確かに、笑い、には、相手を茶化す場合も有りますから、線を引く事が難しくはあります。
テレビのバラエティ番組では、イジる役目のタレントが、イジられる役どころのタレントを、派手にイジります。
それは勿論、エンターテイメントショーなので、皆、職業としてイジるし、仕事としてイジられる訳です。
つまり、両者の合意の上で、視聴者を楽しませる為に、やっています。
昨今の固定されたイジられ役のタレントを、よってたかってイジるお笑いを、好きかどうかは、脇に置いて、
あの手法をそっくり実生活で真似たなら、傷つく人は少なく無い、と思います。
ところが、友人関係や親子関係に於いても、イジられ役を固定して、ある時は盛大に、ある時はチクチクと、イジる場面はいくらでも有る、と思っています。
先に、線引きは難しい、と言いましたが、ショーでは無く、実生活では、一線を越えたイジりを、
冗談とか、ユーモアという名目に包んで、行います。
そして、一度役どころが固定されてしまうと、関係性が終焉を迎えるまで、繰り返される事が常です。
全部がそう、とは言いませんが、冗談めかして一線を越えたイジり方をされる人は、家庭でイジられ役の人が、友人関係でも、同じ様にイジられる役目になっている場合が、少なく無い様に思っています。
遠慮して、イジり、と言っていますが、友人関係で、される方が傷つけば、それは、いじめ、ですし、
家庭内であれば、心理的虐待、です。
いつもお話ししていることではありますが、家庭で心理的虐待が起こる原因は、虐待される子供には無く、親の心、にあります。
虐待する親は、自分が抱えている心の傷から目を逸らすことでいっぱいいっぱいで、子供を一人の人として尊重出来ないばかりか、子供を心の傷から目を逸らす道具にしてしまいます。
目を逸らすことでいっぱいいっぱいな親は、自分が子供を道具として扱っていることには、気がつきません。
むしろ、自分は愛情深い親だ、と信じ込んでいます。
子供は、生まれた時から、そんな親子関係しか知りません。
親は、子供を貶め、自分より劣った存在という役割を負わせることで、
自分の価値が上がった様に思うことに、中毒になっています。
子供を貶める方法は、怒ったり叱ったりするばかりではありません。
楽しげな子供に冷水を浴びせる様なことを言ったり、
人前で恥をかく様に仕向けたり、
子供の心を傷つけ、子供の自尊心の芽を、踏みにじる様なことをします。
幼い子供にとっては、親が世界の全てですから、子供は踏みにじられる役割に、疑問を持つことすら無く、自分はこういう存在だ、と思い込みます。
その子が、幼稚園や学校で友人との関係性が出来ると、
親子関係で得た、踏みにじられることで居場所を得るコミュニケーションを、そのまま取ります。
慣れ親しんだ、劣った存在、のポジションに、無意識に、納まります。
いじめる子も、親から無価値な存在として扱われた子が大半ですが、
家庭と同様の、親から踏みにじられるポジションに納まる子と、
親の様に、踏みにじる側に立つ子に分かれます。
どちらの現れ方をしても、同じコインの表と裏です。
コインの表と裏は引き合います。
踏みにじる子は、踏みにじり易い子を的確に探し出します。
踏みにじられる子は、踏みにじる子に引きつけられます。
共に、親のネガティブ感情に巻き込まれて育ったので、無意識のうちに慣れ親しんだ香りのする相手を選び出し、引き合います。
お互いに引き合う上に、親子関係の中で、自分の、価値、は何処かに置いて来てますから、
イジる方も、イジられる方も、人としての尊厳に鈍感です。
平気で心をえぐる様な言葉をぶつけ、傷つける行為におよびます。
傷つけられる方も、生まれた時からの慣れ親しんだ扱われ方なので、自分が傷ついていることに無頓着だったりします。
本当は、傷み、苦しんでいるのに、それになかなか気がつくことが出来ないのです。
踏みにじる子は、二人でいる時は優しかったりもします。
ただ、そこに他の友人も混ざって、四、五人になったら、楽しい気分をへし折る様なことを言ったり、恥をかかせる様に仕向けたりします。
親と同じ行動パターンをとります。
親と同じ様な行動をされると、生まれた時からそうであった様に、踏みにじられる子は、受け容れてしまいます。
いじめられる子は、転校してもいじめられる場合が少なく無い、と感じています。
親とのコミュニケーションがその子の人間関係の雛形になってしまうのですから、
場所が変わっても、同じ様な立ち場に陥る場合もある、ということです。
付き合う友達を選ぶことは大事、と言います。
それは間違いの無いことですが、その子の友達選びの基準は、親子関係によって培われます。
子供の生きづらさの根っこは、親の心に伸びているのです。
読んで頂いてありがとうございます。
感謝致します。
伴走者ノゾム
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