでくる。
行ってみると、ボリュームは55なので十分デカい音量だ。でも、音が小さいと言われる。
画面はキンプリが熱唱していた。
「なに言ってんのか何にも聞こえないよ。音が小さいよ。」
おそらく・・・滑舌の問題?でも少しだけボリュームを上げた。
「ああ、やっと聞こえた。ありがとう」と言われ、洗い物に戻ろうとしたら次の歌手で
山内惠介が出て、恋する街角を歌い始めたら、
「ああ、よく聞こえるよ。ありがとう!テレビが壊れてるわけじゃないんだね」
 歌手の実力を素人ながら感じたのであった。
やはり、昭和に現役時代を生き抜いて来たおばあさんたちは、発言も微妙にヒヤヒヤする。
「この歌手は、男が趣味なんだよ。」
耳が遠いおばあさんが
「え!?男?男がなんだって?」
「あの歌手は、男なんだけど、女じゃなくて、男が好きなんだよ!!」
「男が好き!?わけわかんない!」
このやり取りを大声で繰り返すので、他の女性スタッフが
「うん、うん、人間はいろいろだから、あまりそういうことは・・・ね?」
とやんわり注意しても
「なに?わかんない。トイレ!?」
俺、こんなとこでなにやってるんだろ。
とにかく、2021年は良い年にしたい。

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