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台湾元総統・李登輝の言葉に学ぶ!!
この記事をご覧くださり、誠にありがとうございます!
前回、「世界中の日本」④と題して、台湾について取り上げたところです。
その中で、台湾が親日国家である理由の一つとして、李登輝前総統の存在が大きい、というお話をさせていただきました。
そこで今回は、李登輝前総統から学ぶ思想について、ご紹介できればと思います!
李登輝氏とは?
1923年、台湾生まれ。
元台湾総統。農業経済学者。宣教師。
台北市長などを歴任し、1948年、蒋経国総統(当時)から副総統に指名される。
88年には、蒋経国の死去に伴い、台湾総統に就任。
2000年総統退任。
信仰はキリスト教(台湾基督長老教会)。
本省人(台湾島出身者)初の中華民国総統で、「台湾民主化の父」とも称されています。
親日家としても知られ、日本統治時代の教育を受けて育ったことから、日本語が話せるとともに、「22歳までは日本人だった」との言葉で知られています。
尊敬する人物は、「武士道」の著者である新渡戸稲造と、台湾総督府民政長官として、台湾の都市開発の責任者を務めた後藤新平。
後藤新平は、疫病の根絶、教育の普及、基本インフラの整備、産業開発などあらゆる改革を行い、台湾発展の礎を築いた人物。
台湾で最も愛された日本人とも言われています。
そんな新渡戸稲造や後藤新平を敬愛する李登輝氏の思想は、日本人よりも日本人らしく、常に「日本よ、誇りを持て!」と私たちに語りかけているようです。
ここからは、李登輝著「李登輝より日本へ 贈る言葉」をメインに、李登輝さん語録を抜粋し、その考え方をご紹介できればと思います。
李登輝氏を形づくったもの
![](https://assets.st-note.com/img/1701926300974-dyG5gRTJzn.jpg?width=800)
「生涯をかけて台湾の民主化を大きく進展させることができたのは、私にとって最大の誇りだと思っている」
私は、日本文化のもとで基本的な教育を受けてきて本当によかったと思っています。
それが現在の私の精神の核をつくり、「台湾精神」や「キリスト教」と結びつけたのです。
台湾人は「日本精神(リップンチェンシン)」という言葉を好んで用います。
(勇気、誠実、勤勉、奉公、自己犠牲、責任感、清潔といった諸々の美点を指す言葉)
新渡戸稲造と後藤新平。この2人の日本人が『強い信念と信仰心をもちなさい』と教えてくれた。そこで精神的につながっていると私は感じている。2人は台湾近代化の恩人であると同時に、『私の先生』でもある。
最高指導者は孤独に耐える力がなければなりません。
しかし人間は弱いものですから、それこそ足がすくんで谷底に落ちるような気持ちに駆られることもしばしばです。
そんなときに気力や勇気を与えてくれるのが信仰なのです。
愛国心と感謝に満ち溢れた李登輝氏の言葉。
李登輝氏をかたちづくったものは、
①台湾への愛国心
②日本人として高度な精神教育を受けたという誇り
③キリスト教の信仰
の3点と言えそうです。
日本人の持つ精神①武士道精神
「未だ生を知らず、焉んぞ死を知らん(生を知らずして何で死を問うか)」という孔子の有名な言葉があります。
孔子が語った言葉を集めた『論語』には、人生を肯定的に捉える健全な面があるのですが、しかし、この言葉にみられるように否定の契機がないため、「生」への積極的な肯定だけが強くなる危険を孕んでいる。
生きているうちにいかに楽しむかが重要だということになってしまうのです。
そういう考え方は、「武士道とは死ぬことと見つけたり」という『葉隠』の言葉に表された日本精神とはまったく反対です。
日本人は「死というものがあるからこそ、どのように生きるか」が問題であると考えます。
日本および日本人特有の精神は何かと問われれば、私は即座に「大和魂」、あるいは「武士道」であると答えます。
武士道は、かつて日本人の道徳体系でした。
封建時代に武士が守るべきこととして要求され、教えられた道徳規範です。
世界に誇る日本精神の結晶とも言うべき「武士道」が生まれたのは、日本で営々と積み上げられてきた歴史、伝統、哲学、風俗、習慣があったからこそだと、『武士道』を著した新渡戸稲造は言っています。
もちろん武士道の淵源には、仏教、ことに禅の教え、中国の儒教、日本古来の神道の影響も挙げられますが、その本質は中国文化の影響を受ける以前からの大和民族固有のものだというのです。
新渡戸稲造は『武士道』のなかで、その徳目としてまず「義」を掲げています。
「義」とは、ひと言で言えば、卑劣な行動を忌むということです。
そして個人や「私」の次元に閉じ込めるのではなく、必ず「公」の次元に引き上げ、受け止めなければならない観念です。
次は「勇」です。
これは「義」と密接に結びついているのもので、義のない勇気はまったく価値がありません。
さらには「仁」があります。
そしてこれに密接して、他人を尊敬することから生じる謙虚さ、慇懃さの心である「礼」がある。
さらに、「礼」に絶対不可欠なものとして「誠」を挙げています。
そして、日本人が人倫の最高位に据えてきた名誉の掟というべき「忠」があります。
このような徳目が不即不離のものとして渾然一体となったものが「武士道」であると新渡戸は説いています。
武士道をはじめとする精神性の高さ。
それは儒教の「論語」などともまた違い、「武士道とは死ぬことと見つけたり」という『葉隠』の言葉に表された日本古来の精神。
日本人は「死というものがあるからこそ、どのように生きるか」を考えてきました。
新渡戸稲造が日本を代表する精神として世界に紹介した「武士道」。
それは、長らく日本人が大切にしてきた道徳規範でもありました。
李登輝氏としては、武士道精神を持ち合わせていた、戦前の高貴なる日本人の魂を見せてほしいと思われていたようです。
日本人の持つ精神性②真心
「日本精神の良さは口先だけでなく実際に行う、真心をもって行うところにある」
東日本大震災の惨状のなかでも秩序を守り、互いを思いやる日本人の姿は世界各国から絶賛されましたが、日本の精神文化がいまも生き続けていることを知って感銘を受けた人々が台湾にも数多くいます。
日本人の真心、思いやり、忍耐強さなどの徳目は、外国の方から見ると目を見張るものがあり、時に感銘を与えることがあるようです。
私たちは自分たちの本来持っていた精神性の豊かさを、もっと追及していくべきなのかもしれません。
日本人の精神③真似る
日本の文化は、有史以来、大陸や西洋から滔々と流れ込んできた変化の大波のなかで、驚異的な進歩を遂げ続けてきました。
ところが、結局、一度としてそれらの奔流に呑み込まれることなく、日本独自の伝統を立派に築き上げました。
日本人には、古来そのような類稀なる力と精神力が備わっています。
外来の文化を巧みに取り入れながら、自分にとってより便利に、受け入れやすいものにつくり変えてきたのです。
日本の良さの一つとして、外国からさまざまな文化が流入した時に、巧みに取り入れながら、自分流にアレンジしてしまう、という点が挙げられます。
仏教の流入も、明治維新における文明開化も、日本流に取り入れて、独自の文化を作ってきたように思いますね。
日本人の精神④「もののあはれ」の美学
日本文化の優れた面は、かかる高い精神性、すなわち武士道精神に代表される日本人の生活にある哲学であると思います。
心の底からこみ上げる強い意志と抑制力をもって個人が「公」のために心を尽くすだけでなく、日本人の生活にある美を尊ぶ私的な面があることも忘れてはいけません。
それは情緒として、形として、日本人の生活そのものになっている。
ここに日本人の美学の大きな特徴があります。
それは自然への感受性と調和の精神であり、「もののあはれ」「わび」「さび」を暮らしのなかに見つけ出す日本人独特の、また人間として普遍的に持つべき美学が生活に溶け込んでいるのです。
武士道に代表されるように、「公のために尽くす」、という高い精神性を持っていた日本人。
ただ、それだけではなく、私的な生活の中に「もののあわれ」「わび」「さび」など普遍的な美学を織り込んでいるのも、日本独特の特徴と言えそうです。
李登輝氏から日本人への苦言
日本人はみな勉強家で真面目です。
しかし、残念なことにその多くは勉強のための勉強で終わっている。
大切なのは現実社会を見据え、問題点をはっきり認識し、「日本をよくしたい」「国民のために尽くしたい」という信念を持って積極的に社会に働きかけることです。
大東亜戦争後、「あの戦争は、すべて日本が悪かった」と内外に宣伝するGHQの「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」政策により、日本人が精神のよりどころにしていた戦前の「価値」は全面否定されてしましました。
その結果、「国家」とは、「主権」とは、「国益」とは何かを考えるリーダーが生まれにくい国になってしまった。
しかし、日本ばかりを悪者にするような宣伝に迷わされてはいけない。
戦前の日本には、現代の日本が失った素晴らしい面がたくさんありました。
先述したように、日本には世界に類を見ない、美しい伝統が根付いています。
大切なのは「信念」であり、自らに対する「矜持(きょうじ)」です。
申し上げにくいことながら、日本人にはその「信念」が希薄になっているように思われます。
少なくとも現在の日本人にはコンフィデンス(自信)が欠落している。
自分に対する信頼感が持てず、堂々と実行に移す迫力が感じられません。
人間は死について知らなければ、いかに生きるかということもわかりません。
人間は生きているあいだに誰かのために、公のために何かをなさなければならないのです。
仏教が武士道に与えた冷静沈着なる心のありようは、物質主義にとらわれている現在の日本に最も欠けていることの一つと言えるでしょう。
武士道を学ぶことによって、冷静に事態を受け止め、沈着に対処することが可能になるはずです。
李登輝氏は、戦前の日本統治下で、誇り高い日本人としての教育を受けた、という面への自信をお持ちなのだと思います。
だからこそ、日本人の精神性の低下に苦言を呈され、もっと堂々と「信念」を持つ人になってほしい、と願われているのでしょう。
そして願はくは、日本よ、物質主義からおさらばし、アジアを代表する精神大国として再びよみがえれ!とエールを送ってくださっていたのが李登輝前総統になります。
李登輝氏から日本へのエール
日本は戦後、大変な経済成長を遂げました。
焦土のなかから立ち上がり、ついに世界に冠たる経済大国をつくり上げ、民主的な平和国家として世界各国の尊敬を得ています。
「現在の日本の外交は、敗戦のショックとGHQによる徹底したプロパガンダ、そして日教組の教育による自虐的、かつ自己否定的な歴史観から抜け出せていないように思われます。
反省は大事なことです。
しかし、反省が過ぎて自虐的、卑屈になるのは愚かしいことと言わざるを得ません。
自虐や卑屈の精神では、健全な外交はできない。
世界中から嘲笑されるだけです。
中国や韓国はそこにつけ込んで日本を貶めています。
台湾にも、日本がもっと強くなり、国際社会のなかで存在感を示してほしいと思っている人は多い。
台湾人は日本に対し常に関心を持っています。
日本を憂い、かつエールを送る李登輝氏の言葉は真剣味に満ちており、ここまで日本の美徳や、現状での改善点を指摘され、応援してくださっていることに感動すら覚えます。
〈まとめ〉
![](https://assets.st-note.com/img/1701928144406-HhkgJnefoh.jpg?width=800)
いかがでしたでしょうか?
台湾を代表する親日家の李登輝氏。
全編において日本への尊敬と愛情に満ちているお言葉の数々でした。
ある意味で日本人よりも日本人らしい大和魂をお持ちかもしれません。
李登輝氏には本当に頭が上がりませんし、何も響かない日本人であってはいけないな、と思います。
反省すべきは反省し、国際社会の中で責任を感じられる国へと成長していけたら良いですね。
この記事が、皆さんにとって日本とは何か、愛国心とは何かを考える一助となれば幸いです。
最後までお読み下さり、誠にありがとうございました‼
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