記事一覧
『デザイン保護法』分担執筆時に考えていた3つのこと [DESIGN/LAW]
こんにちは、弁護士の中川です。
先日、共著として参加した『デザイン保護法』(茶園成樹=上野達弘編著)が勁草書房さんから出版されました。
今日は、担当部分(第4章 空間デザイン)の執筆時に考えていた3つのことについて、書き残しておきたいと思います。
1. オーダーに応える
まず一番に考えたのは、「なるべく依頼の本旨に沿って書き上げよう、期待に応えよう」ということでした。
勁草書房編集部の
日英EPAの気になる点① --「商品の登録されていない外観」の保護 [DESIGN/LAW]
こんにちは、弁護士の中川です。
今日は、10月23日に締結された日英EPA(包括的経済連携協定)の中の知的財産に関するルールについて気になっている点2つのうち、まずはデザインに関するポイントを取り上げたいと思います(もうひとつは「悪意の商標」問題です)。
締結されたばかりでまだ掘り下げられていないのですが(なので、全く見当はずれの可能性もあります)、現時点での疑問点をnoteにメモしておきたい
デザインの保護の4象限マトリクス [DESIGN/LAW]
こんにちは、弁護士の中川です。
今日は、「デザインの保護の4象限マトリクス」について簡単に紹介したいと思います。
今年の7月に、一橋大学の長塚真琴先生のお声がけで、弁護士の海老澤さんと一緒に一橋大学・中央大学学生セミナー「ファッションロー入門」に登壇しました。私からは、「ファッションデザインの保護の難しさ : 不競法・商標法・意匠法」と題して学部生・院生の方々にファッションデザインの法律による
「デザイナーが自らの名をブランド化する自由とその危機」の続き
こんにちは、弁護士の中川です。
「ファッション業界では、国内外を問わず、デザイナーの名前を冠したブランドは数多く存在します。しかし、日本では今、新たなブランドがデザイナーの氏名をブランドネームとすることが商標法により阻まれてしまうという状況が本格的に到来しています。」
先日、このような書き出しで、コラムを書きました。
詳しくはぜひお読み頂ければと思いますが、ごくごく大雑把に言うと
・日本で
3つのニュースで振り返る2019年のデザインと法 [DESIGN/LAW]
2019年も、デザインと法に関するニュースがたくさんありましたね。その中から印象的だったものを、独断と偏見で、3つだけピックアップしてみました。
1. adidasの3本ライン商標がEUで無効に?🇪🇺数多くあったデザインと法関連のニュースの中で、おそらく一番広く話題になったのではないか、と僕が思うのは、adidasの3本ライン商標を巡るEUの判決のニュースです。
ただ、このEU一般裁判所
モンクレールやパネライのデザイン保護戦略と位置商標 [DESIGN/LAW]
昨年のモンクレールに続き、今年9月にパネライもついに登録に成功した「位置商標」。先日、日清のカップヌードルのデザインの位置商標が話題になったとはいえ、おそらくまだまだ耳慣れない人も多いかと思います。今回は、この位置商標によるデザインの保護戦略についてご紹介します。
・位置商標という特殊な商標がある
・商品の特定部分のデザインがブランドのアイコンとして広く認識されて
いる場合には、デザインを
ファッションデザインの模倣と「色違い」 [DESIGN/LAW]
Photo by Etienne Girardet
・ファッションデザインの模倣に関する裁判例が増えている・「模倣」か否かの境界線は曖昧だが、一定の傾向がある・2018年4月の判決は、女性服の「色違い」は一般に「模倣」の判断に 強い影響を与えないと整理しており、参考になる
不正競争防止法では、他人の商品の形態を模倣して販売等する行為が不正競争であると定められていますが、2018年に入り、