見出し画像

お金は必要だけど、一番大切なものじゃない

その時代に生きた訳ではありませんから、多分そうだったのだろう、という憶測ですが、

太古の昔、文明と呼べるものが無いぐらいの頃、人間は、

きっと、力が強い者、身体が大きい者、などが群れを牛耳っていたのではないか、と思います。

やがて、他の動物からは大きく秀でた、考える力、を持つ人間は、

威嚇したり、力を誇示したり、戦ったりしなくても、群れの治安を守りつつ、統治したり、序列を作る術として、通貨や貨幣制度を創り出しました。

この地球上の生きとし生けるもの、約140万種の中で、お金を使うのは唯一、人間だけです。

思うに、人間が神から最も遠い存在になった要因は、

考える力が突出していることと、お金を使うこと、ではないかと思うんです。

万物を創造した主にして、これほどまでに、人間が賢く、同時に愚かしいことを、想像しなかったのではないか、と思っています。

人間がお金を創り出し、お金を使う仕組みを作る程賢く、
そのお金が全てであるかの様に思い込み、お金に使われる程、愚かしい生き物であったことは、

創造主にして最大の誤算だったのではないか、と思っています。

確かに、食べ物や、繁殖の機会を力に物を言わせて、奪い取る様なことは、少なくなったでしょうが、

お金を奪い合って、生命を取ったり、取られたり、ということは沢山ありますし、

お金を使って飽食に溺れ、お金に物を言わせて、性を貪ることは、
直接的な腕力に頼るか、そこにお金を介在させるか、の違いであって、

原始的な欲望を満たすことには、なんの変わりも無い様に思えます。


ただ淡々と粛々と生を全うする、人間を除く動物たちは、自然に沿った在り方ですし、
それは、神が存在するならば、そこに近い場所での生の営みに思えます。

人間は自然から離れ、神から最も遠い生き物になった気がします。


安全、統治、円滑を思って創り出したであろう貨幣制度が、
時に人間の原始的な欲望の拡大鏡になってしまうことは、皮肉としか思えません。

残念なことに、人間の歴史は戦争の歴史でもあり、安全、統治、円滑をひっくり返す殺戮を繰り返します。

おぞましいことですが、その戦争すらビジネスと結びついていることを、

神から最も遠い生き物の、愚行、と言わず、なんと表現すれば良いのか、と思います。

それでも私達は、現代に生まれ落ち、資本主義社会に生きています。

だから、

お金は必要なもの、ですが、

一番大切なもの、ではない、

そう、思っています。


人間に欲望があるのは、事実です。

また時に、その欲望が、巨大な推進力になることも理解しています。

しかし、

その推進力ばかりに目が行って、

ネガティブな面を忘れ、

お金が全てだと思う人が多すぎる様に思ってます。

戦争、犯罪、遺産を巡る骨肉の争い、

お金が欲望を拡大します。


結局、より良く生きるにも、賢くお金と付き合うにも、

自分の中に、確かな【自分】という意識、を持つことが必要なのだと思います。

怒りや悲しみや、罪悪感、無価値感、といったネガティブな感情も、そして、欲望も、

私達は、一人残らず持っています。

それを、野放しにせず、無意識にネガティブ感情や欲望に呑み込まれるのではなく、

意識のテーブルに並べ、確かな【自分】という意識、の目で、

はっきりと見定めることが、必要なのだ、と思っています。

ネガティブはある、と認めて尚、呑まれない、
欲望はある、と認めて尚、呑み込まれない、

それがより良く生きることに繋がると信じます。




お金や経済の仕組みは、人間が文化的に生きる為に人間自身が作り出したものであり、

自然界の大いなる生の営みに、後づけ、で人間自身が付加したのですから、

人間らしく生きることと、大自然の仕組みから離れてしまうこととは、トレードオフの側面もある、と思います。

だからこそ私達は、一人ひとりが、自分、を持って、お金と賢く付き合うこと、を忘れてはならない、と思うのです。

賢く付き合う意識を失くし、

自分たちが、後づけで作り出した、お金、に呑まれてしまった時、

便利なツールは、欲望の拡大鏡となって、人間に牙を剥きます。

お金のブロックを外す、などとよく耳に目にします。

その意識は必要だし、有用だと、私も思っていますが、

その意識や良し、として、

但し、お金は必要だけれど、

一番大切なものではなく、

私達が使うツールであり、

私達が呑まれて、使われて、支配されてはならない、と思うんです。

自分達が創り出した便利なツールに、

使われてしまっては、つまらない、

そう、思っています。


読んで頂いてありがとうございます。
感謝致します。


伴走者ノゾム







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?