【手品師10人に取材してみた!あなたの40分をわたしにください。No.5SANTAさん】

【手品師10人に取材してみた!あなたの40分をわたしにください。No.5SANTAさん】

この企画は、いま気になっている手品師さん10人に、好きなモノやコトなど知りたいことをLINEのチャットで40分間取材するものです。

今回は、世界各国を飛び回り、異色の才能を持つ個性派マジシャンSANTAさんを取材しました。


【SANTAさんプロフィール】
Twitter:https://twitter.com/johannvgvgvg
Instagram:https://instagram.com/santamagic2019?igshid=1ju8zl913gr6n
Facebook:https://www.facebook.com/johann.sandy.9
SANLY'S:https://www.sanly-s.com/about
トイマジシャン、グラフィックデザイナー、役者。BS 日テレ「Mr.マリックが厳選 次世代マジシャン神業列伝」、テレビ朝日「オスカル!はなきんリサーチ」などのテレビ番組に出演。その他独自のショーを多数開催し、 国内外でのコンベンションにゲストとして呼ばれさまざまなパフォーマンスを披露。そのオリジナリティかつ奇抜な演技スタイルで、世界中にファンは多く、様々な雑貨やおもちゃを駆使してマジックを演じることから『Toy magician』『マジック界の錬金術師』などの異名を持つ。



(岡村) ずいぶん前からSANTAさんのこと気になってて、今回取材OKしてくださって、すごく嬉しかったです!さっそく質問なのですが、手品に出会ったのはいつごろですか?

(SANTAさん) 始めたのは17歳の時、高校2年生の終わり辺りです。

(岡村) そうだったんですねー!手品に出会ったきっかけはなんでしたか?

(SANTAさん) そのときすごく好きな人がいて、でもその人に振られたんですよ。それでやることもないので、気晴らしに家でYouTubeを観ていました。そのときにセルフワーキングのカードマジックの種明かし動画を見つけたんです。
目の前にはたまたま100円均一で買ったトランプがありました。そのとき、わたしが保育園に通っていたころ、Mr.マリックさんをTVで見て、将来はマジシャンになりたいって言ってたことを思い出したんです。しかし言ってはいたものの、それから11年何もしなかったのですが、好きな人に振られた17歳のときにちょっとマジックを覚えてみようと思ったんです。そしたら心が沈んでるのもあってなのか、ものすごい勢いでハマって。それからYouTubeで見ることができるマジックの動画を毎日見漁りました。今や「種明かしYouTubeで始めた」なんてあまり大きい声では言いづらくなりましたけど(笑)

(岡村) ほえー...。「手品への目覚め」みたいな感じでかっこいいですね!

(SANTAさん) 6歳のときに「将来マジシャンになる」って予言してたってことですね。

(岡村) 面白い!(笑)手品を始める前と始めた後で、手品に対する想いはとのような変化がありましたか?

(SANTAさん) 始める前というか、始めた当初は、ただの趣味にしようと思ってました。YouTubeを見るたびに上手い人がめちゃくちゃいて、この人たちには勝てないと...。
人に見せ始めたのは、練習し始めてから9か月くらい経ったとき。最初は家族にしか見せてなかったです。いきなり友達に「マジックやるよ!」なんて恥ずかしくて言えなかったので。でも卒業式の少し前あたりから友達にも見せ始めました。そしたらそれが先生たちにバレて、卒業式の前日に先生たち15人くらいに教室で見せることになったんです。
思い出せばあれが始めてのショーでしたね。手は震えるし失敗するしでダメダメでしたが、そのときそれを見てた国語の松下愛理先生が俺に向かって言ったんです。「それはプロになったほうがいいよ」と。それから自分はうまいと勘違いし始めました。真衣さんの質問の答えになってるかわからないですが...。

(岡村) 全然大丈夫です!すごく面白いです!

(SANTAさん) マジックを始める前は、マジシャンは魔法使いか何かだと本当に思ってました。しかし、今は魔法使いはいないってわかってしまって少し虚しいです...。

(岡村) 「魔法使いはいない」と感じたのはなぜですか?

(SANTAさん) 全てにタネがあると知ったからです。もう純粋な気持ちでは見られなくなりました。

(岡村) なるほど〜。

(SANTAさん) マジシャンは1番マジックが好きなのに、もうマジックを見て本当の意味で驚くことができないのは、本当に悲しい生き物だと思います。

(岡村) へへへ、面白いですね。でもすこし切ない。SANTAさんは、よく海外へ「手品の修行」(?)をしに行ってる印象があるのですが、現地ではどのように過ごしていますか?または、どんな出会いがありましたか?

(SANTAさん) 基本海外に行くときはホテルとか、宿は取らないで行きます。これは単にどっかどうにかなると考えているからで、今までどうにかなってきたから。この前3か月くらいスペインに逃亡したときは、一応泊まってもいい家をなんとか見つけて。でもせっかくだからいろんなところに行きたかったので、各所で家を探しました。スペインのマジシャンはみんなわたしを迎えてくれて、野宿は1度もなかったです。毎日が奇跡のような3か月でした。3か月の間に約150人のマジシャンに会いましたが、どの方々も素晴らしい世界を持っていて、優しくて、全ての人に感謝しています。

(岡村) わぁ〜!とっても楽しそうですね〜!その中で特に印象に残ってる方はいらっしゃいますか?

(SANTAさん) たくさんいますが、やっぱり1番いろんなことを手伝ってくれたフェルナンドですかね。彼とは本当にいろんなことがありました。フェルナンドは家のひと部屋を3か月貸してくれた人で、スペインでは有名なメンタリストです。たくさんあって書ききれないですが、彼はわたしにトイマジシャンという名前を付けてくれました。

(岡村) はぁーーーーー、素敵ですね。

(SANTAさん) それからマリオロペスのお家でセッションをした時、すごい星空をみて言ったんです。「お前はマジックを感じるか?俺は感じる。これがマジックだ」と。あんなに素敵な夜は今までありませんでした。

(岡村) うぅーーーーー、すごくロマンチック。

(SANTAさん) マリオともいろんなことがありました(笑)大丈夫なら書きます(笑)

(岡村) ぜひお聞かせください!

(SANTAさん) マリオはわたしをいろんなコンベンション、フェスティバルに連れて行ってくれました。そして何度もわたしを彼と同じ舞台に立たせてくれました。マリオの師匠にも会わせてくれました。1週間ほどマリオの家に泊まっていたとき、すごい悲しいことがあってわたしは涙が止まらなくなったんです。でもそれはマリオ達とは全く関係のないことで。そのときマリオがわたしに「楽しい音楽を聴こう」といってビールを飲みながら、マリオ、わたし、マリオのベイビーと息子と踊りました。それから1か月後、違う町で会ったマリオに別れ際こう言われました。「1か月前のお前は俺の家で泣きやがって、俺のベイビー達も泣いてるわで本当にカオスだったよ。でも今のお前は幸せそうだ」と。それからマリオと3度ほどハグをしました。

(岡村) 素敵...。

(SANTAさん) ミゲルムニョスにも本当にたくさんお世話になりました。彼は毎回わたしに会うと「サンタハッピー?」と聞いてきて、「ハッピー」と答えると、「サンタのハッピーは俺たちのハッピーだ」と言ってくれるんです。最高な男です。

(岡村) わぁ~~~~かっこいいー!!!いいですね、とっても素敵なお話ですね。もっとお話し伺いたいのですが、40分間過ぎちゃったので、また今度お話うかがっても良きですか?

(SANTAさん) すみません聞かれてないことをたくさん、大丈夫でしたか?!

(岡村) いえいえ!!!とんでもございません!!

(SANTAさん) 全然いつでも聞いてください!!

(岡村) 色々話してくださってうれしかったです!「手品哲学」みたいなのを感じました!胸が温かくなるようなお話で、本に出てくる「物語」を聞いているような感覚でした。

(SANTAさん) 逆に聞いていただいてありがとうございました。なんか思い出して、忘れちゃいけないなってなりました(笑)

(岡村) へへへ(笑)ぜひまた!ありがとうございました!


【SANTAさんを取材してみて】
手品師のようなアーティストのような哲学者のような不思議なお人で、質問をすると少し間があり、それから、どっとあふれ出すように言葉を紡いでいく印象を受けました。またその言葉の端々には「手品に対する愛」のようなものが感じられました。SANTAさんを知ったのは4年ほど前で、東京にSANTAという名前の個性的な手品を演じる人がいるという噂が伊勢まで流れてきていました。実際にお会いしたのは2年前。当時からどこか不思議な人という印象が強かったですが、今回取材を通して本当の手品愛にあふれた素敵な人という印象が付け加えられました。......うーん。「SANTAさんを表現できる言葉」をわたしは持ち合わせていないようです。みなさんも実際に彼に会いに行ってみてください。


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