なまのーと

小説保管庫(๑•ᴗ•๑)

なまのーと

小説保管庫(๑•ᴗ•๑)

最近の記事

【短編小説】咲き誇れない

 自転車はスピードを加速させて勢いよく坂を下って行く。下り切ると遠くに蛍光灯の光が眩しいコンビニが見えてくる。その光を見たとき、僕は無意識にブレーキレバーを握っていた。  風呂が沸いた事を知らせるブザーがキッチンのほうから僕の部屋まで聞こえてくる。僕は重い腰を上げ、テーブルの上に置いてあったスマートフォンを掴み取ると、洗面所へ向かう。Tシャツを頭から脱ぐと、腐った油を生乾きの雑巾に染み込ませたような臭いが鼻をかすめた。履いていたジャージとパンツを脱ぎ、それらをまとめて洗濯籠

    • 【短編小説】夏のひとおもい

       季節は加速し、夏休みが近づいた。  僕はクラスメイトが疎らになっていく教室のなか、文庫本を開げると読んだ。内容なんてこれっぽっちも頭に入ってはこなかった。それはうるさく鳴く蝉の声のせいなんかではなかった。単純な想いがひとつ、あるだけだった。  二階に位置する教室の開け放った窓からは生暖かい風が吹き込み、入道雲のそびえる空がいっぱいに広がっていた。  僕が教室に残っているのは本を読みたいからなんかではなかった。実際、僕は滅多に本なんて読まなかった。教室を出る友人に、「ここの

      • 【ネタバレ無し】「君たちはどう生きるか」かんたんレビュー

         この映画は商業的に成功させようとは1ミリも思ってない。  少なくとも宮崎駿はそういう思いで作っただろうな。  スタジオジブリがパヤオの冥土の土産にと好きなように作らせてあげたって感じ。  宣伝広告を一切しなかったっていうのも、そういう戦略っていうよりは、鈴木敏夫もどう宣伝すればいいのかわからなかったんじゃないかな。  売れる映画だとはとても判断できなかったんだろう。  まずストーリーが意味不明。てか無茶苦茶。  もしストーリーを理解出来たって奴がいたなら、そいつは嘘つき

        • YouTube再開した【なまろぐvol.13】

          ども、ちゃんなまです。 いきなりだけどこの三日くらいメンタルの調子がすこぶる悪い。 まーきっと時間の問題だと思うけど。 んなことより、 YouTube再開しました! てめー何回休止して再開してんだよ、って思われたことでしょう。 でも、こんどはガチだ。 ほんとに復活した。 もう休止はしない。 僕がそう決めた理由はこれだ。 5ちゃんのこのレス。 僕は思った。 あそっか、日常をただ上げればいーんだって。 バズるかとかは知らん。 たぶん伸びねーだろう。 し

        【短編小説】咲き誇れない

          逆境人生の波に乗れっ!🌊【なまろぐvol.12】

          ちゃーーーっす!! なまさんです 今結構大問題起きてるんだけどそれに関しては後々語ります。 今日の本題は! 逆境という荒波を乗りこなすクールなサーファーになりたいってお話🏄‍♂️ 僕のことを知らない方に簡潔に自己紹介すると、 今年34歳になる元10年ヒッキーの精神障害持ちフリーターで社会不適合者っす。 まあ優劣的なの付けるとキリないんですけど、とりま人生わりと逆境っす。 でもさ、やっぱり僕ってネガティブの皮を被ったハイパーポジティブ人間だから、こー思うんだよね。

          逆境人生の波に乗れっ!🌊【なまろぐvol.12】

          インターネットエクスプロージョンっ!!🔥【なまろぐ vol.11】

          どもちわっす! ちゃんなまでごわすっ!最近あちーね!☀️ んでもってムシムシするし!!! とっとと梅雨明けねーかな。 僕は季節のなかで1番夏が好き。 なんだか青春っぽいから。 あと花火とかあるから。あとやっぱさ! 夏特有の切なさみたいなやつあるじゃん! サマーウォーズとか時かけとかそんな感じの! あの特有の雰囲気が大好き でもそれでいうと冬も好き。雰囲気は。 寒いの嫌いだから夏のが好きなのかもね🍉 そういう空気感を出せる小説を書きたいっていつも思ってんだけどなかなか

          インターネットエクスプロージョンっ!!🔥【なまろぐ vol.11】

          フォロワー1人減ってんぞ殺す【なまろぐ vol.10】

          おいっ!!!!!!! 30人から29人になってんじゃねーか!!!!!とか言ってまーぶっちゃけどーでもいーんだけどさ。 ただ、僕の才能を見抜けなかった奴がいたのかこの30人で!!!!って思うと、なんかねーーーー。 まーいるか、そんな奴も。 ぜってー後悔させてやるからな。 見てるかおい。見てねーか、外してるから。 僕はTwitterだろーがインスタだろーがなんだろーがフォロー外した奴全員後悔させてやる。 フォローってか僕を応援しなくなった奴全員後悔させてやる。 僕の視野の

          フォロワー1人減ってんぞ殺す【なまろぐ vol.10】

          運命の導き!!【なまろぐVol.9】

          ちすちすちーっす!!!!!!!なまちゃんだーーーっ!!!どうよみなさん最近。 人生擦り減らして生きてますか? 僕はやっぱ燃えてんねっ!!!!!!🔥 日本文学史に名を残さねーといけねーから!!!!つーかnoteのフォロワーってどーやって増やすの??  30人から全然増えねーんだけど。1000人とかいる奴ってなんなの???? そんな面白い事書いてんの??? もっと増えろやおかしーだろ。 まいーや。 今回のなまろぐは何がいいたかったかっつーと、いま公開してる小説のうち一作

          運命の導き!!【なまろぐVol.9】

          【中編小説】向日葵の日々

          1  常人であれば居酒屋の厨房内くらいでしか見る事のないであろう四リットルのボトルに詰められた焼酎を、これも常人であれば見る事のないプッシュ式のディスペンサーからグラス内へと落とし入れる。注ぐ、というよりは、落とす、という表現のほうが正しかった。グラスの半分ほどまで焼酎が満たされると、そこに一リットルの紙パックに入った緑茶を注ぐ。元が二十五度の焼酎であるから、十二三度の緑茶割りが完成した事になった。酔いが回り始めていた事で注ぎ口がグラスから外れ、テーブルの上に酒が溜まった。

          【中編小説】向日葵の日々

          孤独な聖戦のなかで生まれる奇跡【なまろぐvol.8】

          ちわっす!!ちゃんなまだ。 最近ツイキャスもしてねーしみなさん僕のことを心配している頃だろーと思う。 今僕は自らの精神障害と壮絶な聖戦をしつつバイトをし、小説を書いてる。配信してる暇がねーんだ。 でも元気だから安心してねっ! なんか今年は良い一年になる気がしてる。 てか既に良い感じだ。 精神障害も小説も良い方向に向かってる感がある。 久しぶりに初詣なんか行っちゃったりしたからそれのおかげなのかもしれない⛩ 常人であれば参拝の時、自分の願い事なんかをいう事だろう。 しか

          孤独な聖戦のなかで生まれる奇跡【なまろぐvol.8】

          【短編小説】ボート小屋の少女

           窓から照り付ける陽光のせいか、僕はいつもより数時間も早く目を覚ました。  僕は寝る前の習慣として、毎回きちんと部屋の全てのカーテンを閉めることにしているのだけど、昨日はたまたま忘れてしまっていたらしい。たまの休日なのだからもう少し寝ていようと思ったけれど、こんなに早く起きることも珍しいのだし、僕はそのまま身を起こすことにした。  外からは、窓を通して耳をつんざくような蝉の鳴き声が聞こえてくる。八月ももう半ばだというのに、僕はこのとき初めて夏の到来を実感した。仕事の忙しさのあ

          【短編小説】ボート小屋の少女

          ノーベル文学賞をぶち獲るっ☆【なまろぐvol.7】

          ちはこんっすっ! なまちゃんだ!!!!!最近はもっぱら新作小説の執筆に勤しんでますっ! 基本バイトだから通勤の電車ん中とかで書いてる。 だから最近スマホで書くことが多い。 意外とスムーズに書けて驚きだ!!! 昔は筆、タイプライター、ワープロ、現代はスマホで小説が書ける時代が到来したっ!!! 時代は目まぐるしいスピードで回ってく。 小説を書く為に振り落とされないように生きていかなきゃっ!新作は僕の初の長編になります。 内容はおっさんと少年の心温まるヒューマンストーリー。 今

          ノーベル文学賞をぶち獲るっ☆【なまろぐvol.7】

          【短編小説】変革

           毎週欠かさずに聴いている深夜のラジオ番組が終わり、僕はラジオの電源を切ると、蛍光灯の消えた暗い部屋の中で一人、何故に自分は二十四年間もの間童貞であるのかと、改めて考えてしまうのだった。  容姿に関しては、決して悪いほうではないとの自負があった。良くもないが悪くもない、客観的視点に立ち点数を付けるのなら、凡そ六十点といったところであろう。しかし、容姿というものは彼女を作り自らの童貞を捨てるという目標を達するまでの要因としては、それを満たしていないであろうと思う。それは、街中を

          【短編小説】変革

          【短編小説】花火

           僕はずしりと伸し掛かる重い夜の下にいた。蒸す暑さは、夜になってもしぶとく残り続けた。  僕の足は僕を前へ進ませる為だけに動いた。意志などといったものはまるで無関係だった。  すれ違う人々は様々だった。友人と二人して歩きながらからからと笑う、恐らく僕と同じ年頃であろう青年、野球帽を浅く被り、顔にまるで感情を浮かべずに歩く四五十代であろう男、学校帰りと思われる、大学生らしき女。僕にはその一切が醜く、下らない存在に思えてならなかった。この時の僕であれば、浮浪者が通り過ぎようと、僕

          【短編小説】花火

          【短編小説】咲き誇れない

           自転車はスピードを加速させて勢いよく坂を下って行く。下り切ると遠くに蛍光灯の光が眩しいコンビニが見えてくる。その光を見たとき、僕は無意識にブレーキレバーを握っていた。  風呂が沸いた事を知らせるブザーがキッチンのほうから僕の部屋まで聞こえてくる。僕は重い腰を上げ、テーブルの上に置いてあったスマートフォンを掴み取ると、洗面所へ向かう。Tシャツを頭から脱ぐと、腐った油を生乾きの雑巾に染み込ませたような臭いが鼻をかすめた。履いていたジャージとパンツを脱ぎ、それらをまとめて洗濯籠

          【短編小説】咲き誇れない

          【短編小説】イン・ザ・ガール

           先生の話ってどうしてこうもつまらないんだろう。きっとしょうもない人生を送ってきたからなんだろうって私は思う。なんていうか、内容に重みがないっていうか、それこそ言霊みたいなものが宿ってないって思う。だからクラスの皆が好き放題くっちゃべったり、スマホでゲームなんかをしちゃうのもしょうがないよね、って感じ。まあ、私はきちんと先生のほうを見て真面目に聞いたりしちゃってるんだけど。  べつに私だってこんなしょうもない話を聞きたいわけじゃないけど、くっちゃべるような相手もいないし、なん

          【短編小説】イン・ザ・ガール